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おいしくて体にやさしい味噌の決定版!木桶仕込みの「自然栽培みそ 未来」

2024/06/06

味噌は日本人にとって身近な食材です。毎日のように口にするものだからこそ、味だけでなく製法や原材料にもこだわった商品を使いたいと考える人は多いのではないでしょうか。

今回、おいしい味噌を探していた編集長アッキーが注目したのが、自然栽培の味噌「未来」。製造元で、福井県で大正時代から味噌づくりを続けているマルカワみそ株式会社の専務取締役を務める河崎紘徳氏に、商品に込められた思いを取材陣がお聞きしました。

マルカワみそ株式会社 専務取締役 河崎紘徳氏
マルカワみそ株式会社 専務取締役の河崎紘徳氏

―会社の歴史を教えてください。

河崎 もともとは米づくりをする農家で、1914年に農家から麹屋になったのがマルカワみその始まりです。時代が移り、化学肥料や農薬を使う農業が当たり前となったことに疑問を感じた父が、環境に負荷をかけない味噌づくりに取り組み、1992年から有機味噌の製造販売を始めました。2010年からは、当社で販売するすべての味噌が農薬・化学肥料不使用の有機味噌になっています。

―「マルカワみそ」ならではの特徴や強みは何ですか。

河崎 三つあります。一つ目は、全国でも珍しい有機の味噌しか作っていない味噌屋という点です。当社で販売している味噌には、農薬や化学肥料を使った農作物を一切使用していません。二つ目は、昔ながらの木桶で仕込み、伝統的な製法である長期熟成で作っていることです。三つ目は天然の麹菌を使っている点です。空気中に存在するアスペルギルスオリゼーという麹菌を採取し、味噌や麹、甘酒づくりに使っています。

―特徴の一つである木桶仕込みの長期熟成について教えてください。

河崎 木桶で仕込むことで味噌の菌数が増え、味に深みが出るだけでなく、健康効果も期待できます。木桶はメンテナンスが大変でコストもかかるため、今はステンレスタンクを使うメーカーがほとんどですが、当社では木桶仕込みにこだわっています。

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昔ながらの木桶仕込み天然醸造の味噌は、深みのあるやさしい味わい。

河崎 また、市場に出回っている味噌の約95%は、加温することで発酵を促進させ、本来は10カ月ほどかかる熟成期間を2カ月から3カ月に短縮させたものです。しかし当社では加温をせず、じっくりと時間をかけて発酵させる伝統的な製法を守り続けています。

―木桶で仕込む味噌は珍しいのですね。

河崎 現在は木桶を使っている味噌屋が減り、木桶そのものを作るメーカーも全国で1~2社しかありません。木桶はもともと、最初に酒蔵が買い、10年ほど使ったものを醤油屋や味噌屋が中古で買うというサイクルがありました。しかし酒蔵が木桶で仕込まなくなったため、中古品が出回らなくなってしまったのです。

そこでマルカワみそとしては木桶の文化を残したいと考え、2006年に木桶を新調しました。木桶はメンテナンスをすれば100年は保ちます。また、組み上げる前に木と木が合わさる部分に文字を書いておくと、消えずに残ることから、未来に向けてメッセージを届ける「桶のタイムカプセル」という企画も実施しました。100年経って木桶を解体するときに、100年前の人間がどんなことを考えていたかが伝わるといいなと考えています。

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今となっては希少な木桶。

―今回ご紹介する「自然栽培みそ 未来」について教えてください。

河崎 農作物には「有機栽培」や「自然栽培」という栽培方法があります。有機栽培の場合、農薬や化学肥料は使えませんが有機肥料は使用できます。しかし、有機肥料といっても品質にはバラつきがあり、大量に肥料を使う農家さんも存在することから、「有機栽培だから良い」と断定できるものではありません。

当社では、大量に有機肥料を使うことや、発酵しきっていない動物性の有機肥料についてはあまり評価していません。農作物は、肥料が少なければ少ないほど硝酸態窒素が減り、腐りにくくなります。一般的なお米と、肥料を使わない自然栽培のお米のどちらを食べたいかを考えたとき、「自分が食べたいのは自然栽培のお米だ」と思い至りました。そこで2006年から自然栽培のお米と大豆を使った味噌を作り始め、誕生したのが「未来」です。

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自然栽培の大豆とお米から作られた「自然栽培みそ 未来」。

―塩やお水についてもこだわっているのでしょうか。

河崎 塩は大量生産の精製塩でなく、伝統的な製法で作られる自然塩を内モンゴルや韓国から輸入しています。仕込みに使うお水は、地下42メートルからくみ上げたミネラル豊富な地下水です。味噌や麹づくりでは、お水が大事ですから。

―パッケージのイラストも素敵です。

河崎 福井県出身の画家である三田村和男さんに描いていただきました。いろいろな見方ができるデザインだと思うのですが、私の父はあえてイラストの意味を聞かなかったそうです。私個人としては、味噌を仕込んでいるところを描いてくださったのかな、と思っています。

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ビビッドな色使いが目を引く、抽象画のようなパッケージ。

―おすすめの食べ方は。

河崎 味噌汁をはじめ、お鍋や味噌炒め、田楽味噌などにも使っていただけます。

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「自然栽培みそ 未来」を使った味噌汁は、まろやかでやさしい味わい。

―海外でも販売されているのですね。

河崎 はい。EU圏やアメリカは日本よりもオーガニックの市場が大きく、輸出販売を行っています。

―老舗の次代を担う世代として、取り組んでいきたいことはありますか。

河崎 当社は「私たちは、正直さを信念にみそつくりを通じて、「食の安全」と「健康」へ貢献する企業を目指し続けます。」という企業理念を掲げています。原料や製法にこだわった有機味噌は、「生命価値」と「環境価値」がある商品です。ですから私自身としては、味噌を売っているという意識はありません。お届けしたいのは健康です。今後も売れるものではなく、自分が食べたいものを作ることにこだわり、お客様にいかに健康になっていただくかをモットーに経営を続けていきたいと考えています。

―今後の展望をお聞かせください。

河崎 昨今問題になっているフードロスを減らしたいと考え、規格外の野菜を使った野菜麹の開発を進めています。もちろん、味噌づくりを通じて皆様に健康になっていただきたいという思いは変わりません。食べるということは生きていくことです。たった一杯の味噌汁からでも、人生や日本の未来は変わっていくのではないでしょうか。皆様の健康に貢献し、そして幸せになっていただくことで、輝かしい未来を実現できるのではないかと考えています。

―思いが伝わってきます。ありがとうございました!

「自然栽培みそ 未来」(400g)

「自然栽培みそ 未来」(400g)
価格:¥1,512(税込)
店名:越前有機味噌蔵 マルカワみそ
電話:0778-27-2111(8:30~17:30 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://marukawamiso.com/item/miso-mirai.html
オンラインショップ:https://marukawamiso.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
河崎紘徳(マルカワみそ株式会社 専務取締役)

1986年、福井県にてマルカワみそ株式会社の4代目社長・河崎宏の次男として生まれる。高校卒業後、辻調理師専門学校に入学し、日本料理特待生制度に合格。卒業式では代表で答辞を行い、その後大阪の日本料理店に就職して日本料理を学ぶ。2007年にマルカワみそ株式会社入社、2015年に福井県最年少で一級みそ製造技能士合格。世の中に味噌の素晴らしさを広めるため、日々味噌づくりに励む。

<文・撮影/坂見亜文子 MC/石井みなみ 画像協力/マルカワみそ>

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