豊かな自然が広がる栃木県の那須塩原市は、実は生乳生産額全国第2位の酪農地帯でもあります。今回編集長のアッキーが気になったのは、この地で30年愛される銘菓「御用邸チーズケーキ」。濃厚なチーズの風味としっとりした食感に魅了されるひと品です。株式会社庫や(くらや)代表取締役社長の冨田智夫氏とマーケティング担当の鈴木氏に商品の魅力を取材スタッフが伺いました。
贅沢なチーズの風味としっとり食感に感動。那須で30年愛される「御用邸チーズケーキ」
2024/06/17
株式会社庫や 代表取締役社長の冨田智夫氏
―株式会社庫やの社長に就任された経緯をお聞かせください。
冨田 私は学生時代から海外とのビジネスに興味があり、繊維やアパレルの業界で20年ほど商社マンをしていました。その後、株式会社ニューバランスジャパンに入社して2012年から7年間社長を務め、退職後はファンド会社であるアドバンテッジパートナーズから声がかかり、創業者の思いを引き継ぐかたちで庫やの社長に就任することとなりました。
社長を務めることに興味を持ったのは、日本の地方にはたくさんの銘菓があるのに、資金力や後継者の不足で消えてしまうという現状を知ったからです。ずっと海外とビジネスをしていた私ですが、国内の良いものをしっかり伝えていくビジネスは未体験だったので、ぜひやってみたいと思いました。
上品な甘さと芳醇なチーズの風味、しっとりなめらかな食感が絶妙。
分け合って食べられるホール型であることも大きなこだわり。
―今回紹介する「御用邸チーズケーキ」誕生の経緯は?
冨田 「御用邸チーズケーキ」は庫やが経営する那須塩原市の洋菓子ブランド「チーズガーデン」の看板商品で、2024年で誕生から30周年になります。チーズなどの乳製品は北海道が有名ですが、実は栃木県の那須塩原市も生乳生産額全国第2位の酪農地です。
このケーキは、創業者の「酪農地としての那須をもっとアピールしたい」という思いから生まれたと聞いています。現在でもその思いを引き継ぎ、商品のほとんどを那須の自社工場で作るなど、那須発祥のブランドであることを大切にしています。
―ボリュームのあるホールケーキであることも特徴です。
冨田 創業者のもう一つの思いは「ケーキとは、人を幸せにする場の主役のひとつ」ということです。ですので、お祝いの場や家族団らんの場で切り分けられるよう、大きく丸いケーキにこだわったと聞いています。
また、那須は天皇家の御用邸がある場所として有名です。そこでただ「那須」とネーミングするのではなく、食べる人がイメージしやすいよう「御用邸チーズケーキ」と名付けたそうです。
―味わいや作り方へのこだわりを伺えますか?
冨田 「御用邸チーズケーキ」は「唯一無二の、真似のできないもの」をコンセプトとしており、しっとりした食感と濃厚な味わいが特徴です。さらに大きな特徴は、開封前なら製造から常温で2週間も保存できることです。購入してから時間が経っても味が落ちることなく、逆に深みのあるおいしさを楽しめます。
この品質と味を実現するため、数種類のチーズなど世界中から素材を選りすぐって組み合わせのテストを重ねました。また、季節によって気温なども変わるため、職人が焼き方の微妙な調整をその都度行い、1年を通して同じ品質のものを作り上げています。加えて、時代に合わせたより良い食感と味わいを追求し、テストキッチンでアップデートも重ねています。
焼き始めから焼き上がりまでムラなく焼き上げるために、熟練のパティシエが直接目視で確認。
―おすすめの食べ方を教えてください。
冨田 常温のまま、しっとりした食感と奥深いチーズの味を楽しむのがスタンダードですが、冷蔵庫で冷やして食べても、寒い時期は少し温めても味わいに変化が出ておいしいです。紅茶やコーヒーと合わせるのはもちろん、チーズはお酒にも合いますから、ワインとの組み合わせもおすすめしています。
―食べ方によって味はどう変わるのでしょうか?
鈴木 冷やすと生地がギュッと締まるので、チーズの濃厚さがより引き立ちます。電子レンジで少し温めるとチーズの香りが際立ち、食感もスフレチーズケーキのようにフワフワになるので、ぜひお試しいただきたいです。
常温でも、冷やしても、温めても。いろいろな食べ方で味わいの変化を楽しめるのが魅力。
―「ジャパン・フード・セレクション」の金賞を受賞されていますが、評価のポイントは?
鈴木 保存料不使用でありながら、製造から2週間も保存可能な点が評価されたと思います。「御用邸チーズケーキ」は那須のお土産や贈答品にご活用いただいているので、日持ちが長いことは大きな強みです。また、他社のチーズケーキは卵や小麦粉の割合が多いのですが、「御用邸チーズケーキ」はナチュラルチーズの割合が最も多くなっています。これにより、しっとり濃厚なおいしさを実現した点も評価されました。
―誕生から30周年を機に「御用邸チーズケーキ」の新商品が発売されたとか?
鈴木 3月26日に、ミニサイズで個包装の「御用邸ミニチーズケーキ」を新発売しました。お客様から「小さいサイズで個包装のものも欲しい」とのお声をいただき、開発した商品です。原材料やおいしさは「御用邸チーズケーキ」と一緒ですので、ぜひオフィスへの手土産などにおすすめしたいと思います。
家族で食べられるホールの形にこだわって「御用邸チーズケーキ」が生まれ、30年間ご支持をいただいてきました。そしてこのたび、時代のニーズに合わせ数年かけて「御用邸ミニチーズケーキ」を開発し、満を持して発売できました。
弊社の看板商品が30周年を迎えられたのは非常に良かったと思いますし、その節目の年に待望のミニサイズを販売できたことに、特別な意義を感じています。
しっとりとした食感と濃厚な味わいはそのままに、
食べやすいひとつ直径約7cmのミニサイズと個包装で登場した「御用邸ミニチーズケーキ」。
6個入り¥2,480(税込)
―御社の今後の展望についてもお聞かせください。
冨田 長年「那須発祥」にこだわってきた結果、那須では「チーズガーデン」の認知を高めることができました。今後も創業者のこだわりを守っていきますが、もっと全国にも弊社の商品を広げていくべく、現在新しいビジネスモデルを開発しています。
一方で、那須発祥のブランドであることは誇りですから、しっかりとした地場固めも必要です。那須で持つ知名度を栃木県全体に広げ「栃木県の洋菓子といえばチーズガーデン」と言われるようになりたい。それにより、もっと県内の皆様に愛されるブランドとしてのアイデンティティを固めていきたいと思っています。
―素晴らしいお話をありがとうございました。
「御用邸チーズケーキ」(1個 直径約16.5cm)
価格:¥1,680(税込)
店名:チーズガーデン
電話:0120-540-224(平日9:00~15:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://cheesegarden.jp/collections/custom-collection-2/products/goyotei-cheesecake
オンラインショップ:https://cheesegarden.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
冨田智夫(株式会社庫や 代表取締役社長)
1987年大学卒後、蝶理株式会社に入社。1992年兼松株式会社に転身し、繊維部門でOEM事業やブランドビジネスに携わる。2007年に米スポーツ用品企業・株式会社ニューバランスジャパン入社。営業本部長、常務取締役などを歴任後、2012年に社長就任。2019年3月同社を退職。1年間の休養後、株式会社アドバンテッジパートナーズから誘いを受け、株式会社日本銘菓総本舗および株式会社庫やの代表取締役社長に就任。
<文/ふるとりあやめ MC/澤水拳太 画像協力/庫や>