小麦の生産量日本一の北海道は日本有数の麺どころ。今回、編集長アッキーが気になったのは、北海道民に長く親しまれている株式会社菊水の「知床ざるそば」と「札幌ラーメン寒干し」です。それぞれの特徴や今後の展開について、同社の代表取締役社長 春名公喜氏に伺いました。

株式会社菊水 代表取締役社長の春名公喜氏

―御社はチルド麺の分野で北海道の支持率No.1です！

春名　チルド麺業界でいうと弊社は全国シェア3位ですが、北海道では圧倒的1位を誇ります。さらに、実は九州と四国においてもラーメンについては1位で、沖縄でも弊社のラーメンはよく食べられています。弊社の麺商品が日本列島の各エリアでこんなにも愛されているのは、シンプルに「おいしいから」という理由だと思います。

―道外でも高いシェアを誇る御社の強みとは？

春名　弊社は北海道で創業し、2024年12月25日に75周年を迎えます。その歴史のなかで培った技術やノウハウによって「おいしい麺が作れる」というのが根幹にあります。そして、そのおいしい麺に合うスープ作りにも変わらぬこだわりがあります。そのおいしさを全国に届けられるのは、弊社が伊藤ハム米久グループだからできることです。伊藤ハムの物流に乗せて商品を全国に供給しています。全都道府県にチルド麺を供給できる会社は、弊社を含めて2社しかありません。

―御社の商品のポイントは？

春名　弊社の商品は北海道のご当地ラーメンはもちろん、北海道の有名店とも多くコラボレーションしています。どれも店主の方々と一緒に作り上げた想いのこもった商品です。弊社の商品を食べていただければ、北海道に来なくても北海道のおいしさを味わっていただけるため、コストパフォーマンスはいいと思います。おいしさには自信があるので、ぜひ一度弊社の商品を召し上がっていただき、北海道のおいしさを堪能していただきたいです。

北海道の名店とのコラボ商品が人気。

―「知床ざるそば」の誕生秘話やおいしさについてお聞かせください。

春名　「知床ざるそば」は今年で50周年を迎えるロングセラー商品です。開発当時は「知床慕情」という曲が大ヒットしており、北海道の代名詞でもある知床の特産品を使った商品を作ろうという声が上がったそうです。知床の特産といえば羅臼昆布が有名で、昆布には蕎麦が合うということで、麺は蕎麦に決まりました。

もちっとコシのある麺。目にも鮮やかな緑色が食欲をそそる。

春名　蕎麦の中心部だけを挽いた更科そば粉に羅臼昆布とわかめを練り込んだ緑色の麺は、羅臼昆布の風味がしっかりと感じられます。また、つゆにも羅臼昆布を使っており、コク深い旨味と上品な甘さが広がります。

―「知床ざるそば」は通年商品ですか？

春名　もともと「知床ざるそば」がスーパーに置かれる時期は春夏でしたが、お客様からスーパーのバイヤーさんに通年で置いてほしいとのご要望があったそうで、それ以降は通年で置いていただける商品となりました。他社のざるそばは夏季限定の商品が多く、冬にも食べたいざるそばとして多くの方に召し上がっていただけるのは嬉しいです。

季節の食材で好みにアレンジするのもおすすめ。いろいろな食べ方を楽しめる。

―「知床ざるそば」が売れ続ける理由は？

春名　「知床ざるそば」はここ一年を見ても、まだ売り上げが伸びている商品です。その理由として挙げられるのは、蕎麦にもかかわらず購買層が若いという点です。蕎麦の購買層のメインは50歳以上が多くて間口が狭くなる傾向にあるのですが、「知床ざるそば」は40代の方も多く購入してくださるため、間口が狭まらずに売り上げを伸ばすことができているのだと思います。

―50周年の節目に企画されていることはありますか？

春名　「知床ざるそば」はかつて、賞味期限が20日であったため道外で販売できていませんでしたが、30日に伸ばすことができました。弊社の知床ブランドとして他に「知床ざるラーメン」と「知床の冷やし中華」もあるのですが、50周年として春からこの3商品を全国展開することになりました。

この春から北海道だけでなく全国で味わえるようになる知床ブランド。

―「札幌ラーメン寒干し」の特徴は？

春名　「札幌ラーメン寒干し」の特徴といえば、なんといっても麺です。3段熟成の札幌ラーメンを加熱せずに生麺のまま冷風乾燥で寒干ししています。麺を一つ一つ網乗せして木枠に入れて形を整えて乾燥させるのですが、均一に乾燥させるために途中で1回裏返す工程を入れています。そのような手間を加えることで、生ラーメンよりもコシが強く麺の旨味が引き出されます。

手間を惜しまず仕上げた寒干し麺は茹で伸びしないため、
温かい鍋ラーメンに適している。

春名　醤油味のスープは本醸造醤油をベースにポークエキスでコクを加えて香辛料で味を調えた深みのある味わいです。常温で90日持つため、非常食としてストックするのも良いと思います。

―今後、寒干しの新シリーズも発売されますか？

春名　寒干し麺のおいしさをよりお伝えできる商品として、冷やしラーメンを発売しました。こだわりの寒干し麺なのでスープにもこだわりたいと考え、北海道の有名ラーメン店の「さっぽろ 純連」さんと「らーめん 山頭火」さんに監修していただきました。この商品は単身者の方にも手に取っていただきやすいように、あえて一人前にしています。ご家族で召し上がっていただく場合でも、一人前なのでそれぞれが好きな味を選べます。

一人前なのでひとりでも、家族でも食べやすい。

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

春名　今までの弊社の夢は、「北海道の味力（みりょく）を全国の食卓へ届けよう」でしたが、その夢はすでに叶いました。そこで、さらなる夢を社員から募集したところ、「北海道の味力を世界の食卓へ届けよう」という夢が加わりました。そのためには、地球・生活者・従業員・北海道に優しいものづくりをすべきだと考えています。

具体的に申し上げると、フードマイレージもそうですが、地球に向き合い、生活者の思考の変化にしっかりと対応し、従業員に優しい環境を整え、北海道のおいしさを道外へ売っていくことを行なっていきたいです。また、地域貢献として高齢化の問題や単身者の増加などを踏まえて、簡便に食べていただける商品を増やしていきたいとも考えています。

―貴重なお話をありがとうございました。

「知床ざるそば」（350g、めん110g×2）
価格：¥380（税込）
店名：北海道麺SHOP 味のふれあい菊水 北の麺ぐるめ
電話：0120-98-4806（9:00～17:00 日曜・祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/mengurume/939777/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/mengurume/

「札幌ラーメン寒干し 醤油味」（1袋：119g【めん80g】）
価格：¥1,990（税込）（ケース：1人前×10袋）
店名：北海道麺SHOP 味のふれあい菊水 北の麺ぐるめ
電話：0120-98-4806（9:00～17:00 日曜・祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/mengurume/570529/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/mengurume/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
春名公喜（株式会社菊水 代表取締役社長）

1962年生まれ。2023年、同社代表取締役社長に就任。

＜文／ウツギナオコ　MC／高橋知　画像協力／菊水＞