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大豆のコクと糀の甘さがおいしさの秘密。昔ながらの手ごね製法で作る「伊豆食の味噌」。

2024/06/18

今回、編集長アッキ―こと坂口明子が注目したのは「伊豆食の味噌」。素材が持つ本来のおいしさを引き出す手ごね製法で、丹念に製造されています。開発・製造をしているは発酵食品の世界に魅了された伊豆食文化公園株式会社 代表取締役の佐野憲悟氏。「一度食べたら忘れられない」と評判の味噌を生み出した舞台裏を取材陣が伺いました。

伊豆食文化公園株式会社 代表取締役 佐野憲悟氏
伊豆食文化公園株式会社 代表取締役の佐野憲悟氏

―創業の経緯を教えてください。

佐野 もともと私の祖父は、伊豆でみかん農園を営んでいました。当時は決して簡単ではない、無農薬で肥料を使わない自然栽培のみかん農家です。そこから少しずつ農産物の加工も行うようになりました。収穫したみかんをパウダーにすることで、天然ビタミンが補えるような自然食品を開発。こうした加工業を進めていくうちに、健康食品やサプリメントが注目される時代になっていきました。

受託製造でお客様のご要望にあわせて商品化していくなかで様々な理由により添加物使用も増え、その当時は、父が会社を継いでいたのですが「無農薬・無添加で安心安全」な健康食品を作っていたはずなのに、「おかしいな」と気づいたのが20年ほど前です。

祖父が創業時に描いていたコンセプトとずれてしまっている。そこで、原点に立ち返るために、父と私で新たに立ち上げたのが伊豆食文化公園株式会社です。自然食品や発酵食品などを中心に製造・開発・販売しています。

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みかん農家が出発点となって、
「食」の大切さや安心・安全に食べられる商品を展開している伊豆食文化公園株式会社。
自社農場や加工場も伊豆市内に有する。

―「伊豆食文化公園」という名前の由来は?

佐野 食品を扱う上で、食文化を体験できるような場所や加工する工程が見えるような施設があってもいいのではないかと考えました。公園のように遊びを通して学べる場。それをお客様に提供できればという思いから「伊豆食文化公園」と名付けました。

実際に工房では、お客様が農場を見学したり食文化を体験したりできます。一緒に味噌作りを行うと素材のシンプルさや工程の大変さなどにお客様にも様々な発見があるようです。都内の幼稚園や行政機関などの依頼を受けて食育体験なども行っています。最近では海外からいらっしゃる方もいて日本の発酵食品に興味があるとお話されていました。

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古くから受け継がれた製造工程で作る「伊豆食の味噌」。
一つひとつ丁寧に、時間をかけて作られる。

―発酵食品では「伊豆食の味噌」を作られています。きっかけは?

佐野 私自身が、発酵食品の世界に魅了されまして。当社を立ち上げる前には食品製造工場に勤めていました。そのときに、東京農業大学醸造学科の柳田藤治名誉教授のもとで共同研究をさせていただいていて、それが発酵食品に興味を持ったそもそものきっかけです。

それまで、発酵のことはまったくわからない状態でしたが研究を進めるうちに、「発酵」は面白いと気づいて。そこで、発酵の力を利用したサプリメント開発なども考えたのですが、あるとき、発酵食品の代表でもある味噌の作り方が変わってきていると知りました。

同時に、昔から行ってきた味噌の作り方も聞いてそのときに「その方法でやってみたい、味噌を作りたい」と思ったことが、現在までの味噌作りにつながっています。初めて自分で作った味噌を食べたとき、素材の味をしっかりと感じられ「おいしい」と思い、ものすごいインパクトだったのを覚えています。

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人の手で、ゆっくりと丹念に。
愛情がこもった手ごね製法や昔ながらの木樽で作られる味噌は風味豊かで濃厚なおいしさ。

―製造面でのこだわりは?

佐野 原料となる大豆は国産にこだわっています。それから使用する糀は味噌の仕込みに合わせて週3回ほど作ります。糀はできたてが一番酵素の力が強い。そのときに茹でた大豆と合わせることで、タンパク質を分解するなど大きな力を発揮してくれます。

仕込むときには、工房スタッフが手ごねで行い、8ヶ月から1年ぐらい長期熟成。ゆっくりと発酵させます。熱処理や保存料添加なども一切せずに樽出しでお届けするため、生味噌本来の豊かな風味を感じていただけると思います。大豆の味と香りに加えて、糀の甘み。食感も楽しんでいただける味噌です。

また、「伊豆食の味噌」には、数量限定で木樽仕込みという種類もあります。昔は味噌作りも木樽で行っていたそうですが、管理の難しさなどから現在は少なく、加えて木樽そのものがなかなか手に入らない現状もあります。でも、昔ながらの製法で作りたいという思いがあったので、酒造の木樽を譲っていただいて一部の味噌の仕込みに使用しています。木樽で作ると風味などがリッチになり旨味もぎゅっと凝縮されます。

通常の「伊豆食の味噌」がお気に召していただけましたら、「木樽仕込み」も味わっていただくと、より味噌のおいしさを感じていただけると思います。

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定番のお味噌汁以外に、野菜スティックに直接付けて味わってもおいしい。
ほかの調味料と合わせればドレッシング代わりにもなる。

―おすすめの使い方は?

佐野 野菜にディップする使い方はおすすめです。キャベツや人参、きゅうり。何でも合います。実は、野菜スティックに味噌を合わせるのは「塩からい」などの理由から敬遠されがちです。でも「伊豆食の味噌」は、糀の割合がすごく多い甘めの味噌。そのまま食べられるおいしい味噌です。

それから、マヨネーズ、オリーブオイル、お酢などで味噌を伸ばしてドレッシングのように使ってもらうのもおいしいです。個人的によく作るのは、本みりんとお酒で味噌を少し伸ばした後に、お肉の表面に塗る味噌漬け。冷蔵庫で一晩寝かせて、味噌などを拭ってから焼くと本当においしいです。酵素の力が強い味噌なので、ぐっとお肉が柔らかくなります。

こんなふうに、いろいろな使い方ができますし、お客様から「ほかとは味が違う。おいしい」と言っていただける味噌になりました。味噌を変えるとお料理の味も変わってしまうことがあるため、意外と味噌を変えるのはハードルが高い。でも、一度ぜひ味わっていただきたいです。「伊豆食の味噌」は、お試しサイズ(200g)も販売しているので、まずは気軽に使っていただけたらと思います。

―最後に今後の展望を教えてください。

佐野 発酵食品に限らず、食べ物は奥が深いものです。「食」そのものを広く楽しくできるような機会を多く作っていけたらと思っています。一回の食事を大切にすれば、人生は豊かになる。味噌のようにいつも食べているものでも、「これは味が違うな」「どうやって作っているのかな」といったように食を通して新たな気付きがあって、それが消費活動につながるような食文化を広めて行くことができればうれしいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「伊豆食の味噌」

「伊豆食の味噌」
サイズ:200g、400g、800g
価格:¥394~1,188(税込)
店名:伊豆食文化公園オンラインショップ
電話:0120-38-8089
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://izunature.shop/items/63909eaac13afb33b5707913
オンラインショップ:https://izunature.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
佐野憲悟(伊豆食文化公園株式会社 代表取締役)

大学卒業後、食品製造工場に入社。入社1年目に、東京農業大学醸造学科、柳田藤治名誉教授の研究室で「大麦と麹菌、微生物による発酵食品開発」に携わり、発酵食品の世界に魅了される。2018年、伊豆食文化公園株式会社 代表取締役へ就任。青汁、酵素サプリ、腸内環境改善サプリの開発のほか、味噌などを製造。開発・製造に力を注ぐ中、食育活動にも注力している。

<文/青柳舞子 MC/三好彩子 画像協力/伊豆食文化公園>

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