今回、編集長アッキーが気になったのは、人気店「九州じゃんがら」のラーメンとからしたかなのセットです。商品を販売しているタスグループ代表の下川高士氏に商品の魅力を取材陣が伺いました。

タスグループ代表の下川高士氏

―もともとは学習塾からスタートされています。会社の沿革を教えてください。

下川　私は小学校3年生のときに東京から熊本に引っ越しました。両親が離婚して母の故郷で暮らすことになったのです。東京と比べると無法地帯で（笑）、最初はいじめられましたが、次第になじんでいき、親友もできました。本場熊本の豚骨ラーメンのおいしさも知り、のちにラーメン店を始めることになります。

熊本では少林寺流空手道を習っていて、大学は早稲田を考えていました。でもその武道の先生から「早稲田に行ったら勉強しなくなるから、慶応に行って、スマートさを学んで感性を豊かにしなさい」と言われ、大学は慶應義塾に進みました。大学で入っていたサークルがブルドッグカンパニー略してブルカンで、これがのちに始める塾の名前になります。テニス、ゴルフ、ボート、ヨット、音楽など大学をまたいでいろんなことをするサークルで楽しかったですね。

大学卒業後はヤクルト本社に就職し、出世コースの海外部に行かせてもらうことができました。しかし、海外出張が多いため、故郷に母を残していることが心配になりました。母一人子一人で育ってきたので、海外で仕事をするよりも、母を東京に呼んでちゃんと面倒を見ようと考え、会社は2年で辞めることにしたのです。

私はヤクルトでの研修中、ヤクルトレディの女性たちの子どもを預かって、乳飲み子のベビーシッターをしたり、勉強を教えたりしていて、子どもになつかれるタイプでした。お母さん、お父さん方からの評判もよかったですし、「よし、塾をやろう」と考え、ブルカン塾を立ち上げました。

一人では無理なので、親友2人を誘って、がむしゃらに働きました。午前中、塾は営業していないので、保護者の方の乳飲み子を預かったりもしていました。そのときの子どもが今は「九州じゃんがら」の店長をやっていたりするので面白いものです。ブルカン塾の教え子で、教師の職が決まっていたのに、うちに就職した子もいます。彼は今、「ヴィーガンビストロじゃんがら」で副店長をやっています。

元気が出るパッケージで、お店の味が自宅で簡単に楽しめます。

―ブルカン塾の特徴を教えてください。

下川　ブルカン塾は今年で45年になりますが、知識だけでなく、マナー、強い意志、感性を重要視しています。勉強だけができてもマナーが身に付いていないと、他人と楽しく接することはできません。また幸せな人生を送るためには強固な意志が必要なので、目標を立てて達成していくための教育を行っています。さらに豊かな人格形成のため、さまざまな授業で子どもたちの感性を磨き上げることにも力を入れています。

―ラーメン店を始めるきっかけは何だったのでしょうか。

下川　ブルカン塾では、経済的に苦しくなって月謝が払えない子どもには、「出世払い」をお願いして通ってもらうこともありました。ただ、そういったケースが増えると会社としての収入が安定しなくなります。

塾は午前中はやることがないですし、スタッフの生活をきちんと成り立たせるためには、もうひとつ事業を始めたほうがいいと考えました。そのとき、故郷の熊本と東京のラーメンが全く違うことに目をつけ、熊本の豚骨ラーメン店を始めようと仲間に提案したのです。

でもラーメンを作ったことはないですし、ラーメン店で働いたこともありません。周りからは反対されましたが、熊本のラーメンのおいしさを東京でも広めたいと説得しました。ちょうど一緒に働いていた親友のご両親がたまたま上京していて、私の話に賛同してくれ、長崎で卓袱（しっぽく）料理の料理人をしていた義息子の野田さんを紹介してくれることになりました。彼はラーメンの料理人ではありませんが、腕が立つ人で、ラーメンももちろん作れます。ラーメン屋の主人ならレシピを簡単には教えてくれないでしょう。野田さんは、40日間という約束で上京してくれ、ラーメンの作り方を一から教えてもらって、3か月後にはお店をオープンしたのです。

しかし、せっかくオープンしたお店は2日間で閉めることになりました。豚骨の臭いが周辺に広がり、周りから「臭い」とクレームが来たのです。その臭さが私は本物だと思っていましたが、周りに迷惑をかけて営業しても、お店が長続きするわけはありません。それから2週間、再び野田さんと一緒に試行錯誤してラーメンを作り直し、臭いを消すことに成功し、出来上がったのが「東京マイルドとんこつ」です。

―どうやって臭いを消したのでしょうか。

下川　豚骨を生かしながら匂いを出さないために、皮を全く入れず、髄と豚骨と香味野菜、そして鶏ガラを入れることにしました。鶏ガラを使うことには故郷の味を裏切ってしまった感じがありましたが、コクが出て、スープのバランスがよくなっておいしかったのです。

実際、東京マイルドとんこつをお店で出すと、お客様の反応が良く、どんどんお客様が増えていきました。

今では著名な俳優さんからの依頼でドラマ撮影時のケータリングとして使っていただくことも多く、有名人の方もたびたび来店されます。

豚骨、鶏ガラ、数種類の野菜をバランスよく配分し、
丁寧に煮出したマイルドな豚骨スープ。軽やかな口当たり。

からしたかなでごはんが進みます。

―今回ご紹介する「おみやげ箱らあめん(2食入）【1箱】＆からしたかな【1袋】セット」の誕生の経緯を教えてください。

下川　「コロナになんか負けてたまるか」作戦の一環で、お店に来れなくても自宅で楽しんでいただけるよう2020年の9月に発売しました。からしたかなは2016年から販売していました。

からしたかなはすごく辛いのですが、ラーメンに入れるならこの辛さがちょうどいいんです。亀梨和也さんが大好物とのことでYouTubeで紹介してくださったりして、単品でも人気です。10袋20袋まとめて買って帰られるお客様もいますし、外国人の方もお土産にされています。

箱ラーメンは、店舗で行列ができているときに、持って帰って自分で作るという方が買っていかれるケースも多く、これは予想外でした。

箱ラーメンには、私が書いたメッセージを添えています。単純にラーメン食べていただくだけではなく、いい気、元気、活気、やる気という当社のモットーを皆さんに伝えることも私たちのミッションだと思っています。

合成着色料・合成保存料不使用。

たまごかけごはんにしても美味しい。納豆とも相性抜群。

―こちらのラーメンのおいしい作り方のコツはありますか。

下川　丼を温めておいて、熱々でいただくことです。からしたかなだけでなく、紅生姜、明太子、チャーシュー、半熟玉子を入れていただくと、さらにおいしくなります。

創業以来の歳月をかけて進化し続けてきた麺。こりこり感を持った一定の硬さ。
数種類の小麦粉の配合と、卵白の硬さでバランスを取り、コシのある麺に。

からしたかなはチャーハンとの相性も抜群。

―今後の展望をお聞かせください。

下川　私は健康診断で重度の糖尿病だと診断されたことがあり、食事をヴィーガンに変えて、1日1万歩を目標に歩いて、3か月で30キロ体重を落としました。健康上、宗教上など、いろいろな理由で食事に制約がある方もいらっしゃることにあらためて気づき、ヴィーガンレストランもオープンし、こちらも繁盛しています。

人間の幸福を考えたとき、経済的な富裕、円満な人間関係が占める割合は大きく思えますが、円グラフに書いたら実はその2つで10％から20％ぐらいで、ダントツに大切なのは心身の健康！それが80～90％だと思います。ブルカン塾も九州じゃんがらも心身の健康を発信しながら、これからも事業を進めていきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

おみやげ箱らあめん（2食入）【1箱】＆からしたかな【1袋】セット
価格：¥1,380（税込）
店名：九州じゃんがら
電話：03-3779-3660（10:00～17:00 土日祝休）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://jangara.thebase.in/items/33958366
オンラインショップ：https://jangara.thebase.in/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
下川高士（タスグループ 代表）

1954年東京目黒区駒場生まれ、熊本県玉名町育ち。熊本県立玉名高校→慶應義塾大学法学部政治学科→（株）ヤクルト本社→1979年夢実現の学習塾『ブルカン塾』を開設。塾の経済的な基盤を確立するために1984年『九州じゃんがららあめん』を開業。2009年芝大門『東京らあめんタワー』、自由が丘『T’sレストラン』、2021年『ヴィ―ガンビストロじゃんがら』を開業。著書に心の詩画集『元気だそうよ』シリーズ6巻、『今が一番大事』DVD3巻。

＜文／垣内栄　MC／三好彩　画像協力／坂口明子＞