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和菓子と洋菓子のいいとこどり。「紅玉りんご」のお菓子「薄紅(うすくれない)」「たわわ」

2024/06/20

日本を代表するりんご生産地の青森県。青森には、りんごを使ったおいしい加工品も数多くあります。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは希少品種の「紅玉」で作られたお菓子「薄紅(うすくれない)」と「たわわ」。商品の魅力について、株式会社翁屋 代表取締役社長の阿部淳之輔氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社翁屋 代表取締役社長の阿部淳之輔氏
株式会社翁屋 代表取締役社長の阿部淳之輔氏

―社長の経歴について。

阿部 創業家の方と私の父は幼馴染で家族のように仲が良く、金融機関出身の父は翁屋で番頭(財務担当)を務めていました。父は代表取締役となった一方で病気を患い、創業家に跡継ぎがいないことから私に白羽の矢が立ったのです。美容専門学校への進学を機に上京していた私は青森へUターンして、製造・営業・販売・経理総務といった一通りの業務を経験しました。
東京では美容師として自分の店を持っていたため、平日は翁屋、週末は東京という生活を長く続けていました。社内でも理解を得ていたものの、創業100年というタイミングで社長に就任することになり、美容師仲間に店を譲り社長業に専念することにしたのです。

―創業家から受け継いだものは?

阿部 事業承継にあたっては、創業家の意向を汲みとれる人物が現れず閉業も考えていたそうです。青森市は廃藩置県で県庁所在地となり、戦後の復興を経て発展してきた街です。大正7年(1918)から今に続く企業は少なく、市内には小さい頃から翁屋のお菓子を食べて育った方がたくさんいました。
「翁屋のような会社が青森県からなくなるのはもったいない」という私の考えが、創業家の方と共通していたのだと思います。入社から6年という駆け足での就任となりましたが、「翁屋の次の100年を作る」という新たな使命ができました。

―会社の強みを教えてください。

阿部 翁屋はお団子や大福を売る小さな個人事業店からスタートしました。「青森のりんごを使ったお菓子をもっと作っていく」という3代目の方針により、「薄紅(うすくれない)」や「たわわ」といった代表的なお菓子が生まれたのです。アップルパイなどの洋菓子も作り始め、1976年にお菓子全般を手がける会社として法人化しました。地域に根差した日常のおやつから贈答・土産品まで、お客様のいろいろなニーズに応えられる商品群が強みです。

―「薄紅(うすくれない)」はどんな商品ですか?

阿部 「薄紅」は、輪切りにしたりんごを職人の手で1枚ずつ乾燥させたお菓子です。乾燥したりんごが硬くならないように、りんご内の水分を糖蜜に置き換える真空釜を開発しました。乾いた果実はポテトチップスのように曲がるので、まっすぐで美しい見た目にするのに苦労したと職人から伝え聞いています。
ドライフルーツでありながらやわらかい独特の食感、りんごの酸味を残しつつ砂糖漬けにする技術、この2点にこだわっています。原材料はりんごと砂糖だけで、果実をそのままグミにしたような食感と、じわっと染み出るりんごの旨みを味わえます。

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皮と実の食感の違いも楽しめる贅沢な一枚。

―「薄紅」の誕生秘話について。

阿部 砂糖漬けにしても甘くなりすぎないように、りんごの品種は酸味が強い「紅玉」を使用しています。「紅玉」はとても酸味が強く、原種に近く、1,000個もの実がなることから別名「千成」と呼ばれます。昔の農家さんは市場に出し切れなかったりんごを砂糖漬けや乾燥によって長期保存するのですが、3代目はそこからお菓子作りのヒントを得ました。「紅玉」を作る農家さんが減り、今や余るどころか業者間で争奪戦になるほどの希少品種です。大切に育てられたりんごを加工する業者として、プライドを持ってお客様にお菓子をお届けし、作り手を守るお手伝いもしていきたいと考えています。

―「たわわ」の魅力も教えてください。

阿部 「薄紅」は果実中央の2枚程度を使用することでサイズを均一にしています。「薄紅」とならない部分を細かくカットして、パイ生地でサンドしたお菓子が「たわわ」です。洋酒に漬け込みアクセントをつけているので、最後まで飽きずに食べられます。職人が1つずつ焼き加減を見極めるため、大量生産が難しい商品でもあります。濃厚な「薄紅」の味に負けないように、バターをたっぷりと使ったパイ生地も自慢です。どちらの商品も味が濃く、和菓子でありながらコーヒーもよく合います。ブランデーやウイスキー、ワインなどの洋酒と合わせて、おつまみにするのもおすすめです。

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サクサクのパイと洋酒の香る薄紅がしっとりと馴染む。
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高級感のある箱入りで、贈答用にもぴったり。

―今後の展望について。

阿部 青森県のりんご農家は減少しているので、会社としてお手伝いできることを模索し続けています。日本におけるりんごの生産エリアは世界的に見るとごく一部ですが、日本のりんごは海外でとても高い評価を得ています。国内のりんごの価値を高める試みの一つとして、世界中のりんごで「薄紅」のような商品を作れたら面白いですね。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

薄紅(うすくれない)

「薄紅(うすくれない)」(9枚入)
価格:¥3,240(税込)
店名:おきな屋
電話:017-742-1430(9:00~12:00/13:00~16:00)
定休日:土・日・祝日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.a-okinaya.co.jp/?mode=cate&cbid=1520965&csid=0
オンラインショップ:https://shop.a-okinaya.co.jp/

たわわ

「たわわ」(10個入)
価格:¥2,916(税込)
店名:おきな屋
電話:017-742-1430(9:00~12:00/13:00~16:00)
定休日:土・日・祝日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.a-okinaya.co.jp/?mode=cate&cbid=1541814&csid=0
オンラインショップ:https://shop.a-okinaya.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
阿部淳之輔(株式会社翁屋 代表取締役社長)

1978年、青森県生まれ。東京で約13年間の美容師生活を送り、2012年に株式会社翁屋へ入社。2018年に代表取締役社長へ就任、現在へ至る。

<文/マスダアヤノ MC/澤水拳太 画像協力/翁屋>

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