軽やかな食感とさまざまな味を楽しめるクッキーは、大人も子どもも大好きなお菓子です。ティータイムにおいしいクッキーがあるだけで、幸せな気持ちになりますよね。
今回、おいしいクッキーを探していた編集長アッキーが注目したのが、愛媛県松山市で洋菓子店「ラ・ブランシュ」と「ラ・ブランシュド・ラ・エ」を営む有限会社ミヤザキの「ほろほろくっきー」です。地元で愛され続けている洋菓子店のロングセラー商品がどんなふうに生まれたのか、代表の宮崎俊一郎氏にお話を伺いました。
2024/06/20
軽やかな食感とさまざまな味を楽しめるクッキーは、大人も子どもも大好きなお菓子です。ティータイムにおいしいクッキーがあるだけで、幸せな気持ちになりますよね。
今回、おいしいクッキーを探していた編集長アッキーが注目したのが、愛媛県松山市で洋菓子店「ラ・ブランシュ」と「ラ・ブランシュド・ラ・エ」を営む有限会社ミヤザキの「ほろほろくっきー」です。地元で愛され続けている洋菓子店のロングセラー商品がどんなふうに生まれたのか、代表の宮崎俊一郎氏にお話を伺いました。
―洋菓子の道を志した経緯を教えてください。
宮崎 昔からものづくりを仕事にしたいという気持ちはありました。実は学校を卒業後、短期間だけサラリーマンをしていたことがあります。そのときに「自分の人生はサラリーマンでいいのか」と半年ほど迷い、やはり手に職を付けたいと考えて洋菓子の世界に入りました。
―現在のお店「ラ・ブランシュ」と「ラ・ブランシュド・ラ・エ」をオープンした経緯は?/strong>
宮崎 東京でパティシエの修業をして、自分は洋菓子づくりに向いていると確信しました。仕事が楽しく、「お店を持ちたいな」と思い、地元の松山に帰って「ラ・ブランシュ」を開いたのが1993年のことです。やがて手狭になったため2000年に現在の場所へ移転し、2008年にはコンセプトの違う「ラ・ブランシュド・ラ・エ」をオープンしました「ラ・ブランシュド・ラ・エ」にはカフェがあったのですがコロナ禍で閉め、代わりに植物を販売する「ド・ラ・エ プランツ」を開き、営業しています。
―創業時から変わらずに大切にしていることはありますか。
宮崎 おいしいケーキとお菓子を作ることに尽きます。おいしく食べていただいて、お客様に喜んでもらうのが一番です。
―ケーキの種類が多く、おどろきました。
宮崎 新製品は毎年作っています。レシピの数は200、300ほどになるのではないでしょうか。品揃えは季節によって変えていますし、昔作ったものを数年経って再発売することもあります。定番のケーキ以外は定期的に入れ替えています。
―一番人気のケーキは?
宮崎 「チーズグラタン」という、アルミホイルの中にチーズクリームを流し込んで焼くケーキは根強い人気があります。これは当店が発祥の商品なのですが、今では全国で見かけるようになりました。
―今回ご紹介する「ほろほろくっきー」はどんなお菓子ですか?
宮崎 販売を始めたのは20年ほど前で、フランスのブールドネージュというお菓子をベースに、いろいろな味があったほうがいいかなと考え、「抹茶」や「黒糖」といった風味をつけて作りました。ブールドネージュは、丸めた生地を焼いてから粉糖をまぶして作る焼き菓子で、「白い雪の玉」という意味があります。
―アイデアから生まれたロングセラーなのですね。
宮崎 はい。ただ、作るのに時間がかかるため、売り切れたからといって翌日すぐに出せるものではありません。まず生地を仕込んで寝かし、形成して焼き、冷まして粉をまぶすという工程が必要で、3日以上かかります。味も6種類あるため、生産が追いつかないこともあります。
―商品開発にかかった期間はどのくらいですか。
宮崎 「ほろほろくっきー」の場合は半年ほどです。焼き菓子は基本的な配合が大体決まっているので、店ごとの個性を出すには、そこからどうアレンジするかにかかっています。ただ、毎日同じように焼いていても焼き上がりの状態が少しずつ違うので、奥が深く難しい面もあります。それを極めていくのが、焼き菓子づくりの醍醐味かもしれません。
―こだわっているポイントは?
宮崎 一番大事にしているのは、食べたときの口どけやサクサク感、ホロホロ感です。生地を練りすぎると食感が変わってしまうので、その点は気を遣っています。
―どんな方に食べていただきたいですか。
宮崎 食べやすいクッキーなので、お子様から年配の方まで幅広く食べていただきたいと思います。卵を使っていないため、卵アレルギーの方にも好評です。
―今後の展望をお聞かせください。
宮崎 今は時代の変化が速く、先のビジョンを描くのが難しい部分もあるのですが、今のお店を少しずつよくしていくことが大切だと考えています。それからこれは以前から思っていることですが、愛媛だけではなく日本全国の方に食べていただきたいです。
―地方発送を始めたのもそういった背景からですか?
宮崎 もともとは、他県に引っ越した方から「食べたいな」という声をいただくことが増えたことで発送を始めました。松山市は県庁所在地で人の出入りが多く、転勤で来る方もいれば出ていく方も大勢います。ありがたいことに、愛媛を離れた方にもリピートしていただいています。
―全国にファンがいるのですね。本日はありがとうございました!
「ほろほろくっきー」(抹茶/和三盆/きなこ/黒糖/ほうじ茶/メイプル 各70g)
価格:¥4,320(税込)
店名:ラ・ブランシュ
電話:089-925-8805(10:00~18:00 月休)
定休日:月曜日
商品URL:https://shop.cake-cake.net/la_branche/select_item.phtml?CATE3_ID=91&tag_id=12&search_type=tag_search
オンラインショップ:https://shop.cake-cake.net/la_branche/index.phtml
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
宮崎俊一郎(有限会社ミヤザキ 代表)
1965年愛媛県生まれ。新田高等学校卒業後、ラ・ポムベール、ピエールドールでの修業期間を経て、1993年27歳のときにラ・ブランシュをオープン。2008年41歳でラ・ブランシュド・ラ・エを、2022年ド・ラ・エプランツ、2023年ラ・ブランシュ902(クレープ)をオープン。
<文・撮影/坂見亜文子 MC/山口優花 画像協力/ミヤザキ>