タカ食品工業_top、4

きっと家族で盛り上がれる!“給食のジャム”の詰め合わせ

2024/06/24

学校給食を経験してきた人であれば、コッペパンや食パンと一緒に提供されていた、小袋入りのジャムやマーガリンの存在をご存知なはず。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、国内トップクラスのシェアを誇るタカ食品工業株式会社の小袋ジャム・マーガリン。福岡県の南部に位置するみやま市から、全国へと商品を送り出す同社の強さについて、代表取締役社長の大塚直氏に伺いました。

タカ食品工業株式会社 代表取締役社長の大塚直氏
タカ食品工業株式会社 代表取締役社長の大塚直氏

―御社の沿革について教えてください。

大塚 弊社は1947年(昭和22年)創立し、今年で77年になる会社です。先代の父も長いこと社長をしておりましたので、2代で77年になりました。父はみやま市の瀬高町で生まれ育ち、韓国に渡った後、マーガリン製造である程度成功した経験から、戦後、地元に戻って弊社を創業しました。

初期は主にパン屋さん向けの材料を作っておりましたが、1958年(昭和33年)頃からは学校給食でパン食が始まり、弊社のジャムが採用されるようになりました。ちょうど私が小学校のときでしたが、当時は大きな缶に入ったジャムをスプーンで一人一人に配っていたのですよ。

それをもう少し衛生的にできないかと考えていた時、父が出合ったのが小袋の包装形態でした。輸入品でサイズはもう少し大きなもののようでしたが、「これはいい」ということで、自ら製造機械を作りました。タカ食品が学校給食の中心になれた最大の理由はここにあります。

タカ食品工業_2
今は当たり前でも、“小袋入り”は当時画期的な商品だったそう。

大塚 小袋の包装形態はそれまで他になかったので、父は独学で設計図を書き、それを鉄工所に持ち込んで作ってもらっていました。ジャムを炊く機械やマーガリンを連続で製造する機械など、様々な機械を製造して個性ある商品を作り、昭和30年代の後半には、給食用の小袋入りジャムで九州から北海道までを制覇することができました。

1人1人に、しかも一定の量ずつ確実に届けることができるので、かなり画期的だったと思います。今は機械の専用メーカーがありますので、弊社もそちらの優秀な機械を採用し、機械同士を連携させてオリジナルの商品を作っています。

タカ食品工業のジャムやマーガリンを楽しむ児童たち。

―なかったものを作ったところが御社の強みなのですね。

大塚 そうですね。それがまず1つで、次が商品へのこだわりです。かつてはコスト的な問題から砂糖ではなく甘味料を取り入れてジャムを作る時代がありました。その中で弊社はいち早く、価格は高くなっても安心できるものを届けるという姿勢をとり、信頼を得ていきました。それから営業力。九州の田舎者が、愚直にいろんなところに行って、お客さまに対応させていただいたことが高い評価を受けました。社長になって最初の頃、お客さまのところへ伺うと、私どもの営業が非常に高い評価を受けており驚きました。真面目で一生懸命であることは私どもからすると当たり前で、どこもそうだろうと思っていたのですが、そうではなかったようです。父の代からお客さまを大事にし、幅広い年代層の営業スタッフが活動していたということも強い信頼関係に繋がったと思っています。

―大塚社長は1975年に入社される以前、ソフトウェアの会社におられたとのこと。元々家業を継ぐご予定ではなかったのですか?

大塚 子供の頃からここで育ちましたので多少は意識していたかもしれませんが、父は私を後継者に、という思いは特になかったように思います。と言うのも私は5人きょうだいで、兄もおり、彼も会社に入りましたし、義理の兄も弊社におりました。なので、私は大学でソフトウェア関係を学び、その分野に進みました。そのうち父から、タカ食品にもコンピューターが必要だという話があり、それなら役に立てそうだと家業に入ったのです。管理システムの導入はかなり時代的に先行していたと思います。父が工場の設備関係で会社の個性を出してきたとしたら、私はコンピューターやソフトウェアの分野で会社の個性を出してきたのかもしれません。

―それでは今回、ご紹介いただいた「タカ印ベビージャムセットハイカラ」について聞かせてください。

大塚 こちらはWEB担当や商品企画担当が中心になって作った商品です。せっかくこれだけジャムのラインナップがあるのだから、それらをまとめて紹介できるものがあればというわけです。また、時代と共に包装形態、中身、デザインは変化してきましたが、今でもこうして残っていることを知って欲しいとの思いもありました。蓋を開けたとき、「お母さんもこれ食べたよ」「おじいちゃんおばあちゃんの時もそうだったよ」と、2世代、3世代で思い出を共有し、時間の流れも感じていただける。それもこの商品の魅力です。ちなみにこちらは「タカ印ベビージャムセットハイカラ」で、他に「タカ印ベビージャムセット元祖」もご用意していますのでぜひHPをご覧になってください。

タカ食品工業_top、4
蓋を開けると、9種類の小袋入りジャムがお目見え。

―中には9種類の商品が入っているのですね。

大塚 そうですね。弊社の看板商品である「イチゴジャム」と「マーマレード」、「せんいプラスストロベリージャム」、「せんいプラスブルーベリージャム」、そしてフルーツ含有量が多くて栄養士さんからも評価の高い「ヴェルジェストロベリー」、「ヴェルジェブルーベリー」、ジャムではありませんが「メープルゼリー」、「チョコレートネオソフト」、「Feひじきのり」の9種類がセットになっています。どれも学校給食でお馴染みのラインナップです。

タカ食品工業_5
コッペパンと一緒に楽しめば、学生時代の気分に。

―御社のジャムの強みはどこにあると思いますか?

大塚 まずは信頼感でしょうか。原料は世界中から厳選していますが、製法や農薬の使用状況などまできちっと確認が取れるトレーサビリティシステムを導入しています。そしてもちろんジャムを炊く際の製造技術のレベルの高さ、開発スピードの速さも強みだと思っています。

―こちらのセットは贈答品にもよさそうですね。

大塚 ありがとうございます。ちなみに外箱にはたくさんの人物のイラストが描かれているのですが、その中に実は先代と私、息子の絵も入っているのです。開発した女子社員たちのアイデアで、私も完成してから知りました(笑)。弊社もジャムと同じように3世代で歴史を刻み、それぞれ家族に支えられてきたので、そういった思いもデザインに込めたそうですが、面白いことを考えてくれるなぁと思いました。

タカ食品工業_6
真ん中で笑顔を見せてくれているのが大塚社長。

―中にはジャムではない商品、「Feひじきのり」もあるのですね。

大塚 これは弊社の危機から生まれた商品です。学校給食に米飯が導入され、さらに麺も加わることになり、ジャムが採用されるタイミングが急激に減っていきました。それまで弊社は製造量の約75%が学校給食用の小袋ジャム、約25%が業務用の材料でした。さらに当時は小袋ジャムの箱詰めを手で行い、本社工場だけでも300人ぐらいの方に働いていただいていたのでこれは大変だと思いました。

そこで、これまでのイチゴジャムやマーマレードに加え、カロリーが低いジャムや繊維質が多いジャム、アーモンドやピーナッツを使ったものなど、よりバラエティーに富んだ、使いたくなるジャムを製造することにしました。さらに、ご飯にも小袋の技術が活かせるものがあれば、ということで海苔の佃煮が生まれたのです。まずは子供たちの健康に合わせた、塩分控えめ、甘めの佃煮を。さらにアレンジしてひじきのりの佃煮も作りました。体に吸収しやすいヘム鉄を強化する形で作った商品で、こちらは子どもだけでなく女性ファンも多いのですよ。

タカ食品工業_7
ご飯がどんどん進むように作られた「Feひじきのり」。

―普段はひじきを食べない子どもが、給食だと食べるというお話も伺って驚きました。

大塚 給食というものの面白さですよね。みんなが食べるから自分も体験してみようという気持ちが芽生えるようで、教育的効果は非常に大きいと思います。昔は栄養強化が給食の主たる目的だったと思うのですが、今はマナーや食に対する関心、食物連鎖や食品の流通を教える食育の場として、学校給食は大事な役割を持っています。

―「Feひじきのり」については、SNSでも話題となりましたね。

大塚 あるお子さんが「Feひじきのり」が食べたいと言うので、お母さんがインターネットで調べると、それが弊社の佃煮だったというお話ですね。

―お母さんがお子さんの誕生日のプレゼントにしたい、と御社に注文したところ、素敵なメッセージが添えられ、しかも誕生日に間に合うように急いで配送してくださったというエピソードでした。

大塚 通販メインの会社ではないので、もともと段取りがよいわけではないのですが、受注を担当した女性が、「社長、こういうメールが来ていますが、私の方で対応していいですか?」というので「いいよ!」と。配送や出荷担当のスタッフも皆、乗りやすいタイプなので、「何とか間に合わせるぞ!」と、みんなで一致団結して実現できた事例でした。それを大きく報道していただき、本当にありがたく、嬉しく思っています。

―子どもさんにも優しい会社なのですね。

大塚 長年、学校給食に関わっている会社ですからね。弊社には産休制度もしっかりありますし、子どもさん関係のことに関しては、積極的に協力します。ですから皆、非常に長く勤めてくれますよ。私はどこの会社もそうだと思っていたのですが、社員から「社長、うちの会社みたいなところは珍しいです」と聞いて、へぇと思いました(笑)。

―今後の展望についても聞かせてください。

大塚 国内にはまだまだたくさんのフルーツがありますので、そこからよいものをきちっと調達し、ジャムにしてお届けしたいですね。かつては、年中いつでもおいしいフルーツが味わえるように砂糖漬けにすることがジャムの役割でしたが、今はフルーツ自体のおいしさ、それ以上においしい食べ方をご提案するためにジャムを作るのが私たちの使命です。ジャムを単体で食べることは少ないと思いますが、様々なものと組み合わせることで、味を底上げできるのもジャムの魅力です。

また、地産地消、季節性を感じられることも、私どものジャムがもたらす楽しさです。たとえば地産地消でいうと、あまおうの名産地である福岡県では、学校給食用のあまおうジャムを地域限定で製造していますし、あまおうなどのこだわりジャムを瓶に詰めたスペシャル感のある「千織chiori」シリーズも新たに開発・販売し、好評を得ています。

タカ食品工業_8
福岡県産あまおうの魅力が詰まった「千織chiori」シリーズの「咲織乃あまおう(R)」。

大塚 季節性でいうと、例えばクリスマスの時期に市場がイチゴを求めることを予想して、弊社は1年前から材料を確保し、時期に合わせてフレッシュなフルーツの魅力が詰まったジャムを送り出しています。現在、弊社は業務用ジャムの分野でもトップクラスとなっておりまして、皆様がよく目にする大手メーカー様のケーキやお菓子、それらに使われているジャムは弊社のものである確率がかなり高いのですよ。ちなみに業務用のジャムは、味、色、香り、そしてお菓子作りに適したものを独自に研究・開発しています。

今後は、弊社のジャム販売を海外でも展開し、日本の素晴らしいフルーツを海外にもご紹介していく、そういった事業にも力を入れていきます。すでに手応えを感じていますよ。

―ジャム、そしてフルーツへの思いを、とても優しい眼差しで語ってくださった大塚社長。箱に描かれた社長のお姿も、しっかり確認させていただきました。お話をありがとうございました!

タカ印ベビージャムセットハイカラ

「タカ印ベビージャムセットハイカラ」(9種類×3個入り)
価格:¥1,650(税込)
店名:タカ食品工業株式会社 公式オンラインストア
電話:0944-62-2161(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:土曜・日曜・祝日、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.takafoods.com/shopdetail/000000000426/jam/page1/recommend/
オンラインショップ:https://www.takafoods.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
大塚直(タカ食品工業株式会社 代表取締役社長)

1951年、福岡県みやま市生まれ。東海大学工学部卒業後、東京にてソフトウエア関連会社へ入社。1975年にタカ食品工業株式会社へ入社し、総務部電算室にてシステム開発にあたる。1987年、同社代表取締役社長に就任。1990年、株式会社デイリー開発福岡(現・株式会社タカフレッシュ)設立。1992年、日本ジャム工業組合副理事長就任(現任)。2010年からはみやま市防災協会会長にも就任し、地域の防災活動に注力している。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/石井みなみ 画像協力/タカ食品工業>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter