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自由な創作で心を豊かに。「ハイブリッド版画 オリジナルスタンプ 制作キット」「だれでもかんたんおりがみ」

2024/06/27

クラフト体験や折り紙遊びは、ものづくりの楽しさを知る貴重な時間です。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは「ハイブリッド版画 オリジナルスタンプ 制作キット」と「だれでもかんたんおりがみ」。商品を企画したのは、学校を中心に教材や工作グッズを卸している「株式会社美術出版エデュケーショナル」です。開発の経緯や遊び方について、代表取締役社長の大下正悟氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社美術出版エデュケーショナル 代表取締役社長の大下正悟氏
株式会社美術出版エデュケーショナル 代表取締役社長の大下正悟氏

―会社の沿革について。

大下 現在のメイン事業は教材・画材・美術書などを企画・仕入れし、全国に流通させる卸売業です。水彩画家である大下藤次郎が、1905年に創刊した水彩画の指南書「みづゑ」が弊社のルーツとなっています。祖父が美術系の出版業を拡大し、叔父が引き継ぎ、父が美術展の図録製作及び学校教材販売事業を始めました。分社やホールディングス化を経て、出版業を続けることが難しい時代となり、教材の卸売業をなんとか残す形となりました。私の代で教育分野に注力することを決め、社名も「美術出版エデュケーショナル」に変わり現在に至ります。

―会社を継いだきっかけは?

大下 学生時代から家業に対する興味が強く、出版と印刷は両輪なので印刷会社へ就職しました。2年ほど勤めたのち、結婚を機に家業へ入り、教材の企画やカタログ編集に携わりました。営業として全国のお客様を巡る中で、教育現場の状況がわかる教材事業に力を入れたいと感じました。父の理解も得られ、私が35歳になったタイミングで代替りした次第です。

―会社の強みを教えてください。

大下 「伝統とノウハウがあること」は会社の大きな強みです。創業から100年以上続く美術関係の会社は少ないのではないでしょうか。自動物流倉庫を作り、全国配送システムを作ったことも業界内では新しい取り組みでした。少子化の影響で教材の卸売業は厳しくなっていくため、個人ユーザーの獲得が今後の課題です。

―「ハイブリッド版画 オリジナルスタンプ 制作キット」の魅力について。

大下 「版画」を気軽に体験できるスタンプです。図画工作の授業時間が減ったことから、短時間で版画に取り組めるキットを仕入れ先様と開発しました。小さいお子様でもボールペンなどで簡単に「削る」「彫る」という作業ができ、彫刻刀で本格的な彫り表現にもチャレンジできます。おうち時間を楽しみたい大人の方にもおすすめです。

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自由な発想でスタンプ作り。取っ手部分はあたたかみのある木製素材。

―楽しみ方の例はありますか?

大下 「ハイブリッド版画」は、周りを彫って凸部分にインクをつける「凸版」と、削って凹んだ部分にインクを詰める「凹版」の2つに対応しています。このキットでは「凸版」を推奨します。版画にふれてステップアップしていくのも良いですし、家族で1個ずつスタンプを作るなどコミュニケーション・ツールにもぴったりです。弊社のアイテムと組み合わせて、「布用スタンプ台でハンコを押してエコバッグを作る」「簡易製本キットの表紙をスタンプで作る」というアイディアもあります。インクの色をグラデーションにしたり、並べて押してパターン柄にしたり、同じ絵柄でも工夫一つで印象が変わりますよ。

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「ハイブリッド版画」と布用スタンプ台でオリジナルエコバッグが完成。
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無地のうちわ(紙製)にスタンプを押して楽しむ。ワークショップにもおすすめ。

―「だれでもかんたんおりがみ」はどんな商品ですか?

大下 特別支援学級の先生方と開発した折り紙です。発達障害を持つ子どもが折り紙にふれるスモールステップとなり、自分で折ることを楽しめるようになればと考えました。「かんたんおりがみ」には「ミシン目入り」「折れ線入り」「ガイド線入り」の3ステップがあります。特別支援学級では、子どもが折りやすいように先生が紙に折れ線を作っておくそうです。ミシン目はその感覚に近く、ゆっくりとハードルを上げていけます。

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全部で9種類、動物が3種。色柄に対して3種。

―お客様からの声について。

大下 対象者は幅広く、未就学児のお子様や手を動かすことが苦手な方が「最初に手にする折り紙」としても喜ばれています。「リピートするうちに折れ線が必要なくなった」というお声もいただきました。折り紙には折る順番の数字が書いてあり、説明書付きなので「見守る側が教えやすい」というのもメリットです。

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流れがわかりやすい説明書。楽しく折り紙に慣れていける。

―今後の展望は?

大下 「想像力と創造力が育まれる社会へ」を企業理念とし、子どもたちのものづくりを応援する「サポートクリエイション」を企業ミッションとしています。明治時代に「水彩」で事業を起こした創業者は当時の変わり者だったと思いますが、家系的に「新しいことにチャレンジする精神」があるのかもしれません。私も会社を継続する責任と覚悟を持って新たな柱を作り、ものを創りだす喜びや魅力を伝えていきたいと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「ハイブリッド版画 オリジナルスタンプ 制作キット」

「ハイブリッド版画 オリジナルスタンプ 制作キット」(ハイブリッド版画板直径54mm(スポンジベース付)1枚、スタンプベース、持ち手)
価格:¥330(税込)
店名:画材・ものづくりのARTLOCO(アートロコ)
電話:03-5947-4511(10:00~15:00)
定休日:土・日・祝日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/artloco/020622/
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/artloco/

「だれでもかんたんおりがみ」

「だれでもかんたんおりがみ」(45枚セット、どうぶつの種類:ねこ3色、うさぎ3色、とり3色)
価格:¥792(税込)
店名:画材・ものづくりのARTLOCO(アートロコ)
電話:03-5947-4511(10:00~15:00)
定休日:土・日・祝日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/artloco/050634/
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/artloco/

<Guest’s profile>
大下正悟(株式会社美術出版エデュケーショナル 代表取締役社長)

1968年、東京都生まれ。1995年に株式会社美術出版デザインセンターへ入社。2003年年、代表取締役社長に就任。2016年、株式会社美術出版エデュケーショナルへ商号変更。日本の未来を元気にする子どもたちの発想力、創造力、そして豊かな人間性を育むため、「サポートクリエイション」を合言葉とする。図工・美術の時間を通して、独自の視点でものづくりや創意工夫する楽しさを応援。

<文・撮影/マスダアヤノ MC/澤水拳太 画像協力/美術出版エデュケーショナル>

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