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創業110年の老舗蒲鉾屋が作る、長崎生まれの手軽でおいしい「ハトシロール」。

2024/06/28

魚のすり身をパンで包み、カラッと揚げた「ハトシロール」。夕食のおかずにもおやつにもなる一品は、長崎県の老舗蒲鉾屋で誕生しました。長崎ランタンフェスティバルで出店すれば、大行列ともなる「ハトシロール」に編集長アッキ―こと坂口明子も注目。手軽においしく食べられるように作られた開発秘話を長崎蒲鉾有限会社 代表取締役社長の髙崎一正氏に伺いました。

長崎蒲鉾有限会社 代表取締役社長の髙崎一正氏
長崎蒲鉾有限会社 代表取締役社長の髙崎一正氏

―創業は1914年。沿革を教えてください。

髙崎 当社は、祖父が創業しました。元々長崎は、いろいろな魚が取れる地域。漁業が盛んです。土地柄、以前は魚のすり身を加工した蒲鉾屋さんもたくさんありました。そうした時代背景にあって、祖父が子どもの頃、長崎で蒲鉾を食べて「すごくおいしかった」と感銘を受け、蒲鉾屋「髙崎商店」を始めたと聞いています。

その後、1946年に「長崎蒲鉾有限会社」となり、1967年ごろに「長崎一番」の商標を使い始めました。以降、商品を展開しながら、長崎蒲鉾水産加工業協同組合としてすり身工場の建設に関わるなど、少しずつ業態を拡大してきました。そんなふうに長崎の地に根を下ろし、蒲鉾を作り続けて今に至ります。

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こだわりの原料・製法で安全安心な蒲鉾を作り続けて110年。
季節の蒲鉾は縁起物。現在も大切に生産されている。

―受け継がれる上で大事にされていることは?

髙崎 蒲鉾の原料は、主に魚のすり身と塩なのですが、近年では冷凍のすり身が主流です。でも長崎の蒲鉾組合は、すり身工場を持っているので、でき立てのすり身を使うことができます。国産で、添加物やうま味調味料を極力使わないこと。素材そのものの味を生かした蒲鉾作りを大切にしています。

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プレーン、エビ以外にチーズ味もある「ハトシロール」。食べやすく、あっという間に完食してしまう。

―その中で誕生した「ハトシロール」。開発のきっかけは?

髙崎 昔から長崎は和洋中。さまざまな食文化が入ってきていました。「ハトシ」は、100年以上前に中国から長崎に伝わったとされる料理で、簡単に言うとパンにエビのすり身を挟んで揚げたものです。

とてもおいしいのですが、メジャーな料理ではありませんでした。それに加えて、元々蒲鉾を始めとする練り物はパンと相性が良く、私も子どものころには蒲鉾とツナを混ぜたものを、パンに挟んで食べることもあったほどです。

そうしたいくつかの要因があった中で、2010年長崎に所縁がある大河ドラマ「龍馬伝」の放送にあたり、「長崎らしい新しい名物」を考える中で開発されました。ただ、中身がエビでは通常のハトシと変わらない。そのため県産のアジ、野菜、お肉などを使って作ることにしました。玉ねぎは長崎県産と北海道産ですが、お肉は長崎県内の牧場から仕入れるなど、長崎県産の原料の使用にこだわって開発しました。

パンの厚みやスライス幅、油切れの良さも研究に研究を重ねて、巻けるようにすり身も調整。商品化をしました。ただ、最初は売れるのかもわかりません。なので、工場のスタッフが手で巻いて作っていました。

そんな矢先に開催された長崎ランタンフェスティバルで売ってみたところ、大反響。「100本売れるかな」と思っていた予想に反して、1週間で数千本を売り上げるヒット商品になりました。

―こだわりの点は?

髙崎 プレーンの中身にアジのすり身を使っていることです。青魚の旨味や風味は残しています。それからパン。こだわりのパン屋さんにお願いして作っていただいていますが、パンを揚げるので1本食べても胃もたれしないような、体に優しいものにすることにこだわりました。

―ロール状にした理由は?

髙崎 店舗に立っていた妻がフードコートを見て、若い人でも食べやすいようにできないかと円柱状の食べ物の絵を書いてきたことがきっかけです。練り物は若い人も好きなので、食べやすくしたら、きっと食べてもらえる。そこでパンの耳を切って巻きやすくしました。

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トースターで焼くと、こんがりと焼色が。香ばしさも増し、サクっとした食感も楽しめる。

―おすすめの食べ方は?

髙崎 通信販売の場合は、冷凍で届きます。解凍された後、トースターで焼くことをおすすめします。香ばしくなって、おいしいです。夕食などの副食として出していただいてもいいですし、小腹が空いたときに食べるのもいいと思います。

「ハトシロール」を1本置いておけば、お子さんのおやつにもなり、おつまみにもなる。お客様は、そんなふうに言ってくださることが多いので、手軽に食べていただけたらと思います。

―今後の展望を教えてください。

髙崎 「ハトシロール」に関しては、おかげさまで年間数万本を製造するほど、ご好評をいただいています。これが広がっていったらいいなと思います。そして、当社は食品を扱う会社です。安心安全で、本当においしいもの。きちんとしたものをご提供していくこと。それは続けていきたいと思います。

今年2月には「長崎一番 手打ちうどん さぬきや」をオープンしました。自家製麺の手打ちうどんと揚げたての蒲鉾を食べていただけますし、隣は「かまぼこ長崎一番」の店舗です。うどんを食べて蒲鉾をお土産にという形で楽しめますし、「ハトシロール」も揚げたてをご提供できます。

そんなふうにいろいろな味わい方をしていただけたらうれしいです。長崎県は水産業、造船業が下火になりつつあります。それを支えていけるように、国産にこだわった、おいしい蒲鉾を皆様にお届けしていきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

長崎一番ハトシロール(プレーン)【冷凍】(3本入)

「長崎一番ハトシロール(プレーン)【冷凍】」(3本入)
価格:¥660(税込)
店名:かまぼこ 長崎一番
定休日:インターネットでのご注文は24時間受付(年末年始を除く)
商品URL:https://ec-n-ichiban.com/item-detail/1204044
オンラインショップ: https://ec-n-ichiban.com/

長崎一番ハトシロール(えび)【冷凍】(3本入)

「長崎一番ハトシロール(えび)【冷凍】」(3本入)
価格:¥990(税込)
店名:かまぼこ 長崎一番
定休日:インターネットでのご注文は24時間受付(年末年始を除く)
商品URL:https://ec-n-ichiban.com/item-detail/1204020
オンラインショップ: https://ec-n-ichiban.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
髙崎一正(長崎蒲鉾有限会社 代表取締役社長)

1959年長崎県生まれ。1982年に入社し、2005年に同社代表取締役社長に。2018年に長崎蒲鉾水産加工業協同組合の組合長に就任。第50回農林水産祭 内閣総理大臣賞を受賞した大ヒット中の「ハトシロール」などを生み出すなど、長崎のおいしいかんぼこ(蒲鉾)作りに尽力している。

<文・撮影/青柳舞子 MC/津田菜波 画像協力/長崎蒲鉾>

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