今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、出雲のおもてなしシリーズ「丹波大納言小豆のお赤飯」。大粒でツヤのある丹波大納言小豆と国産のもち米が入っていて、本格的なお赤飯が、炊飯器で簡単に作れるところが魅力です。この手軽さを叶えた、アルファ化米について、紐解いていきます。アルファー食品株式会社の代表取締役の林隆史氏に、取材陣が伺いました。
自宅で手軽に本格的な味わいを。アルファー食品の「出雲のおもてなし 丹波大納言小豆のお赤飯」
2024/07/04
アルファー食品株式会社 代表取締役の林隆史氏
―貴社が製造しているアルファ化米とは?
林 アルファ化米は、一度炊飯したご飯を熱風で急速乾燥させ、おいしさを保ちながら長期保存ができる加工・保存技術を施しているお米です。簡単に言うと、炊飯したご飯から水分だけを抜いたお米です。洗米・つけ置きの必要がなく、短時間で炊きあがるので、通常のお米より早く簡単に調理することができ、いろいろなシーンで活用いただけます。
―アルファ化米はどのように広がっていったのでしょうか?
林 アルファー食品は1966年6月29日に創業し、その4年後に日本体育学校健康センター(現・日本スポーツ振興センター)で学校給食とアルファ化米の委託契約を結びました。弊社のアルファ化米が世に出始めたのは、これがきっかけです。
近年は米飯給食が主流ですが、当時はパン給食を余儀なくされ全国に設置されていたのはパン給食に合わせた設備でした。パン焼成設備を使って大量炊飯を試みたものの、炊きムラや焦げたりしてしまい実現が困難だったそうです。そこで弊社は、パン焼成機でも炊飯可能な給食用アルファ化米を提供し、米飯給食の普及に貢献しました。
これが当時はセンセーショナルで、そこからアルファ化米の普及が進んでいきました。
―その後、どのように事業展開していきましたか?
林 1976年にアルファ化米を使ったお赤飯やおこわなどを委託加工することになり、創立記念日や卒業式の献立などとして使われるようになりました。1982年には、業務用のチルドのおこわやお赤飯を開発し、主にスーパーマーケットの惣菜コーナーのバックヤードで調理して陳列される商品の原料を供給し始めました。その後、これらの技術を活用し一般家庭向けにも簡便性を生かしたお赤飯やおこわが広がっていきました。
その後、災害への備えに目が向け始められたことから、防災用非常食の製造を少しずつ始め、市場を拡大していきました。
―「出雲のおもてなし 丹波大納言小豆のお赤飯」はどんな商品でしょうか?
林 ご家庭でお赤飯を作る場合、小豆を煮込んだり、その煮汁にもち米を何時間も漬けたりと、手間がかかりますが、小豆やもち米の下準備なく、早炊きモードで炊くだけで、本格的なお赤飯が完成するという特長を持った商品です。なおかつ、事前にもち米に小豆の煮汁で風味付けをしているので、お赤飯を炊く際に起こりがちな色ムラがありません。
作り方は簡単、まずは小豆と水250mlを炊飯器に入れる。
水加減によってお好みの食感に仕上がるのも嬉しい。
その後、付属の米「早く炊けるお米」を入れて軽く混ぜる。洗米は不要。
早炊き機能での炊飯がオススメ。
炊き上がったら軽くほぐして完成。
昨年の秋には2万3千人のフードアナリストによる日本初の認定制度である、「ジャパン・フード・セレクション」のグランプリをいただいたので、パッケージに入れて訴求しています。このパッケージも「おもてなし」の気持ちが感じられると評価されました。
パッケージ左上に「グランプリ受賞」の文言が。
現在では、全国のこだわりの食品を扱うお店や百貨店などでお取り扱いいただき、ご好評いただいています。
―どんなこだわりがありますか?
林 「丹波大納言小豆のお赤飯」は、小豆の味や風味にこだわっていて、丹波大納言小豆を使っています。丹波大納言は皮が薄くて粒が大きく、甘みがあるのが特徴です。収量が少なく、主流の北海道産小豆の国内流通量の約1%と希少性が高いですが、弊社では1990年代後半頃から継続的に仕入れさせていただいています。
小豆とお米それぞれを最もいい状態で包装、ごま塩もついている。
お米と小豆が別添えになっていて、小豆は香りを逃がさないようにアルミ包材でパッケージされています。これを小豆の煮汁で風味付けしたもち米と炊飯すると、非常に風味豊かに仕上がります。
約30分で炊き上がり。手軽でおいしく、急な来客にもぴったり。
―お客様からの声は?
林 「お赤飯を作るのは時間も手間もかかるけど、この商品なら炊飯器でボタンを押せば炊けるからいいよね」というようなお褒めの言葉をよくいただきます。
「柚子香る瀬戸内海産天然真鯛おこわ」とのセット商品も用意していて、こちらはおめでたい日のギフトとして非常に人気です。色合いもお赤飯の紅と真鯛の白で紅白になります。
「丹波大納言小豆のお赤飯」と「柚子香る瀬戸内海産天然真鯛おこわ」のおめでたいセット。
―「出雲のおもてなし」シリーズは種類が豊富です。ほかにはどんな商品が?
林 春には「島根県安来産筍のおこわ」を販売しています。島根は安来市産の筍が有名なので、2010年頃から地元農家さんと契約し、そこから仕入れた筍を使っています。
夏は穴子の旬に合わせ、「島根県産天然真穴子おこわ」を販売しています。島根県は穴子の水揚げ量が全国一位でもあって、地元で獲れたものを使用しています。
冬には、産地として島根県も知名度の高いのどぐろを使用し「日本海産天然のどぐろおこわ」を販売しています。山椒粉末を入れて、のどぐろの旨味を引き立てています。これも非常においしくて人気です。
脂がのった天然の真穴子を、利尻山の昆布の出汁と出雲仕込みの薄口醤油で仕立てた旨味たっぷりのおこわ。
―企業として大切にしていることは?
林 まずはここ出雲から全国に発信していくスタイルを大事にしているので、しっかりと自社ブランドを確立するために、地元の食材を使った商品作りを意識しています。
また、社会貢献を大切にしていて、2012年には前年の東日本大震災に伴い、非常食専用の工場を建てました。これまで非常食専用の工場としては構えていなかったので、より大きな規模で対応し社会の役に立ちたいという思いがあったからです。
―最後に、今後の展望を教えてください。
林 まずは、これまで扱い続けてきたアルファ化米の加工技術や設備をブラッシュアップしていきたいと思います。
より多くの方にアルファ化米の魅力を知っていただくために、弊社の認知度をもっと広めていかなければならないので、外部に向けたブランディング活動を強化中です。その一環として、昨年11月からローカル局でテレビCMを流しているので、徐々に認知が広まっていくことを期待しています。また、今後は世界展開も進めていこうと思っています。
これからも、ものづくりを通して驚きや感動を消費者の方々に届けられるような商品を作り、出雲の地よりお届けしていきたいと思います。
―貴重なお話をありがとうございました。
「出雲のおもてなし 丹波大納言小豆のお赤飯」
価格:¥837(税込)
店名:アルファー食品オンラインショップ
電話:0120-014-852(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.alpha-online.jp/items/2
オンラインショップ:https://www.alpha-online.jp/
シリーズ商品(定番品:山菜・鶏ごぼう・中華・真鯛おこわ)についてはこちら
https://alpha-online.jp/cms/topics-03
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
林隆史(アルファー食品株式会社 代表取締役)
1969年島根県生まれ。1987年島根県立大社高校卒業後、アルファー食品に入社。
ロジソリューション部次長、研究開発部部長、執行役員を経て、2021年に同社代表取締役に就任。
アルファー食品はお赤飯の文化継承や食育活動など、SDGsにも注力している。
<文・撮影/サカモトアヤ MC/津田菜波 画像協力/アルファー食品>