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希少な梅をふんだんに使ったフルーティーかつ濃厚な梅酒「香る南高 紅南高」

2024/07/10

今回編集長アッキーが注目したのは、味わい豊かな本格梅酒。太陽の光を浴びて南高梅特有の表面に紅をさした希少な梅「紅南高」を生のまま漬け込み、果実感あふれる梅酒に仕上げています。長年紀州の地で酒造りに勤しんできた会社の歴史について、また梅酒へのこだわりやこれからの酒作りについて、中野BC株式会社社長の中野幸治氏に伺いました。

中野BC株式会社 代表取締役社長 中野幸治氏
中野BC株式会社 代表取締役社長の中野幸治氏

―もうすぐ100年を迎える老舗の造り酒屋でいらっしゃいますね。

中野 もともと大工の見習いをしていた祖父が、お金持ちの酒蔵に憧れて始めたんです。当時は造り酒屋といえば資産家というイメージがありましたから。醸造には免許が必要だったので、祖父はまず醤油の製造を始めました。当時作れないと言われていた薄口醤油を作りあげ、評判を得たそうです。その後、念願叶って1949年に酒蔵として焼酎を作り始めたのが、造り酒屋としての原点です。

大工の心得があった祖父は、広い敷地に池などを作り、今では大きな庭園になっています。ここを無料で開放していて、コロナ禍前には年間5万人ものお客様がいらしてくださいました。閉鎖的でない酒蔵を作りたくて、庭園見学のついでに梅シロップの漬け込み体験なども開催し、好評でした。

―3代目に就任するのに、プレッシャーはありましたか。

中野 祖父の跡を継いだ父は、斜陽産業であった酒造りだけでは生き残っていけないと、梅ジュースの原料製造やスポーツジムの立ち上げなどにも事業を広げていきました。社名もバイオケミカルクリエーションを意味する「BC」をつけて、今後の会社の行先を見据えていました。バイタリティーと行動力にあふれた祖父、斜陽産業の酒業界から事業を広げていった父。会社に戻った当初は、そんな偉大な二人に萎縮してしまうこともありました。

私は幼少期は和歌山で育ったのですが、高校から東京で、大学院卒業後に宝酒造に入社し修行しました。農学部で醸造を学んでいたわけでもないので、本当にゼロから酒造りを学び、その後営業をして社会を知っていきました。当時はかなりのハードワークで大変でしたが、愚痴を言い合いながら同僚と横のつながりを深めて、なんとか乗り切っていったことを思い出します。

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社員同士が顔見知りの温かい仕事場。

中野 家業に戻ってくると、大企業とは違う業務のスピード感や責任権限の違いなどに驚きましたが、同時に小さな会社だからこそできる温かみのある経営に感心しました。祖父も父も人懐っこくて、それがうまく会社経営に生きていると感じます。組織として必要な整備をしながらも、その温かさを大切に、究極のファミリー企業を目指したいなと、今は思っています。

―紅南高の特徴を教えてください。

中野 完熟の南高梅を使っているので、すももや桃のようなフルーティーさを感じられます。しかもボディー感のある、どっしりとした梅酒です。梅酒をよく漬ける人は、自作の梅酒が一番おいしいと思っているんですよね。そんなお客様から「うちの梅酒よりおいしい」とお褒めいただいた時はうれしかったです。

実際に天満天神梅酒大会というコンテストで、初代グランプリにも輝きました。また、ある著名な政治家の方に愛飲いただいたり、フランスでも好評をいただいたり、紅南高を愛してくれる人が増えてうれしい限りです。

日本最大の梅酒コンテストで初代王者に。

―原料の梅にこだわっているんですね。

中野 太陽の光を浴びて南高梅特有の表面に紅をさした完熟梅、「紅南高」を契約農家から仕入れているので、まろやかな味わいになるんです。梅の旬は初夏。6月~7月初旬まで5~20tの梅が毎日入荷されてくるので、毎日漬込み作業に追われる日々です。

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天候が良い時のみ出荷される希少な紅南高梅。

―旬の南高梅で梅酒を作るために、どのような工夫をしていますか。

中野 大手企業などは梅を冷凍して加工しますが、当社は梅の風味を大切にするために、採ってすぐに漬け込みます。どうしても年によって収穫量にばらつきがあるので、豊作の時には多めに仕込んで、価格や品質を維持できるように努めています。限られた期間で1年分の漬け込みを行うので、本当に社員総出で汗だくになって作業していますよ。

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とれたての梅をその日のうちに漬け込む。

中野 多くの方においしいと思ってもらえるよう、梅のエキスを出し切る黄金レシピで漬けています。この紅南高は、当社の技術力と調達力の結晶です。

―今後の展望について教えてください。

中野 紅南高は当社のフラッグシップモデルの梅酒ですが、そのほかにもさまざまな梅酒があります。ゆずのフレーバーが加わったものや、カクテルベースのものなど、好みや用途に応じて楽しんでいただきたいです。和歌山といえば梅ですから。昔東京で暮らし始めた頃、和歌山の場所さえわからないと言われてショックを受けたんですよ。和歌山の特産を生かした商品ももっと開発していきたいです。

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「和歌山梅酒」は、国税庁から酒類の地理的表示
(GI:Geographical Indication)の指定を受けた、
お墨付きの逸品。

中野 一方で農家の高齢化が進んでおり、南高梅の安定生産が危ぶまれています。農家と助け合いおいしい梅を変わらずに採れるように、なんとか頑張っていきたいと思っています。

今大事にしたいのは、伝統と変化。100年企業としての誇りや技術、受け継がれた伝統を大切にしながら、これからの時代に合った商売を模索し続けることが必要だと考えます。低アルコール飲料など、市場のトレンドや需要も考えながら、柔軟に変化を重ねて生き残っていきたいです。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「香る南高 紅南高」(720ml)

「香る南高 紅南高」(720ml)
価格:2,420円(税込)
店名:長久庵
電話:0120-050-609
営業時間:10時~16時30分(最終入館15時30分 ※お買い物のみの場合は16時)
定休日:毎週月曜(月曜祝日の場合は翌平日休業)

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
中野幸治(中野BC株式会社 代表取締役社長)

2000年、法政大学大学院機械工学専攻修了。宝酒造、中小企業大学校を経て、2005年、家業の中野BC株式会社に入社。2015年、同社代表取締役に就任。和歌山県輸出事業協同組合 代表理事や、和歌山県経営者協会 経営のコツを気づく会 次世代の会 会長などの地域の要職も務めている。

<文・撮影/鈴木満優子 MC/伊東マヤ 画像協力/中野BC>

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