高知県の清流、四万十川。うなぎを綺麗な四万十川の伏流水で泳がせると、臭みが抜けて本来の味が際立つのだそうです。今回編集長のアッキーが気になったのは、うなぎの味わいを秘伝のタレが引き立てる「うなぎ蒲焼」と、塩水に漬け込んだオリジナル商品「塩うなぎ」。取材スタッフが製造元である四万十うなぎ株式会社 代表取締役の大前達也氏に商品へのこだわりを伺いました。
四万十川の綺麗な水で泳がせた絶品うなぎ。「うなぎ蒲焼」と珍しい塩味の「塩うなぎ」
2024/07/17
四万十うなぎ株式会社 代表取締役の大前達也氏
―四万十うなぎ株式会社の2代目である大前社長。代表就任までのあゆみをお聞かせ下さい。
大前 うなぎ屋に生まれ親の背中を見て育ったので、いつかは家業を継ぎ、日本で5本の指に入るうなぎ屋へと育てたいと思っていました。ですが「他にも道があるのでは」との思いもあり、学校卒業後は中南米をバックパッカーとして歩いたこともあります。弊社に入社後もたびたび世界を周って帰ってくるという生活を送り、28歳の頃に腰を落ち着けました。その後、父の病気などの理由もあって代表に就任したのが経緯です。
世界を周った経験から、言葉が十分通じなくても熱意があれば思いは伝えられると学びました。以前、うなぎをシンガポールやタイなどの「高知県フェア」で販売し大成功を収めたのですが、こういった輸出業には若い頃の経験が役に立っていると感じます。
―うなぎ商品を製造する際に大切にしている理念は?
大前 うなぎの養殖から加工・販売まで行うなかで大事にしているのは「安心・安全かつおいしい」ということです。とくに女性や子どものお客様はうなぎ特有の臭みを気にされるので、全国から仕入れた国産うなぎはしっかりと泥抜き、臭み抜きをし、白焼きや蒸しの工程も手を抜かず行っています。また、こまめに検食を行い、品質を見極めたうなぎがお手元に届くよう取り組んでいます。
―今回紹介する「うなぎ蒲焼」の作り方やこだわりについて教えて下さい。
大前 「うなぎ蒲焼」は生のうなぎをまず白焼きにし、蒸し、タレで味を付けていきます。焼き込んだあと蒸すことで皮が柔らかくなるのですが、蒸し過ぎると身の脂が抜けてしまうため、脂を保ちつつ柔らかくする加減がポイントです。
蒲焼きにする工程では、3種類のタレを使い分けながら4回焼いていきます。1回目は濃口の醤油のタレでさらっと焼き、2回目、3回目は47年間ずっと継ぎ足しているタレで味を染み込ませ、最後に仕上げのタレにくぐらせて出来上がりです。炭で炙りつつタレを付けると、タレが炭火に落ち、ジュワーっと醤油の甘辛い香りがうなぎを香ばしく包み込みます。その香り付けもおいしさの秘訣です。
3種類のタレを使い分けつつ、ていねいに4回焼く。
炭火に炙られたタレで香ばしさが増した蒲焼きは絶品。
―御社の「うなぎ蒲焼」ならではの味わいを伺えますか?
大前 食感は、他社のうなぎより少ししっかりしていると思います。また、味付けはやや濃いめで、ご飯と一緒に食べるのにぴったりの甘辛さと引き立つコクがあります。弊社のタレは醤油とみりん、砂糖を基本として魚醤なども加え、余計なものは加えない無添加のタレです。
うなぎにはどうしても取り切れない小骨があるのですが、きっちり焼き込むことでうなぎの脂で小骨を焼ききっており、骨が気にならない食感も特徴です。また先ほども述べたように、うなぎの脂を保つ加減で蒸しているので、皮と身の間のゼラチン質やうまみもしっかり残っています。
身の適度な弾力とふんわり感、皮と身の間のとろけるような食感がたまらない!
臭みのない味わいに甘辛いタレが絡んでご飯にぴったり。
―今回紹介するもう一つの商品「塩うなぎ」の開発エピソードや作り方を教えて下さい。
大前 取引先の養殖業者に、塩で味付けしたうなぎを食べさせてもらったのが「塩うなぎ」との出会いでした。塩加減が絶妙でうなぎをとても甘く感じるのに驚き、作り方を教えてもらって商品化したのです。
「塩うなぎ」は生のうなぎを捌いて塩水に漬け、白焼きにします。この時点では蒸さず、真空パックにしてからスチーム殺菌を行い、この時に皮を少し柔らかくします。塩水には、高知県黒潮町産の有名な天日塩「土佐の塩丸」を使用しました。普通の白焼きとの違いは、うなぎ本来の甘みが非常に引き立つことです。白焼きよりずっとおいしい、他社では見ないオリジナル商品なので、ぜひ1度食べていただきたいです。
うなぎ本来のうまみと甘みを優しい塩味が引き立てている。
蒲焼きとはまた違うプリッとした弾力も魅力。
―「塩うなぎ」はどんな食べ方がおすすめですか?
大前 「うなぎ蒲焼」がご飯にぴったりなのに対し「塩うなぎ」はお酒のおつまみにおすすめです。寿司ネタのようにスライスしてきゅうりと合わせれば、さっぱりと食べられます。また、鰹のたたきのようなイメージで、玉ねぎや薬味などと合わせポン酢で食べてもおいしいです。日本酒はもちろん、ビールにも焼酎の炭酸割りにもよく合います。
醤油に付けてシンプルに食べてもよし、
鰹のたたきのようにたっぷりの薬味と合わせてポン酢で食べるのもおすすめ。
―今後の展望についてお聞かせ下さい。
大前 もっといろいろな方に弊社のうなぎを食べていただき、皆さんのおいしい顔を見たいというのが今の願いです。そのために、新商品の開発や新工場の建設などを目指し、今後も努力を重ねていきます。言葉だけではなかなか実際のおいしさは伝わりませんので、とにかく1度食べていただいて、「うなぎを食べるなら四万十うなぎ」という気持ちになってほしいです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
「【バラ売り】うなぎ蒲焼」(約110g)
価格:¥2,980(税込)
店名:四万十うなぎオンラインショップ
電話:050-5497-3247(平日9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shimanto-unagi.com/products/detail/21
オンラインショップ:https://shimanto-unagi.com/
「【特製】塩うなぎ1本」(約150g)
価格:¥3,585(税込)
店名:四万十うなぎオンラインショップ
電話:050-5497-3247(平日9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shimanto-unagi.com/products/detail/32
オンラインショップ:https://shimanto-unagi.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
大前達也(四万十うなぎ株式会社 代表取締役)
1967年高知県生まれ。高知県四万十町にある『四万十うなぎ株式会社』の2代目社長です。弊社は、四万十うなぎブランドとして多彩なオリジナル商品の加工・販売を手掛けています。こだわりぬいたおいしい鰻を高知から世界の方々にご提案しようと奮闘中です!
<文/ふるとりあやめ MC/澤水拳太 画像協力/四万十うなぎ>