今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、ご飯のお供にぴったりな「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」。いかの塩辛と切り干し大根の相性が抜群で、食品展示会などのイベントでは注文が殺到しているといいます。この「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」はどのように誕生したのでしょうか。株式会社坂本商店の代表取締役の坂本康祐氏に、取材陣がお話を伺いました。
唯一無二の組み合わせで大ヒット。全国から注文が殺到する「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」
2024/07/17
株式会社坂本商店 代表取締役の坂本康祐氏
―創業の経緯を教えてください。
坂本 弊社は僕の曽祖父が大正元年に創業しました。当時は塩が専売制で売られていた時代なので、うちは塩を専門として売っていましたが、魚屋さんとの取り引きもあったので、魚を仕入れて干物を作っていたそうです。
2代目である祖父は、北九州の魚市場の立ち上げのメンバーの一人だったので、売買参加権を持っていました。当時は漁師さんも多く、活気があったと聞いています。
―幼少期から家業を継ごうとお考えでしたか?
坂本 幼少期から干物をたくさん食べて育ちましたが、継ごうとは全く思っていなくて、僕は福岡で洋食店のコックをやっていました。そこから紆余曲折あり、2000年7月に弊社に入社し、その6年後に社長に就任して今に至ります。
坂本商店の外観。
―ECサイトでの販売をスタートしたのはいつ頃ですか?
坂本 2年前です。地元の老舗百貨店さんから、「北九州の食品企業を集めた催事をしたいので、出店いただけませんか」とお声がけいただいたので、ちりめんのマス売りやトップブランドのサバやサケの切り身を持って参加しました。すると、催事に参加するのは初めてにもかかわらず、たくさん売れたんです。
坂本商店で取り扱っている、三陸産の塩銀鮭。
オンラインでも購入可能。
坂本 同じフロアにいた業者の方たちとも仲良くなり、「せっかく商品があるんだから、BtoC向けの商売もやってみたら」と助言をいただいて、社内に小売スペースを作って販売することにしました。
いきなりたくさん売れはしませんが、日々の積み重ねでそれなりの売り上げもできるようになり、お客様から「これを贈りたいんだけど、ネットショップはやってないんですか?」と問い合わせがあったのを機に、ECサイトを立ち上げることになったんです。
それまでは卸が中心で、九州のお客様と取り引きすることがほとんどでしたが、最近はEC事業で津軽海峡を超えました。中でも一番人気なのが、「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」です。
「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」。
パッケージは社長の奥様が作成したもの。
―「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」が誕生した経緯は?
坂本 弊社が塩辛を卸している、とある天ぷら屋さんに行ったら、塩辛と切り干し大根の和え物を食べ放題にして出していたのを見たのがきっかけです。塩辛と切り干し大根の和え物は販売もしていたので、お客様の中には買って帰る人がちらほらいらっしゃいました。とてもおいしいので、人気商品だったようです。
ある日、そこの店主の方が体調を崩してしまい、お店を閉めると言っていたので、思い切って塩辛と切り干し大根の和え物のレシピを教えてほしいと頼んでみたところ、快く教えてくださいました。
ところが、レシピ通りに作っても、自分では全然おいしくできなくて、お店の味に近付けるために一年くらいかかってしまいました。試行錯誤を繰り返し、やっとの思いで完成させ、店主の方にも試食していただき、OKしてもらったので、商品化して販売を始めました。
―塩辛にはどんな特徴があるのでしょうか。
坂本 弊社の塩辛は「白造り」といって、いかのわたは使わず、身だけを使っているので、癖がないところが特徴です。身はゲソの部分は使わず、−0℃で1週間塩漬けしています。あとは、ゆずの皮を入れているので、ゆずの風味がふわっと香ります。
―塩辛と切り干し大根の組み合わせは珍しいですね。
坂本 塩辛だけだとおもしろくないし、切り干し大根が入っていることで、他の商品と差別化できていると思います。この切り干し大根は宮崎から仕入れていて、加工場で一旦水で戻し、ある一定の量までになるように水を絞り上げ、調味料と塩辛、ゆずの皮を足して、攪拌してから2日間寝かせて完成です。一味と塩と輪切り唐辛子、鷹の爪で味付けしています。
―おすすめの食べ方は?
坂本 冷凍したままお届けするので、冷蔵庫で解凍して召し上がってください。解凍後は7日間もちますが、一度開けたらすぐに食べ終わってしまうと思います。
単体で食べてももちろんおいしいですが、ご飯のお供やお酒の肴にもおすすめです。また、一軒だけですが、僕がよく行く居酒屋さんに卸していて、そこの大将が明太子と和えて提供しています。
明太子のつぶつぶが足されて、さらに味わい深くなったお料理です。「これも作ってよ」と言われていて、弊社でも明太子のお取り扱いがあるので、できなくはないですが、商品が増えてしまうので検討中です。ほかのお料理にも使えると思います。
ピリ辛なので、ごはんのお供にぴったり。
―お客様からの反響は?
坂本 お漬物感覚で食べる塩辛のような感じの商品なので、「塩辛は苦手だけど、この商品は大好き」という方もいらっしゃいます。法人のお客様からも反響が良く、一昨年参加した「フードスタイル」という食品展示会では、作りきれないほどの注文をいただきました。
また、「おかわりJAPAN商店」という、ごはんのお供を専門に取り扱っている会社の催事に参加したときは、お客様がおいしいと感じたものに投票していただくという企画があり、「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」は2位に選ばれました。
それと、先日、九州ローカルのテレビ番組に取り上げられてからは、さらに注文が増えました。ほんの3〜4分紹介されただけなのに、作っても追いつかない状態だったので、量販関係は全てお断りしている状態なんです。
―最後に、今後の展望を教えてください。
坂本 今ある商品を広めることに力を入れていきたいので、今後は催事などへの参加を増やし、BtoC向けの商いを積極的にやっていく予定です。量販店や百貨店を通すのではなく、ECサイトの方が少し安く買えるので、お客様にとってもメリットがあると思っています。
―貴重なお話をありがとうございました!
「いかの塩辛と切り干し大根のピリ辛和え」
価格:¥500(税込)
店名:SAKAMOTO ONLINE STORE
電話:093-661-0303
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sakamoto-web.shop/view/item/000000000002?category_page_id=etc
オンラインショップ:https://sakamoto-web.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
坂本康祐(株式会社坂本商店 代表取締役)
1976年7月生まれ。
調理専門学校卒業後、地元企業にコックとして就職。
2000年7月 株式会社坂本商店に入社。量販店向け卸売業を主体に経験を積む。
2007年3月 代表取締役に就任。
2020年よりBtoBを主体としつつBtoC事業(社屋内に小売スペースを増設、WEB販売、催事への積極的出店)にも注力している。
<文/サカモトアヤ MC/三好彩子 画像協力/坂本商店>