今回、編集長アッキーが気になったのは、くじら専門店「いさな家」が作るおいしい「鯨特上畝須ベーコンスライス」。ショップを運営する株式会社マルホ 代表取締役の本田純也氏に取材陣が商品の特徴を伺いました。
きめ細やかな歯ごたえと上品な味わい 希少価値が高い「特上畝須(うねす)ベーコンスライス」
2024/07/18
―御社の沿革を教えてください。
本田 創業が1919年、今年で105年目、私で6代目になります。創業者である祖父が日本の伝統の食文化である鯨に目をつけて商売を始めたと聞いております。今は肉といえば鶏、豚、牛がメインですが、戦後、人口が増加していく中で鯨をよく食べていた時代もありました。その流れで会社としても成長してきたわけですが、今はIWC(国際捕鯨委員会)による制限もあり、鯨は希少な食材となっています。
―小さい頃から家業を継がれるお気持ちだったのでしょうか。
本田 現会長である父は家に仕事を持ち込まないタイプだったので、小さい頃から父が働く姿を見てきたわけではありません。しかし食事に鯨肉がでてくることも多く、父が作った商品であるといった話はずっと聞いてきましたし、いずれは自分が継ぐという気持ちは持っていました。
高校卒業後は、会社の工場に配属されて、現場での製造から始めました。その後、量販店やスーパーなどへの営業を担当し、通販事業などBtoC展開を中心に取り組んできました。入社してから15年で社長になりましたが、まだ2年目です。
学生時代はバスケット部で、会長も兄もバスケットが好きだったので、会社は地元バスケットチームのスポンサーをしております。鯨肉は良質のたんぱく質が含まれ、体力増強にもよいので、スポーツとの関わりや健康性もアピールできればと考えております。
―会社として大切にしていることはなんでしょうか。
本田 「すべての人が明るくなる未来」を目指しています。当社には「社員を家族だと思え」という格言があり、この考え方のもとで仕事をしています。
―どういった鯨を使用しているのでしょうか。
本田 2019年に調査捕鯨が終わり、商業捕鯨に変わりました。IWC(国際捕鯨委員会)が管理していない小型鯨、及び調査捕鯨の際に捕獲された鯨を捕ることは問題がなく、本製品では調査捕鯨の鯨肉を使用しています。そのため鯨の産地は南極海や北西太平洋産となっています。
―年間の取り扱う量はどれくらいでしょうか。
本田 500tぐらいです。業界としては多い方だと思いますが、もっと増やしていかないといけないなと思っています。
―鯨の栄養について教えてください。
本田 鯨は高タンパク、低カロリー、低脂質でヘルシーです。鯨が持っているアミノ酸物質「バレニン」は、疲労回復効果があることがわかっています。鯨は絶食状態で子育てをし、休むことなく数千キロを泳ぎ続けられる哺乳類です。その原動力がバレニンにあると言われています。
また鯨の油は不飽和脂肪酸のオメガ3、DHA、EPA、DPAも多く含まれ、鯨1頭から取れる栄養源が多いのが特徴です。
―鯨肉の味わいを教えてください。
本田 肉を刺身で食べるので馬刺しにちょっと似ていますが、柔らかくてもちっとしています。頭から尾まで食べられるのはもちろん、骨や髭や脂も有効に活用されてきました。
―今回ご紹介する「特上畝須(うねす)ベーコンスライス」の特徴を教えてください。
本田 畝須(うねす)は鯨のあご下から腹部にかけての皮(畝)と肉(須)がついた部位のことで、鯨の油が多く溜まっている部位です。
ベーコンスライスは昔から食べられてきたもので、塩蔵させ、ボイルし、周りは赤っぽく着色しているのが特徴です。赤くする理由は諸説ありますが、物流段階上で表面に色を付けて酸化防止や赤く色を付ける事で、縁起がいいという意味合いもあると言われています。
当社の「特上畝須ベーコンスライス」は、味が濃くならないよう塩を調整して、安定した鯨の旨味と塩気のバランスを保っています。キメ細やかな歯ごたえと上品な味わいが特徴です。一番おいしく感じられる薄さでスライスしているのも特徴です。
一味唐辛子、からし、お醬油などを添えて。
―開発にあたってご苦労されたことはございますか。
本田 伝統食である以上、我々が今まで培ってきた作り方を継承していかなければなりません。次世代への技術の伝承に時間をかけています。
―特上というのはどういった商品になるのでしょうか。
本田 鯨は長生きなので、年齢によってかなりの個体差が生じます。そのため選別しておいしい鯨商品に仕上げるのが我々の技術です。特上は厳選された素材の良さゆえに価格はやや高めとなっております。
また、今は南極での捕鯨はできないのですが、以前、捕った南極産を所有しており、それをまだ販売できているので、希少性も魅力となっています。
刻んでチャーハンにしても。
―おすすめの食べ方を教えてください。
本田 ポン酢につけて食べるのは簡単なのでおすすめです。サラダやチャーハンの素材としても使えます。
細切りにしてオニオンスライス、塩こしょう、
レモン汁、オリーブオイルであえて。
さっとあぶっておろししょうが添え。
―どんな方に手に取っていただきたいでしょうか。
名前 鯨好きな人はもちろん、食べたことがない人に食べてもらいたいなと思います。本当に希少性が高い商品なので、品質の良さとおいしさを感じていただきたいですね。
―今後の会社としてのビジョンをお聞かせください。
名前 事業を長く続けていけるよう、鯨のおいしさや、お客様が喜ぶことを追求していきたいと考えています。社員、お客様も含め、すべての人が喜びにあふれる明るい未来を構築していけるよう、これからも努力してまいります。
―貴重なお話をありがとうございました。
「特上畝須ベーコンスライス100g」
価格:¥2,000(税込)
店名:美味しいくじら専門店「いさな家」
電話:096-355-6351(10:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://shop.isanaya.com/view/item/000000000058?category_page_id=bac
オンラインショップ:http://shop.isanaya.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
本田純也(株式会社マルホ 代表取締役)
1986年生まれ。熊本市出身。2022年9月18日付で6代目社長に就任。趣味はゴルフ・映画鑑賞。常に明るく応用力が高めなのが強み。好きな言葉は共存共栄。
<文/垣内栄 MC/伊藤マヤ 撮影/坂口明子>