滋賀・草津の老舗より。戦国時代から愛される「うばがもち」とワインにも合う「塩餡クリームチーズ大福」

2024/07/25

海外からも注目されている「mochi」。日本には全国各地にお餅を使ったお菓子があります。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは滋賀・草津発祥の「うばがもち」と「塩餡クリームチーズ大福」。商品の歴史や魅力について、製造者である株式会社南洋軒 代表取締役の南弘蔵氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社南洋軒 代表取締役の南弘蔵氏
株式会社南洋軒 代表取締役の南弘蔵氏

―「南洋軒」の歴史について教えてください。

 「南洋軒」は1889年に創業し、今年で135年目を迎えました。国鉄(現JR)草津駅の開業と同時に立ち売り営業許可を受け、駅弁などを販売したことが「南洋軒」の始まりです。2年後には駅構内や駅前に軽食飲食店を開業し、その後もグループ企業を含めて事業を拡大していきました。
1956年に製造販売権を獲得した地元銘菓「うばがもち」は、グループ企業「うばがもちや」の看板商品となりました。駅弁の中でもイチオシの「近江牛すき焼き弁当」は、草津駅をはじめ京都駅や新大阪駅、

―社長のご経歴を教えていただけますか。

 先代にあたる父や祖父は本家出身ではないものの、創業以来の本業を続けてきたのが私の家系です。祖父(3代目)は長らく入院していたことから、実際には祖母が会社を統括していました。
学生時代の私はバスケットボールに没頭しつつも、家業を身近に感じていたと思います。大学卒業後は温泉旅館や和菓子屋、蕎麦屋で修業しました。家業を継ぐ準備というより「今後の人生に役立てたい」と考えていましたが、3兄弟の一番上ということもあって自然に社長を継ぐ流れとなりました。

―大切にしている思いをお聞かせください。

 日頃から「お客様に喜んでいただけることをしなければ」と思っています。経営者として影響を受けた人物は「盛和塾」の運営で知られる稲盛和夫さんです。一番好きな言葉は塾長から学んだ「忘己利他(もうこりた)」であり、自分のことより、お客様や従業員といった「他」の人々のために尽力することを心がけています。

―「うばがもち」について。どんなお菓子でしょうか?

 「うばがもち」は、戦国時代にあたる450年余り前から草津名物として食べられてきました。滋賀・草津のお土産としてはもちろん、近年はオンライン通販でリピートされる方も多くいます。そのルーツは、織田信長に滅ぼされた一族の子どもを育てるために乳母が売り歩いたとされる「姥が餅(うばがもち)」です。あんこ餅の上に山芋と白あんの練り切りを載せ、乳母の乳房を表現した独特のフォルムとなっています。

四百有余年の昔からから変わらぬ素朴なおいしさで人気「うばがもち」。
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昔話のような由来を読むのも楽しい「うばがもち(18粒入り)」。
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やわらかいお餅がたっぷりの餡に包まれている。1粒は小ぶりでも満足感◎。

―「塩餡クリームチーズ大福」の魅力も教えてください。

 お餅のおいしさから大福も人気があり、季節によっていろいろな商品を作っています。定番商品の「塩豆大福」をはじめ、11月下旬頃~GW明けに「苺大福」、7月下旬~10月下旬頃に「シャインマスカット大福」が登場します。初夏から初秋にかけて楽しめる「塩餡クリームチーズ大福」は、季節の大福を通年販売するために開発しました。いずれも他のもち米とは一味ちがった粘りを持つ「滋賀羽二重糯」を使用しています。

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中身は想像以上にぎっしりで、チーズ好きにはたまらない。

 「塩餡クリームチーズ大福」のポイントは、隠し味に沖縄産の海塩「ぬちまーす」を使った餡のほどよい塩気です。餡の糖度、厳選したクリームチーズ、生地の甘みと塩分、各素材の量など、すべてのバランスにこだわりました。消費期限は2日とありますが、なるべく当日中にお召し上がりください。甘すぎずチーズたっぷりなので、緑茶だけでなく、赤ワインにも合いますよ。コーヒーと和菓子も相性が良くおすすめです。

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大福としてはレアなクリームチーズ入り。和菓子をあまり食べない人にも好評。

―今後の展望について。

 お菓子については独自の長所をさらに伸ばしつつ、他社にはない商品で勝負していきたいです。毎月10日と25日は「朝焼どら焼きの日」として、早朝に焼き上げた「朝どら(通称)」を各店舗で販売していて、まさにオリジナルの限定品といえます。草津の人口は増加していて、今後十数年は転居者が多いと予想されています。人が増えるということは「うばがもち」を知らない人がまだまだいるということです。我々は「もっと地元を大事にしたい」と考え、そのためにも「うばがもち」を引き続き広めていこうと思います。

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お餅のおいしさが際立つ「うばがもち」と「塩餡クリームチーズ大福」。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「うばがもち」(18粒入)
価格:¥1,050(税込)
店名:うばがもちや
電話:077-566-2580(9:00~19:00 土・日・祝日は8:30~)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ubagamochiya.jp/product/ubagamochi
オンラインショップ:https://ubagamochiya.shop-pro.jp/

※オンラインショップでのご購入時は、クロネコヤマト宅急便のクール便で発送するため「商品代金」+「クール料金」でのお手続きとなります。

「塩餡クリームチーズ大福」(4個入り)
価格:¥1,400(税込)
店名:うばがもちや
電話:077-566-2580(9:00~19:00 土・日・祝日は8:30~)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ubagamochiya.jp/news/613
オンラインショップ:https://ubagamochiya.shop-pro.jp/

※オンラインショップでのご購入時は、クロネコヤマト宅急便のクール便で発送するため「商品代金」+「クール料金」でのお手続きとなります。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
南弘蔵(株式会社南洋軒 代表取締役)

1980年、京都府生まれ滋賀県育ち。大学卒業後、約7年に及ぶ3社での修業期間を経て、2009年に株式会社南洋軒へ入社。2015年に代表取締役に就任。商品開発や社内の改善活動にも注力している。

<文・撮影/マスダアヤノ MC/伊藤マヤ 画像協力/南洋軒>

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