のどぐろといえば、とろけるような脂が人気の高級魚。今回編集長のアッキーが気になったのは、島根県浜田市の水産ブランド「どんちっち」ののどぐろ干物です。大きさなどの厳しい基準をパスしたのどぐろは、驚くくらいジューシーで他の産地とはレベルが違うと評判!製造元の有限会社本田商店 代表の本多保昭氏と営業を担当する奥様の本多説子氏に取材陣が商品の魅力を伺いました。
とろける脂が口に広がる! 通常ののどぐろを超えた脂のノリ!「どんちっち のどぐろ干物」
2024/07/25
―4代目として家業を継がれ、大事にされていることは?
本多(保) 浜田市で水揚げされる新鮮なのどぐろやアジでおいしい干物を作り、全国の方に食べていただきたい。この地域でしか獲れない「どんちっち」ブランドの魚を皆様に知っていただき、知名度を上げていきたいという思いです。
―「どんちっち」ブランドについて詳しく教えて下さい。
本多(説) 「どんちっち」とは、浜田市が設ける脂質率やサイズなどの基準を満たした魚介をブランド化したもので、現在はのどぐろ、アジ、カレイ類の3種の魚介があります。のどぐろであれば「浜田市の港で水揚げされたもの」「1尾80g以上」などの基準をパスしなくてはなりません。
「どんちっち」ブランドの魚は普通の魚と脂乗りが違うので、たとえばアジを食べた人は「これ本当にアジ?」と驚き、テレビ番組でも絶品と大評判でした。「どんちっち」という名前は、島根県の神楽を子どもたちが「どんちっち」と呼ぶことに由来しているようです。
大きさや脂乗りなどの厳しい基準をパスしたのどぐろだけが
「どんちっち」ブランドとして出荷される。
―干物を作る際のこだわりについてお聞かせください。
本多(説) 季節や魚の状態によって、塩分濃度や氷の入れ方、漬ける時間や干し方などを変えつつ丁寧に作るのがこだわりです。長年勤めている工場長が微妙な調整を重ね、職人技を駆使しておいしく仕上げています。
季節や素材の変化に合わせ、細かく味付けや干し方の調整を施すのがこだわり。
―今回紹介するのどぐろの干物を販売する際に苦労したことは?
本多(保) のどぐろにも旬がありますので、季節によってどうしても脂のノリが変わってしまいます。夏が旬なのですが、その時期と他の時期で脂のノリにムラが出ることから、安定した品質で皆様にお届けするのにはやや苦労がありました。
また、浜田市ののどぐろは石川県の金沢でもよく食べられているので、能登半島地震で需要が減ってしまうという問題もありました。
―「どんちっち」ののどぐろの味についてお聞かせ下さい。
本多(説) もともと「白身のトロ」といわれるのどぐろですが、「どんちっち」ののどぐろはさらに脂ノリが良く、食べた人が「(他の産地ののどぐろと)違う種類の魚では?」と驚くほどです。大きさにもよりますが、とろけるような脂に加え干物にすることでアミノ酸が増えるので、凝縮されたうまみも楽しめます。
弊社ではそののどぐろを「生干し」にしてフレッシュ感を残しており、口にひろがるジューシーさやふっくら柔らかい食感が好評です。また、塩気を薄めにしているので、焼くだけでなく唐揚げにして餡をかけたりなどのアレンジもできます。塩分を気にする方にもおすすめです。
うまみがギュッと詰まったジューシーな味わいと、生干しならではのフワッとした食感が絶品。
―のどぐろの干物のおすすめアレンジをさらに教えて下さい。
本多(説) 弊社のインスタグラムでもおすすめしているのが「のどぐろ干物のアクアパッツァ」です。フライパンでオリーブオイルとにんにくを温めて焼いたのどぐろを入れ、あさり、ミニトマト、水や白ワインを加え蓋をして加熱します。のどぐろに火が通っているので、5分ほどの加熱でサッとできるスピードメニューです。
焼いた干物があればサッと作れる、
おいしく手軽な「のどぐろ干物のアクアパッツァ」。
本多(説) また、のどぐろにカレーパウダーと小麦粉を合わせた粉を付けてフライパンで焼いたり、オリーブオイル系のドレッシングをかけたりしてもおいしいです。和風はもちろん洋風メニューでもいろいろ楽しめます。
―のどぐろの干物の他にもおすすめの商品があるとか?
本多(説) いまおすすめしているのは、イカやタコを酢で漬け込んだ「剣先イカの酢イカ」「するめ酢イカ」「酢ダコ」です。どれもカットしてあるので使いやすく、とても柔らかい食感が特徴です。関東の酢ダコなどは赤い色が付いていますが、こちらはどれも素材のままの白っぽい色で、アレンジしやすくなっています。
シンプルな酢のものはもちろん、サラダのトッピングにもばっちりの「酢ダコ」や「酢イカ」。
本多(説) オリーブオイル系の料理と合わせると、酸味がマイルドになってとても食べやすいので、冷製パスタやシーフードサラダのトッピングにするのがおすすめです。賞味期限も30日と長いため、冷蔵庫に常備しておくと少したんぱく質が欲しいときに使い勝手が良いと思います。以前は大きなパックで販売していましたが、今後はおひとり様でも購入しやすい小さなパックでの展開を考えています。
―御社の今後の展望についてお聞かせ下さい。
本多(説) 干物を購入するお客様は年配の方が多く、そのほかの年代では「干物は面倒でゴミが出る」など魚離れの傾向があります。そこで、手間がかかっても食べたいと思わせる、新しい魅力の干物を作っていきたいです。
今考えているのは、魚を「白だし」のような出汁に漬けて干物にし、さらにうまみを凝縮させた商品です。業者を交えた試食会でもかなり評判が良かったので、年内には1度製品化してお客様の反応を聞きたいと思っています。また、売り先の幅を広げるべく、自社のネット販売にも力を入れているところです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
「相場価格を覆す!のどぐろ」(1枚あたり80g~100g)
価格:¥648(1枚 税込)
店名:本田商店
電話:0855-28-1015(8:00~17:00 日曜祝日を除く※6月~8月15日は土日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shinko.shopselect.net/items/35355716
オンラインショップ:https://shinko.shopselect.net/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
本多保昭(有限会社本田商店 代表)
1960年1月31日生まれ。
島根県浜田市の水産高校卒業後、マグロ船に乗船、その後大京魚類に入社。その後静岡魚市に入社し、退職後、地元浜田の実家有限会社本田商店に戻り、鮮魚や加工業務に従事し今に至っております。
<文/ふるとりあやめ MC/髙橋美羽 画像協力/本田商店>