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鳴門海峡の荒波育ち!プリプリの「3年とらふぐ」とうま味たっぷりの「サクラマス漬け」

2024/08/09

瀬戸内海に浮かぶ淡路島は、多彩な山の幸や海の幸があることで知られています。今回、編集長アッキーが注目したのが、潮流の激しい鳴門海峡で手塩にかけて育てられる「3年とらふぐ」と、希少なサクラマスを使った「サクラマス漬け」です。おいしさと人気の秘密を、若男水産株式会社で代表取締役社長を務める前田若男氏に取材陣がうかがいました。

若男水産株式会社 代表取締役社長の前田若男氏
若男水産株式会社 代表取締役社長の前田若男氏

―ご実家も養殖業だったとうかがいました。

前田 はい、私が小学生の頃はハマチの養殖をしていました。当時、ふぐの養殖は影も形もなかったのですが、あるとき赤潮でハマチが全滅してしまい、「赤潮に強い魚を育てよう」ということになって、1980年代頃に試験的にとらふぐの養殖を始めました。

―今や名物となった「3年とらふぐ」はどのような環境で育てられているのでしょうか。

前田 当社の養殖場は鳴門のうず潮の近くで、潮流の激しい場所です。生まれて1年目のとらふぐはまだ泳ぐのが下手ですので、まずは潮の流れの緩やかな場所で養殖します。その後、2年目からは潮の流れが速い鳴門海峡の近くに移して育てています。

―単に年数をかけるだけでなく、養殖する場所も変えるのですね。

前田 そうすることで身が引き締まります。ほかの地域のとらふぐは2年で出荷されますが、3年かけて育てることで身の弾力感が増し、サイズも大きくなります。よく「大きいと大味になるのでは」と言われますが、急速に大きくせずじっくりと育てていくので、濃厚かつ鍋で煮込んでも煮崩れしないふぐに育ちます。

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「3年とらふぐ」は大きさと濃縮された味わいが魅力。

―3年養殖は珍しいのですか。

前田 とらふぐは2年で出荷できることがすでに分かっています。1年延ばすぶん、台風や夏場の高水温、冬場の低水温などでふぐが死ぬリスクが高くなるため、3年かけて養殖しているのはほぼ淡路島のみです。今では3年かければおいしくなることが全国に知られていますが、リスクを考えるとできないと言われます。

―淡路島で御社以外に「3年とらふぐ」を手がけているところはあるのでしょうか。

前田 当社のある福良という地域の養殖業者のみです。以前は2年で出荷していたのですが、1995年頃に生育の悪い年があり、小さいフグを売っても利益が出ないことから、福良の業者で「もう1年育ててみよう」と話し合って試しに3年育ててみました。そうしたらものすごく良質なふぐになり、料理屋さんなどから「全然違うから、来年からも作ってくれ」と言われて。偶然が重なってできたような感じです。

―2年で出荷するふぐとは育て方が違うのでしょうか。

前田 2年で出荷するには、エサをできるだけ多く与えて早く大きくしなくてはなりません。「3年とらふぐ」は健康管理が命で、エサの量も腹八分目ほどに抑え、大きくなりすぎないようにしています。その後2005年にブランド化し、2024年には地理的表示(GI)にも登録されました。これをきっかけに、世界からも注目が集まればいいなと考えています。

―サクラマスの養殖はいつ頃から始めたのでしょうか。

前田 2015年頃です。淡路島の養殖場は水温が低く、以前から稚魚屋さんにサーモンの養殖に適していると言われていました。淡路島には夏はハモ、冬はふぐという名物がありますが春と秋の食材が弱く、観光協会から何か考えてもらえないかと言われていたのですが、ふぐで手一杯で。しかし、当時の知事もサーモンの養殖をやりたがっていると聞き、知事がやる気ならやってみようか、ということで始めました。

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「幻の魚」ともいわれるサクラマス。

―サクラマスを選んだ理由は。

前田 サーモンの養殖ではニジマス、サクラマス、銀ジャケという選択肢があるなかで、サクラマスが一番おいしいと聞いたからです。ただ、養殖するのが一番難しいとも言われました。

―なぜ難しいのでしょうか。

前田 臆病でエサを与えても寄ってきません。現在も養殖している所は少なく、「ます寿司」で有名な富山県や、県魚がサクラマスの山形県からも視察に来ます。養殖の設備はふぐと同じですが、エサは違います。ふぐのエサは高タンパクかつ低カロリーですが、サクラマスは短期間で大きくする必要があるためカロリー重視で、アスタキサンチンや玉ねぎの皮を入れています。

―玉ねぎといえば淡路島の特産品ですが、入れることでどのような違いがあるのでしょうか。

前田 淡路島らしさを出すために入れてみようと考え、成分を調べてもらったところ、抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれていることが分かりました。玉ねぎ入りのエサを与え始めてからものすごくサクラマスの味がよくなり、料理人さんからも好評です。

―そうやってサクラマスが春の名物になったのですね。

前田 12月上旬に稚魚を仕入れて、翌3月の解禁日から出荷します。サクラマスは海水温が18度以下でないと生存できません。養殖場に入れておけるのは5月末頃までです。

―ふぐは暖かい海の魚ですが、海水温の影響はないのでしょうか。

前田 瀬戸内海の海水温はふぐには冷たすぎるため、消化も運動もしなくなる冬場には週に2回ほどしかエサをやれません。与えすぎると負担がかかって死んでしまいます。そのため2年養殖では大きく育てられず、ほかの地域と勝負できなかったのですが、3年かけてじっくりと育てることでデメリットをメリットに変えることができました。

―「3年とらふぐ鍋セット」の食べ方を教えてください。

前田 身は注文が入るたびにさばいているため、冷凍ではなく生の状態で届きます。好きな野菜と一緒に、昆布のだしでお鍋にしてください。3年もののとらふぐは、炊きすぎても煮崩れしません。皮だけはゆがいてスライスした状態で冷凍してありますので、自然解凍または流水解凍で味わっていただければと思います。

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煮込んでも食感が失われない「3年とらふぐ」。

―「サクラマス漬け」はどんな商品ですか。

前田 マイナス40度で急速冷凍した状態でお届けしています。味がついていますし、魚のうま味も感じられますので、自然解凍して酢飯や白米にのせて食べてください。

―どちらも本当においしそうです。本日はありがとうございました。

3年とらふぐ鍋セット3~4人前

「3年とらふぐ鍋セット3~4人前」(とらふぐ鍋用(切り身・アラ)約650g、湯引き皮(100g)、ふぐヒレ(4枚)、ぽん酢・紅葉おろし(小袋4個)、食べ方レシピ、3年とらふぐ証明書付き)
価格:¥8,640(税込)
店名:若男水産 本店
電話:0799-52-3561(9:00~15:00 1/1~1/3除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://3nen-torafugu.com/?pid=34994615
オンラインショップ:https://3nen-torafugu.com/

淡路島サクラマス漬け(60g×3パック)

「淡路島サクラマス漬け」(60g×3パック)
価格:¥1,296(税込)
店名:若男水産 本店
電話:0799-52-3561(9:00~15:00 1/1~1/3除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://3nen-torafugu.com/?pid=122882525
オンラインショップ:https://3nen-torafugu.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
前田若男(若男水産株式会社 代表取締役社長)

1970年兵庫県生まれ。大学を卒業し、家業のハマチ養殖を手伝う。当時はハマチ養殖が9割、とらふぐ養殖が1割だった。2004年ハマチ養殖をやめ、とらふぐ養殖1本に切り替えると同時に独立。2005年とらふぐを差別化するため、「淡路島3年とらふぐ」のブランド化に成功。2011年若男水産(株)設立。2015年とらふぐの養殖技術を活かした「淡路島サクラマス」は春の名物として、それぞれ淡路島の新たな観光需要の開拓に成功。

<文/坂見亜文子 MC/三好彩子 画像協力/若男水産>

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