昆布を使ってだしを取るって、ちょっと難しそうなイメージでしょうか?今回、編集長のアッキーが気になったのは、日高昆布の名産地である北海道えりも町の「日高昆布1等品」。天日石干しのこの昆布なら、なんと水にポンと入れるだけでも豊かな香りと上質なうまみのだしが取れるのです!えりも食品株式会社 代表取締役社長 山形弘氏のご子息である常務取締役の山形大河氏に、取材陣が商品の魅力を伺いました。
水にポンと入れるだけで絶品の昆布だし!豊かな香りと上質なうまみの「日高昆布1等品」
2024/09/12
えりも食品株式会社 常務取締役の山形大河氏
―御社の創業からのあゆみと、山形様のご入社の経緯をお聞かせください。
山形 弊社は1952年に「有限会社えりも商事」として私の祖父が設立し、現在は私の父が2代目の社長を務めています。祖父は大学卒業後、食に関する研究職・教職に就いた後えりも町に戻り、昆布や鮭の加工を行う会社として弊社を創業しました。
私はえりも町で生まれ育った後、山口県下関市の水産大学校に進学して水産について専門的に学び、水産業関連の企業を4年間経て弊社に入社しました。子どものときから父の仕事の様子を見ており、専門的な勉強もさせてもらったので、いずれ自分の経験を会社のために活かそうという使命感はあったと思います。
―御社では海の幸を幅広く扱っていらっしゃいます。
山形 産地は北海道産をメインに、商品は昆布やふのりなどの海藻類の他、鮭、蟹、ししゃも、つぶ貝などを主力とし、数えるのが難しいくらい豊富な種類を取り扱っています。会社としてお客様の食を担っているという責任感がありますし、半端な仕事はしないことが理念の一つです。
昆布をはじめ、鮭、つぶ貝、海老や帆立など種類豊富な北海道の美味を扱う。
―今回紹介するえりも産の「日高昆布1等品」について、こだわりを教えてください。
山形 えりも町の昆布の最盛期は7月の下旬から8月の上旬となっており、その時期に採れた昆布が1年分の量のほとんどを担います。町役場の職員など、日頃は水産業に関わらないえりも町民も駆り出されて朝から昆布干しなどの作業に参加し、町全体がてんやわんやになるのが風物詩です。
今回紹介する「日高昆布1等品」は、社長自ら仕上がりの目利きをしっかりと行い、色や身入りがより良いものを吟味して販売しています。北海道産の日高昆布は日高地方の各所で採れるのですが、多くを占めるのはえりも町で採れるものです。地元に根差して商売をさせていただいている以上、えりも産の日高昆布には大きなこだわりを持っています。
昆布漁の最盛期には町を挙げて昆布干しなどの作業が行われる。
―御社の昆布商品には「1等品」の他「特選品」などもありますが、その違いは?
山形 昆布の等級には7段階あり、1等品は身入りや色つやが最も良い昆布で、「特選品」は2等級・3等級からさらに選別した昆布です。ふだん使いには少し贅沢な1等品は、主にギフトとして購入されています。ですが、本当に豊かな香りと上質なだしが取れるので、だしにこだわりのある方は自宅でも使っています。
日高昆布1等品はお鍋や汁物のようなだしが決め手の料理におすすめですし、だしを取った後のだしがらになった昆布をおでん、煮物、佃煮等に活用してもおいしく食べられます。
「日高昆布1等品」は、だしを味わう鍋物などにおすすめ。
塩と醤油を少し入れるだけで具材の味を引き立てる鍋つゆになる。
だしを取った後の昆布もおでんや煮物などに活用し調理できる。
―「日高昆布1等品」での、おいしいだしの取り方を教えてください。
山形 長い状態の昆布ですので、まずは使う分だけをカットし、濡らした清潔なふきんでサッと拭いてください。お鍋などに張った水の中に昆布を入れ、10~20分経って自然にふやけてきたら、もうだしが出ているので塩を一つまみ振ってから昆布を取り出し、取れただしを加熱して調理します。
鍋に水を張り、水の量に合わせた昆布を10~20分浸ければ、
簡単にうまみ豊かなだしが取れる。
山形 もしくはふやけた昆布が入ったままだしを火にかけ、沸騰する前に取り出すという方法もあります。昆布を入れたまま沸騰させるとミネラル成分が多く出て風味が損なわれますので、沸騰する前に取り出すのがポイントです。
―「日高昆布1等品」は昆布がたくさん入っていますが、どのように保管すれば良いでしょうか?
山形 昆布の大敵は湿気ですので、密閉できる容器に保管するのがおすすめです。1回で使う程度の長さにカットし、小分けして乾燥剤とともに密封容器に入れ、なるべく空気を抜いて封をしてください。常温保存も可能ですが、時期によっては気温が高くなりますので、冷蔵庫や冷暗所に保管していただくのがベストです。
昆布をカットして密閉容器に入れ、できるだけ空気を抜いて涼しい場所に保管する。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
山形 最近は昆布そのものよりも顆粒だしなどの使用が主流になり、昆布の市場にも変化が生じています。昆布の原藻を見て「これは何の海藻?」と言われることもあり、心苦しい思いです。私たちとしては、お客様にもっと昆布からだしを取ってもらいたいので、そういった働きかけをしなければと感じています。
昆布を使ったことがない人も、簡易的な方法でもおいしいだしが取れますので、気軽にチャレンジしてほしいです。昆布を使うことで、何からだしが出ているかを知るのは良いことだと思いますし、昆布が味の下地を整えるのに役立つこともぜひ知っていただきたいです。日本の伝統食材である昆布を使うことを、食文化としてこれからも伝えていきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「日高昆布1等品/普通便」(200g/袋入)
価格:¥1,650(税込)
店名:えりもの季(とき)
電話:0120-222-305(平日9:00~17:00 土曜・日曜・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.erimonotoki.com/shopdetail/000000000465/
オンラインショップ:http://www.erimonotoki.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
山形大河(えりも食品株式会社 常務取締役)
1992年北海道えりも町生まれ。水産大学校卒業後、水産業関連の企業を4年間経て2019年にえりも食品株式会社へ入社。2022年に同社常務取締役に就任。
<文・撮影/ふるとりあやめ MC/伊藤マヤ 画像協力/えりも食品>