今回、編集長アッキーの目に留まったのは、創業200年を迎える「ヤマサちくわ株式会社」の「特選ちくわ」。厳選した原材料と、受け継がれてきた職人技で作られる絶品のちくわです。そして、ちくわをフリーズドライ製法でスナック感覚にした「ちくわあられ」も、ユニークな商品です。今回は代表取締役社長の佐藤元英氏に取材陣が伺いました。
創業200年を迎える老舗が作る本物の練り物。「特選ちくわ」と「ちくわあられ」
2024/09/13
―まもなく創業200周年と伺いました。
佐藤 弊社は1827年に創業しました。2027年に200周年を迎えます。創業のきっかけは戦国時代までさかのぼります。1550年頃、現在の愛知県豊橋市にある安海熊野社(やすみくまのしゃ)に、今川義元が魚市場を作りました。
東海道のすぐそばだったこともあり、とてもにぎわったそうです。そこで魚問屋をはじめたのが私の先祖です。その後ちくわをはじめ、徐々にちくわ専業になりました。私はちくわ屋になってから7代目です。
昔は豊橋市にちくわ屋が60件以上あるなど、愛知県は全国有数の練り製品の生産地でした。しかし戦後、冷凍すり身が作れるようになり、産地から遠いところにも届けられるようになりました。さらに、大型設備ができて大量生産されるようになり、地域のちくわ屋は減少したのです。
「特選ちくわ」に付属するリーフレットには、
ヤマサちくわの歴史やこだわりが書かれている。
―ちくわ家が減少している中で、続けられてきた要因は?
佐藤 自社で仕入れも加工も行っているのが要因だと思います。原材料費が高くなるため、大手は下請け業者に任せている部分ですが、自社で行うことでおいしいちくわを作れます。
真ん中をこんがりきつね色に焼き上げて、両端の部分が白いまま残すのが豊橋ちくわの特徴。焼き色のついた部分には、あらかじめ小さな穴をいくつもあけておきます。穴を空けることで、遠火でじっくり焼いて膨らんでも破れず、冷めてシワになり香ばしい風味を増すのです。
機械焼きでも職人が脇について常に火加減に目を光らせている。
遠火でじっくり焼いて膨らんでも破れず、冷めてシワになり、香ばしい風味が増す。
佐藤 弊社のちくわの原料は、主にグチ・エソ・ハモです。主な産地は愛媛県八幡浜で、鮮度が良く、質の良い魚にこだわって仕入れています。
届いた魚をさばいて、水さらしを行います。余分な脂をとっておいしい部分だけを残し、歯ごたえが出る大事な工程です。魚の種類や水の硬さによって、調整しています。
たとえば、軟水すぎると魚のタンパク質の中に水が入りすぎて、水を出す工程が必要になります。歯ごたえがなくなってしまうのです。一方で硬水すぎるとタンパク質が痛み、硬いだけで粘りがなくなってしまいます。
弊社では小学生や支援学校生を対象に、工場見学や出張ちくわ教室を開催しています。ちくわが苦手だった子も、弊社のちくわを食べるとおいしかったといってくれます。
―「特選ちくわ」について教えてください。
佐藤 特選ちくわは50年ほど販売されているロングセラー商品です。最高級材料を厳選し、職人が石臼で丁寧にすりあげています。
最初は、そのまま食べてください。ちくわのおいしさを感じられます。他にも、おでんや煮物、サラダなど、さまざまな料理で、おいしくいただけます。
贈り物にもおすすめです。地元の人が食べて「おいしい」と、贈答用にしてくれています。
「特選ちくわ」は大きなサイズで肉厚。
噛みごたえ十分で、魚の旨味をガツンと感じられる逸品。
―「ちくわあられ」はどのような商品ですか?
佐藤 ちくわは、簡単には腐らない商品です。しかし夏になると「保冷バックがなければ買わない」といったお客様が多くいらっしゃいます。そこで開発したのがちくわあられです。ちくわをフリーズドライ製法でスナック感覚にして、黒豆とあられと一緒にしました。
魚の旨味が凝縮されており、カリカリとした食感と程よい塩加減、あられと黒豆の香ばしさを楽しんでいただけます。
発売したのは2019年頃です。2024年、名古屋駅のお土産ランキングの上位に入ったことで、大ヒットしました。現在まで2回欠品しています。1人で複数個買っていくお客様もいらっしゃいます。特に、ビールのおつまみにおすすめです。
魚の旨味が凝縮された「ちくわあられ」。
ちょうど良い塩気で、黒豆とあられの香ばしさと合う。
―今後の展望を教えてください。
佐藤 本当においしい練り製品を製造する場所が減ってきています。本物の日本の食文化として、次の世代にしっかりとした練り製品を伝えたいです。
また、おいしい食文化を作っていきたいと考えています。たとえば、地元の豆腐屋さんの豆乳を使った練り製品を開発し販売します。
―貴重なお話をありがとうございました!
「特選ちくわ」(1本入り)
価格:¥324(税込)
店名:ヤマサちくわ 楽天市場店
電話:0120-803489(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/chikuwa/103/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/chikuwa/
「ちくわあられ」(5袋入り)
価格:¥1,080(税込)
店名:ヤマサちくわ 楽天市場店
電話:0120-803489(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/chikuwa/9320/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/chikuwa/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
佐藤元英(ヤマサちくわ株式会社 代表取締役社長)
1959年2月22日愛知県豊橋市生まれ。1981年(昭和56年)ヤマサちくわ株式会社入社、2005年(平成17年)ヤマサちくわ株式会社代表取締役社長に就任。現在、豊橋商工会議所副会頭、一般社団法人ほの国東三河観光ビューロー会長、一般社団法人豊橋観光コンベンション協会会長、公益財団法人豊橋市スポーツ協会理事長。GEN―Bの会主宰。
<文・撮影/林本直 MC/三好彩子 画像協力/ヤマサちくわ>