今回、編集長のアッキ―こと坂口明子が注目したのは、「脂と赤身のバランスがいい」と大好評の近江牛の中でも極上のすき焼き肉です。販売するのは古くから自社で牛の生産を手がけ、昭和には近江牛専門レストランをオープンするなど、関連事業を他社に先駆けて着手してきた森島商事株式会社。代表取締役社長の森嶋政文氏に商品やおすすめの食べ方などを取材陣がインタビューしました。
自社牧場で手塩にかけて育てた近江牛の珠玉素材「極上」すき焼き・しゃぶしゃぶ用(500g)
2024/09/13
森島商事株式会社 代表取締役社長の森嶋政文氏
―はじめに貴社の沿革をお聞かせください。
森嶋 弊社は1879年に竹中久次と森嶋留蔵の兄弟が東京浅草に牛肉卸し・小売りと牛鍋専門店「米久」を開業したのが操業の始まりです。
その後は需要増にともない他県に牛を仕入れるようになったものの、質の劣化がネックになったため私の祖父の時代に自ら牧場を経営するようになり、質の高い近江牛の生産にも取り組んできました。
続いて1970年代に精肉店を開店。牛肉は日持ちがしないため、早く売り切り高品質の牛肉を皆様に届けるために、「毛利志満(もりしま)」の名称で牛肉専門レストラン業をスタートし、現在2店舗を営業しています。
―子どもの頃から後を継ぐ意識がありましたか?
森嶋 いいえ、私は就職した時点でも継ぐつもりはまったくありませんでした。ですから学卒後は車好きもあって地元のハイクラスブランドのディーラーで営業の仕事をしていました。
ただ、そこで購入される方々には経営者の方が多く、その人たちから遠巻きに家業のことを聞く機会が増えたことで少し事情が変わっていきました。
70年代に最初の店舗をオープン以来、
おもてなしの限りを尽くして現在2店舗を営業中。
近江牛の魅力を最適な料理で伝えている。
―どんなきっかけで家業に入ったのですか?
森嶋 家が商売をしていることで中学・高校の頃に「親の七光り」と言われたりして、もともと家業に反発する気持ちは強かったです。
ところが就職してお客様の話を聞いているうちに、「小さい頃からいろんなもの食べて服を着て生活できたのはその家業のおかげだった」と、自分の心持ちに変化が出てきました。
そして前向きな気持ちになって「この辺が戻るタイミングだろう」と思った27歳の時、実家の生業家業に入らせてもらいました。
―お仕事のうえで大事にしていることは?
森嶋 小さい頃から、いつもそばにいた牛のおかげで生活できているのだから、牛にも幸せになってもらいたい思いを強く持っています。
できるだけストレスを与えない環境で適度に運動させたり、糞尿の掃除を頻繁にしてあげたりと、本当にわが子のように育てています。そのことがモチベーションの高い部分にあるのは間違いありません。
6m四方に2頭という余裕のあるスペースで手塩にかけて育てられる近江牛。
―ショップ名「毛利志満(もりしま)」の由来を教えてください。
森嶋 近江商人の「三方よし」の精神が「髪の毛ほどの細い利益(=利他の精神)をもって、人の心(志)を満たす」に込められており、毛利志満の商売理念です。
「三方」は、売り手よし、買い手よし、地域よしですが、私は従業員しかり、関わる全員=全方位を幸せにしたいという気持ちで取り組んでいます。
―通販は早くから手がけていたのですね。
森嶋 祖父が筋も身も付いていた脂身を捨てていたコックさんを見て、「もったいない」と怒ったことがありました。それが発端となり、すじ肉を有効利用するためにカレーの具に使用して販売するようになった経緯があります。
またお客様の要望として発送してほしいという声が増えたこともあり、現在のオンラインになるかなり前から通信販売を始めています。
肩ロースの部位の中でもきめ細やかな霜降りがまんべんなく広がる、
ごくわずかしか取れない最高級のお肉。
口の中でとろけるような肉質を感じながら、
さっぱりとした脂の甘みと、上質な赤身のうま味を味わえる。
―今回ご紹介する「近江牛【極上】すき焼き・しゃぶしゃぶ用」の特徴は?
森嶋 近江牛は他のブランド牛と比べると脂の部分がさっぱりしてしつこくなく、甘みが強い特徴があります。当商品で採用する肩ロースは見た目もきれいで香りも高く、赤身と脂質のバランスがいいため関西地方では重宝されている部位です。
牛肉の旨味が一番感じられる箇所と思いますので、それをより実感できる方法で食べていただきたいですね。
肩ロースはすき焼きに最適な部位。
バランスのいい近江牛は家庭でもしっかりその魅力を発揮する。
―具体的にはどんな食べ方がおすすめですか?
森嶋 食文化の違いもあるのであくまでご参考ですが、毛利志満ではすき焼きでお肉を最初に焼く工程があります。さっと焼いたほうがお肉本来のおいしさが分かりやすいかと思います。
私たちのレストランでは上白糖ではなくザラメ砂糖を鉄板に敷いてお肉を乗せ、しょう油をさっとかけて焼く方法を採っています。それはザラメの持つ雑味を利用するためです。
精製されすぎていない旨みが和牛肉の甘味と匂いに化学反応を起こして相乗効果があると考えます。一度お試しになる価値はあると思います。
―今後の目標をお聞かせください。
森嶋 私の経営方針は「牛に優しく人に優しく」ですので、お客様、地元の方々、また働いてくださっている従業員さん、そして毛利志満にとって一番大事な「牛」、関わる全てが幸せになっていただきたいを思っています。
私達は、明治時代の初代・森嶋留蔵の頃から代々「牛」とともに歩んでまいりましたので、いきものを大事に、そして同じように人を大事にできるよう心がけています。それが「毛利志満」らしいと経営だと感じます。
そして従業員さんにも自信と誇りを持って働いてもらえるような会社にしていきたいと切に願っています。
―本日はありがとうございました。
「近江牛【極上】すき焼き・しゃぶしゃぶ用」(500g)
価格:¥16,200(税込)
店名:毛利志満
電話:0748-37-2129(受付時間 10:00~17:00/水曜定休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://oumi-usi.shop/shopdetail/000000000068/
オンラインショップ:https://oumi-usi.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
森嶋政文(森島商事株式会社 代表取締役社長)
1980年、滋賀県竜王町生まれ。
大学卒業後、大手自動車メーカーの県内ディーラーで営業職を経て、2008年家業に入る。
牧場、各店舗の経験を経て、2022年、7代目として代表取締役社長に就任。
<文/田中省二 MC/油井直美 画像協力/森島商事>