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国産小麦の自然な甘みを活かした「プレミアムシュトーレン」と「ミックス粉セット」

2024/09/13

今回編集長アッキーが注目したのは、国産小麦100%のシュトーレンとミックス粉。シュトーレンは、できるだけ無添加や有機栽培にこだわった原料を使い、小麦の甘み・旨味を生かした小さな子どもにも優しい商品。ミックス粉は、パンケーキやクランペットといった軽食を手軽に作ることができるセットです。「全国各地に合った小麦文化を守り、だからこそ地元埼玉の地粉も大事にしたい」と語る入江社長に、国産小麦への熱い思いを聞きました。

入江三臣社長
前田食品株式会社 代表取締役 入江三臣氏

―1946年創業の製粉メーカーでいらっしゃいますね。

入江 戦争から復員した創業者が、政府からの受託で製粉を始めたのが最初です。その後、製麺も始めましたが、現在は小麦とそばの製粉になります。さらに営業倉庫の認可を取りました。最近ではパンの製造販売も開始し、ベーカリーカフェの運営を経て、現在ではレストラン、カフェチェーンや直売所にパンを卸しています。

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戦後すぐの製粉業での創業から今日に至る。

―社長はいつ入社されたのですか。

入江 私はもともと、小売業の仕事をしていました。丸井の青井社長に感銘を受け入社し、バックオフィスから店舗の運営まで、やりがいを持って仕事をしていました。前田食品には、創業家の子女と結婚したことでご縁ができ、30代半ばで入社したんです。

大手小売企業という領域から、食品の中小企業へとキャリアを転換したので、入社当初は驚くことばかりでしたね。製粉の機械なんて見たこともなかったですし、お客様に名刺を差し出しても、どんな会社かわかってもらえない…。丸井での仕事が充実していたこともあり、3年ほどは転職を後悔しましたが、だんだん仕事が回ってくると責任感を感じるようになりました。まずは工場で製粉を学び、次に車を運転して配送をやって、それから営業も経験しました。そうやって社内の全ての業務を経験し理解した上で、入社から6年後に社長に就任しました。

―2018年からは、国産小麦100%工場に転換されましたが、どのような背景があったのですか。

入江 現在日本の食料自給率は38%、小麦が15~17%なんですよ。小麦の輸出国であるウクライナが戦禍に巻き込まれたことによって、小麦不足などが心配されましたが、そもそも自給率の低さが大きな問題なんです。海外の食品は農薬の残留が懸念されるものもありますし、食の安全性の観点でも、食料自給率アップは大きな課題です。

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「国産小麦の消費量を上げたい」と入江社長。

入江 こうした流れの中で、実は国産の小麦が大きく進化していたことをご存じですか。ここ20年くらいの間に品種改良が進み、種類が増えました。「ハルユタカ」や、「春よ恋」という名前を聞いたこともあるでしょう。昔は国産だと中力の小麦しかなくて、ここからグルテンを除いて薄力粉を作っていました。しかし、近年国産の強力粉が増えたので、麺や菓子だけでなくパンも作れるようになりました。

当社はこれまでも国産小麦を扱ってきましたが、ここで他社との差別化を目指して、国産小麦一本でやっていこうと転換したんです。もともと地元埼玉は小麦の産地として、全国でも5本の指に入るくらい地粉が作られていたんですよ。

―埼玉で小麦が作られていたなんて知りませんでした。

入江 現在では生産量は全国9~10位のようです。埼玉はいち早く給食に地元の小麦を使うなど、食への関心や取り組みが高いレベルにあると思っています。

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地元の農家との関わりを大切にしている。

入江 日本全国に地粉と呼ばれる国産小麦があって、そこで独自の食文化が育まれていることを忘れたくないんです。ほうとう、おっきりこみ、おやき、お好み焼き、すいとん…。たくさんのメニューと、素晴らしい食文化がありますよね。土地によって小麦の味や品質が違い、年によって出来高も変わるので、私たちはこれを平均化して供給する必要があります。複数年の各地の原料をうまくブレンドして、食品メーカーや飲食店などが作りやすい小麦粉に整えています。この辺りの調整は、小回りのきく小さな企業だからできることだと自負しています。

―「粉おじさん」のブランドについて教えてください。

入江 一般消費者向けにECサイトを立ち上げたのですが、小麦粉はなかなか売れなかったんですよ。インターネットで小麦粉を買ってもらうにはどうすれば良いかと試行錯誤し、ミックス粉なら手を出しやすいのではないかと考えました。まずパンケーキミックスを作りこれが好評だったため、もっと素材にこだわったミックス粉を作ろうと、バージョンアップさせていきました。

商品
卵や牛乳を使わなくてもふっくらおいしく焼ける「パンケーキミックス」。
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イギリスの定番朝食、クランペット。

入江 パンケーキミックスを作ろうとすると、どうしてもベーキングパウダーを使わなければならず、以前もアルミフリーのものを使っていましたが、完全に無くすことはできませんでした。すると当社の製パンスタッフから、ベーキングパウダーを使わず、イーストを使うクランペットという食べ物がイギリスにあることを聞きました。当時私の息子がロンドンに住んでいたので、すぐに送ってもらって食べたんですが、美味しくなくて(笑)。それでもあきらめず、原料を厳選して作ってみたら、とてもおいしいものができたんです。この成功から、ミックス粉を増やしていきました。

―「粉おじさん」の特徴はなんですか。

入江 とにかく無添加にこだわっています。抹茶パンケーキには、人工色素や香料を使っていません。どの商品も甘みをあまりつけていないので、小麦本来の自然な味わいが楽しめます。お菓子用だけでなく、お食事パンケーキとしても使えます。全粒粉のものは、粒度をかなり細かくしています。全粒粉100%だと気づかなくなる人もいるくらいです。

商品
香料や着色料のない抹茶味食品は少ない。

―期間限定発売のシュトーレンも好評だそうですね。

入江 こちらは当社の製パンスタッフが考案しました。シュトーレンはドイツやオランダでクリスマスに食べられるドライフルーツやナッツがたっぷり入った焼き菓子です。市販のシュトーレンと違って、リキュールやシナモン、卵を使っていないので、卵アレルギーのある方や小さなお子さん、妊婦さんにも味わっていただけます。材料はできるだけ無添加・有機栽培のものを使い、こちらも小麦の甘みを生かす味付けになっています。プレミアムチョコシュトーレンは、クーベルチュールチョコレートを使っており、リッチな味わいです。チョコなので、バレンタインデーに買われる方も増えていますね。

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真ん中から切って、両端をくっつけて保存するとおいしさが長持ちする。

―こだわりの商品ばかりですね。今後の展望は。

入江 有機JASとFSSC22000(食品安全マネジメントシステム)の認証を取得しました。より安全な食品を求めるお客様に対して、安心して手に取っていただけるような商品だとお伝えしたいですね。

有機農業は手間がかかるので、すぐに転換する小麦農家は多くないのですが、新規就農の農家は興味を持って取り組んでくれることが多いと感じています。農家さんとのコミュニケーションや信頼関係の中で、より安全で農薬の少ない小麦を仕入れていきたいですね。そして生産能力を高めることで、日本の食の自給率アップにも貢献していきたいです。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

商品

粉屋のプレミアムシュトーレン(※10月から予約開始)
価格:¥3,800(税込)
店名:こだわり粉屋(Yahoo!ショッピング)
電話:0480-42-1226(月~金 9:00~16:00)
定休日:
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodawari-konaya/00-item01.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodawari-konaya/

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粉おじさん アソートセット
価格:¥1,750(税込)送料無料
店名:こだわり粉屋(Yahoo!ショッピング)
電話:0480-42-1226(月~金 9:00~16:00)
定休日:
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodawari-konaya/05-rtsb18.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/kodawari-konaya/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
入江 三臣(前田食品株式会社 代表取締役)

1956年福岡県生まれ。立教大学を卒業後、(株)丸井(現(株)丸井グループ)に就職。
1990年前田食品株式会社に入社、1996年代表取締役に就任、現在に至る。
現在、協同組合全国製粉協議会常任理事、東日本製粉協同組合理事、埼玉県米麦改良協会 監事、幸手市商工会理事、公益財団法人青井奨学会理事も務める。

<文/鈴木満優子 MC/油井直美 画像協力/前田食品株式会社>

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