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手軽さ、おいしさ、満足感のすべてが詰まった「黒豚角煮まんじゅう」

2024/09/20

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、わずか2分で食べられるという、ふっかふかの生地でとろける黒豚角煮を挟んだ角煮まんじゅう。製造元の株式会社萬來 代表取締役の立堀信夫氏に、取材陣が伺いました。

立堀信夫社長
株式会社萬來 代表取締役の立堀信夫氏

―御社と立堀社長の歩みをお聞かせください。

立堀 萬來の前身は、妻の両親が1976年に創業しました。1986年には有限会社志布志サンゴセンターを設立。鹿児島にあって、珊瑚を使ったアクセサリーを作って卸や小売りする会社です。土産物としての需要が大きかったので、観光売店を、多い時で13店舗ほどもっていたと思います。全国の百貨店で催される鹿児島物産展にも数多く参加していました。

私自身は東京にいて、食品関係の仕事に就いていました。大学芋などを販売する、鹿児島の物産展に関わる会社にいたのです。結婚を機に鹿児島に移住し、志布志サンゴセンターに入社。義両親と一緒に珊瑚製品を中心とした土産物の製造販売に携わっていましたが、1993年8月の鹿児島8.6水害が鹿児島の観光産業に大打撃。売り上げの良くない店舗を閉鎖しながらなんとか頑張ったのですが、1998年に義父が逝去して。義母が代表、私が専務となり会社を運営する中、私の経験を生かして食品製造を始めることになりました。

最初に作った商品は、鹿児島のサツマイモを使った大学芋。地元農家さんから、規格外のサツマイモを買い受けて作りました。その後も、スイートポテトや芋ようかんなどのサツマイモ菓子を開発し、珊瑚製品で培った販売ルートをもとに、全国の百貨店で行われる鹿児島物産展に出すようになりました。

保存料・防腐剤などを一切使わない、地元で取れたさつま芋の菓子製品が好評となり、製造量増産のため、新社屋及び工場を新設できるまでになりました。それが2002年。同年、社名を株式会社萬來と改めました。

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食品事業を始めて社名を「萬來」へと変更。

―新社名にはどのような意味がありますか?

立堀 「千客万来」の願いを込めました。新社屋を建てた場所が駅の跡地で、線路もなくなり、人が寄ってくるような場所じゃなくなっていたので、人がたくさん集まるような場所になるといいなという願いを込めてつけました。

先代社長は、「日本一の珊瑚屋を目指そう」という気持ちでしたが、志半ばにして……といったところがあったと思います。意思を継いで、珊瑚でないにしても日本一になりたいと思っていました。おかげ様で、2018年、「第9回全国ご当地どんぶり選手権」で「黒豚三昧丼」がグランプリを受賞することができました!

東京から来た私を、鹿児島の人たちは温かく受け入れ、とても良くしてくれたので、いつか恩返しをしたいと思っていたのが少し叶った思いです。

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そぼろごはん、角煮、角煮の炙り、
煮の出汁巻き卵などが一度に味わえる「黒豚三昧丼」。

―黒豚関連商品誕生のきっかけは?

立堀 百貨店のバイヤーさんと商談をする中で、鹿児島なら黒豚を使ったものを何か作れないか?とオファーをいただきました。

薩摩の黒豚は、品種でいうと六白。4本の足先、鼻先、尾の先の6か所が白い「六白(ろっぱく)」です。白豚に比べると成長がゆっくりで出荷までが長く、餌にもこだわっているので、かなり生産コストが高いのですが、やはり、そのクオリティは代えがたいものがあります。柔らかく旨みが強く、臭みがない。おいしさを求めるには最適だと思います。

その薩摩黒豚を使って、まず角煮を完成させました。地元の芋焼酎や黒糖、鹿児島のたまり醤油などを合わせて、とろ火で8時間煮込みます。長く炊いてもパサつかない独自の方法により、とろけるおいしさの角煮になりました。

豚肉が炊き上がった後、その煮汁をさらに煮詰めてタレにします。薩摩黒豚の旨味や、その日の火加減や炊いた角煮が醸し出す、唯一無二のタレ。角煮のためのタレか、タレのために角煮を炊いてるのか……というほどのおいしさです。薄味で炊いた豚肉とタレが絡んでようやく角煮の完成です。サツマイモ菓子と同じように物産展などで販売したところ、非常に高評価をいただきました。今では黒豚味噌や豚足煮、さつま豚の商品もありますよ。

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萬來の看板メニューともなったとろけるおいしさの「黒豚の角煮」。

―延長線上に黒豚角煮まんじゅうが誕生したのですね。

立堀 同じく百貨店のバイヤーさんから、好評の角煮をもう少し手軽に食べられるようにできないか?と意見をいただいたのです。手軽にというと、手でさっと食べられる角煮まんじゅうがいいのでは?と、開発をスタートさせました。

これが、サンドするパオ(包/中華まんじゅうの生地)にとても苦労しました。うちの角煮は柔らかさが自慢。負けないくらいの柔らかさが必要でした。真っ白で、キメが細かくてほんのり甘くそして柔らかいパオ。粉の種類からこね方、発酵の温度や時間、蒸すタイミング……すべてが試行錯誤で、完成までに1年かかりました。その日の気候などによって状態が変わりますから、今でも、失敗してしまうことがあるほど、繊細だと感じています。

百貨店で実演販売をする際には、「こんなに苦労して作ってるんですね」と驚かれます。最後、パオに角煮を挟む作業は、1個1個パオの顔を見て、角煮とのバランスを考えながら選んで挟んでいますから。

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驚くほどふっくら柔らかくほんのり甘い。パオだけ食べても十分においしい。

―そのおいしさが、レンジで1分加熱するだけとは驚きです。

立堀 最初は蒸して食べる商品でした。蒸し器を出してお湯を沸かしてというのが手間だとはわかっていましたが、手間暇かかった商品なので、おいしく召し上がっていただきたいという想いが強かったのです。しかし、あるお客様から「レンジで加熱したら固くなっちゃって。次からは必ず蒸すようにしました」というお声をいただいたのです。とても申し訳ない気持ちになり、改めて見直すことにしました。

包材メーカーさんにも協力を仰ぎ、うちのまんじゅうの特性を理解してもらい、蒸すのと同じように仕上がるパッケージを作ってもらいました。電子レンジ(600W)で1分加熱し、1分そのまま蒸らすと食べごろです。

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個包装の冷凍で届くので、食べる分だけ袋のまま皿に乗せてレンジで1分。
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袋が膨らむのでそのまま1分蒸らして完成。
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こだわり抜いたパオととろけるような食感の角煮がベストマッチ!

立堀 お客様のところに、「レンジ加熱でも固くならないようにできましたよ!」と伝えに行きました。それからは「小学生の子どもが自分で温められるようになった」という声をいただいたり、ふるさと納税の商品に選ばれたりと、さらに喜ばれる商品になったことを実感しています。お客様の声に応えた商品づくりという、最大の転機となった出来事です。

うちは大量に作っていますが、お客様の手元には1個1個が届くわけで、その1個を大切に作りたいと思っています。そういう意味でも、ネット通販の口コミや物産展のお客様の声はとても大切です。

角煮まんじゅうにしても、大学芋にしても、家族団らんや、職場のお茶タイムなどにほっこりしてもらいたいですね。東京の物産展で、「この大学芋、給食で食べた懐かしい味だ」と思い出してもらえることがあって、故郷の味になったんだと嬉しく思います。

―今後の展望をお聞かせください。

立堀 とにかく、社員が一丸となっていい商品を作っていきたいと思っています。手間を惜しまず、求められることを感じながら精進してきます。

社員の中には、外国からの技能実習生がいますから、彼らの国に行ってみるのもいいですね。また、彼らが母国でもうちの商品を食べられるようになるなど、少しずつ世界にも出していきたいです。いずれにしても、みんなの思い出に残るような商品を展開したいと思っています。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

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「黒豚角煮まんじゅう 5個入」
価格:¥3,390(税込)
店名:萬來 楽天市場店
電話:099-472-3835(9:00~18:00 日祝祭日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/banrai2/10000019/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/banrai2/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
立堀信夫(株式会社萬來 代表取締役)

1968年東京生まれ。高校を卒業後、鹿児島に縁のある食品会社を起業。1992年鹿児島県志布志市に転居。株式会社萬來の前身である会社に入社。2009年より現職。二姫一太郎の父で、三人の可愛い孫に恵まれ田舎で幸せに暮らす。

<文・撮影/植松由紀子 MC/木村沙織 画像協力/萬來>

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