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笹かまぼこ好きなら試すべき!「松かま」のお豆腐揚かまぼこ「むう」と、新感覚のスイーツかまぼこ「どらぼこ」

2024/08/22

日本三景のひとつに数えられる宮城県の名勝地・松島。
観光に訪れ、名産品の笹かまぼこをお土産に購入したことがある方も多いのではないでしょうか。今回、アッキーこと坂口明子編集長が注目したのは、松島で笹かまぼこをはじめとした練り製品を製造・販売する、株式会社松島蒲鉾本舗。通称「松かま」と親しまれ、オリジナリティあふれる様々なかまぼこを手がけています。地元松島の人たちにも愛される人気店を、県内出店にこだわって展開する代表取締役社長の朱 二太(しゅ つぎひろ)氏に、スタッフが取材しました。

株式会社松島蒲鉾本舗 代表取締役社長 朱 二太(しゅ つぎひろ)氏
株式会社松島蒲鉾本舗 代表取締役社長 朱 二太(しゅ つぎひろ)氏

―窓から松島湾が一望できる、すてきな景観のオフィスですね!

 松島湾に浮かぶ有名な仏堂である五大堂がちょうど見えるところにあって、とても美しいでしょう!日本三大景勝地のひとつと言われるここ松島で、松島の名を冠した企業として、地元の名産である魚食製品をつくって売る…、そんな会社の眺望にぴったりの自慢の場所なんです。

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窓から見える国重要文化財・五大堂は、
仙台藩祖の第17代・伊達政宗が1604年に造営したものだそう。

―会社の創業はいつ頃ですか?

 約90年前…1934年で、当時は須田商店と名乗っていたそうです。1970年に松島に移転してきた際に、初代の須田 嵩社長が松島蒲鉾本舗という社名をつけ、1978年に松島本店を新築しました。最初は店先でかまぼこを焼いて売るだけの、こじんまりとしたお店だったと聞いています。

―今や県内に8店舗も展開する有名企業ですね!

 松島蒲鉾本舗、略して「松かま」というネーミングで、愛着をもって呼んでいただけるほどに成長しました。というのも、移転してきた少しあとに伊達政宗ブームが興り、東北新幹線が開業したり東北自動車道が開通したりして、松島に団体の観光客がどっと押し寄せてくるようになったんです。
店舗の1階をかまぼこ専門店、2階と3階を団体客用のレストラン、と増改築し、同じ松島海岸通りに2号店、3号店とオープンしていきました。仙台国際空港や仙台駅にもお土産売店を出店し、松島土産として持ち帰って配っていただいた全国から注文が殺到。通販事業が飛躍的に拡大し、塩釜市にあった工場での生産も増えました。

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仙台空港売店(上)や仙台駅おみやげ処(中・下)で、
笹かまをお土産に購入したことのある人も多いのでは?

―松島、そして宮城県の観光発展とともに順調に成長されたんですね。

 ところがその塩釜工場は2011年、東日本大震災が起こって甚大な被害を被ってしまったんです。工場の天井まで津波の被害を受け、松島の3店舗と、当時の事務所も休業を余儀なくされました。一日でも早く復旧しようと社員一丸となったおかげで3か月後にはどうにか工場の製造ラインが再開し、翌年4月に松島総本店をリニューアルオープンすることができました。

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松島総本店では、美しい景色を眺めながら、
笹かまの手焼き・手づくり体験教室への参加も可能(予約制)。

―朱社長はIターン転職と伺っていますが、いつ頃のご入社ですか?

 1993年に入社して、2017年に代表取締役社長に就任しました。もともとは東京都大田区の生まれで、東京の大学を出て東京の会社に就職し、システムエンジニアをやっていたんです。当時はバブルなどの影響で首都圏の家賃も高く、千葉から2時間かけて通勤していました。

―それがどうして宮城県のかまぼこ屋さんに!?

 たまたま見た転職雑誌で社員募集をしていたんです。30歳くらいから、俺の人生このまま毎日往復4時間の通勤に明け暮れてていいのかなあとぼんやり悩んでいて…。雑誌のIターン特集のコーナーを見て軽い気持ちで応募したら、スイッチが入ってしまいました(笑)。

―スイッチが入るきっかけは何だったのでしょう。

 先代の須田展夫2代目社長です。面接で社長(当時は専務)から「わが社は今は黙っていても集客があるが、このままではいけないと考えている。異業種の意見や人材もどんどん取り入れていきたい」と、説明されて…。違うところで違う仕事をするのも悪くないかもなあと思ったんです。ご縁があって入社が決まり、家族で移住してきました。

―移住してみていかがでしたか。

 松島最高!宮城最高!です(笑)。海があって山があって温泉も近くて、みんなあくせく働いていなくて、地域に根差した豊かな人生を楽しんでる…。給料は30%下がりましたが、半年後にはもう松島の通勤しやすいところに家を建てました。当時5歳の子どもと妻とバーベキューしたり山登りしたり、釣りに行ったり…。家族と過ごす時間も増えました。元の同僚には、「かまぼこ焼くんすか~」なんて言われましたが(笑)、この、昔ながらの「松かま」の笹かまぼこ、焼きたてがまたおいしくてね。売店でお客様相手に手焼き体験教室をひらく仕事など、楽しくて楽しくて…。お客様の喜ぶ顔が嬉しくて夢中で働いていたら、いつのまにか社長になってしまいました。

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ふっくらと焼き上げることでなめらかな食感が楽しめる、
「松かま」伝統の笹かまぼこ。

―今回ご紹介いただくのは、その笹かまぼこではないのですね。

 今お話しした先代の須田展夫2代目社長は、新商品開発が大好きな方でした。主力の笹かまぼこに力を入れて製造を続けることに変わりはないけれど、それは他社でもやっていること。「他にはない、オリジナリティのある商品も開発していかんといかん」、とよく言っておられました。その2代目自ら率先して、「『松かま』でなくちゃ」と指名買いしていただけるかまぼこづくりに熱心に取り組んで商品化したのが、今回おすすめの2品になります。

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笹かまぼこから派生した、
「松かま」オリジナルの「むう」と「どらぼこ」。

―ではそのうちのひとつ、「お豆腐揚かまぼこ むう」に関して教えてください。

 とはいえ、その前にまず笹かまぼこの話を(笑)。言わずと知れた宮城県の郷土品で、白身の魚などをすり身にして焼いたかまぼこです。「むう」は、その笹かまぼこで使う上質なすり身に大豆の粉を混ぜた生地を揚げたもの。通常、笹かまぼこは、すり身の生地を常温で30分~1時間ほど寝かせ(坐り)てから焼くことによって、もちもちっと弾力のある食感にするのですが、「むう」の場合、生地がとても柔らかいのでケーシングというチューブに入れて、まず5℃程度の低温にて24時間寝かせ(低温坐り)るんです。それを蒸し上げてカットしてから油で揚げることで、ふわ~っと軽い食感に仕上げることができます。

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良質でしなやかな生地を蒸してから(上)、
キャノーラ油で揚げます(下)。

―手間と時間がかかっているわけですね!

 そうしないと、独特のふわふわっとした柔らかさや、大豆丸ごとの旨味がしっかりと感じられないのです。油で揚げていますが油っこくなることもなく、他にない柔らかさは豆腐のようにお年寄りや子どもでも食べやすい、と評判を呼んで、松島の店舗や仙台駅店などで不動の人気ナンバー1商品となりました。

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ふんわりと軽い食感で、松島にしかない味が楽しめます。

―笹かまぼこよりも人気があるのですか!?

 はい。リピート率が高くて、笹かまぼこをもしのぐ売り上げなんです。昨年から今年にかけて、多賀城工場主催で「第1回 松かまアレンジレシピコンテスト」を開催したのですが、最終審査に残った4作品は、すべて「むう」のアレンジレシピでした。ヤンニョむう・むう麻婆・むうでジャーマンポテト・むうまん、とユニークな力作ぞろいで、たくさんの方々にご活用いただけていることに大感激!そのまま食べるだけでなく、アレンジしやすいのも人気の理由のひとつなんだな、と再認識しました。

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スモークサーモンやチーズなどを乗せて簡単オードブルにアレンジ。
贅沢にキャビアを乗せても。

―「むう」のネーミングの由来は?

 フランス語のムースという言葉から来ています。ムースは、柔らかい・ふわふわした・泡のような、という意味をもっていて、「むう」の食感に近いですし、まん丸でかわいらしい見た目にもぴったりだと思います。

―お気に入りの食べ方を教えてください。

 もちろんそのまま食べるのも好きなのですが、パン粉をつけて揚げたり、天ぷらにしてもおいしいです。素揚げでも香ばしく、ふわふわ感が増します。また、旨味が強いので、小さく切ってホウレンソウとベーコンと一緒に炒めるだけでおかずになります。私の妻の得意なアレンジは、切り込みを入れて梅シソやシソチーズを挟んだもの。ビールのつまみに最高です!

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切り込みを入れて挟むだけの簡単アレンジならすぐ完成。

―「どらぼこ」の方は、どら焼き+かまぼこのハイブリットスイーツですか。

 ネーミングはその通りです(笑)。でも、見た目はどら焼きですが、甘すぎないスイーツみたいなかまぼこ、れっきとした魚肉練り製品なんです。魚のすり身とたっぷり卵、小麦粉を使った生地を、一枚一枚、職人が手づくりで焼いています。あいだにホイップチーズクリームを挟み、パンケーキのようにふわっとした食感で上品な甘さになっていますので、甘いものが苦手な方のおやつとしてもおすすめです。

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洋風どら焼きのような見た目なので、かまぼこと聞いてびっくり!

―こちらも先代社長が開発に尽力されたのですか?

 はい。もともとは、お正月のお重に入れる伊達巻きとカステラかまぼこ(すり身の中に卵が入った黄色いかまぼこ)の中間のような食感のかまぼこをつくりたい、という発想だったようです。ある時どら焼きをつくる機械を見て閃いて、その機械のメーカーさんと一緒に試行錯誤を繰り返して…。最初は堅すぎたり、ボソボソしてしまったり、私も試作品をいくつも食べさせられましたが(笑)、改良を重ね、どら焼きとかまぼこのいいとこどりをしたような他にない商品ができ上がりました。

―かまぼことは思えない、やさしい食感です。

 普通どら焼きの生地は砂糖と小麦粉と卵を混ぜてふんわりとさせますよね。それを「どらぼこ」は、すり身と小麦粉と卵でやっているんです。すり身ってどうしてもふわっとしないでくっつくので、「その兼ね合いが難しいんだよ~」と、ずっと先代が力説していました(笑)。どうにか完成しても、「こんなのかまぼこじゃない!」と年配のお客様から叱られたり、娘の弁当のおかずに入れて、娘から「おかずというよりデザート?」と言われたとか…。
でもね。砂糖は控えめですし、魚ですから栄養があって体にいい、これは間違いないんです。低カロリー高たんぱくなフィッシュプロテインは美容と健康に。カルシウムやDHA、EPAが豊富に含まれますから、育ち盛りのお子さんにもぴったり。魚が苦手でもこれなら食べてくれる、という声もたくさん届いてるんですよ。

―中があんこじゃないところも面白いですね。

 かまぼことチーズは相性がいいですからね。レモンで酸味をきかせたクリームチーズをホイップしたものを挟んで、甘すぎない食べやすさと軽さにしてあります。ワインを飲みながら食べても相性抜群ですよ。物足りない方にはハニーメープルシロップをおつけしていますので、かけてください。フルーツやジャムを添えてアレンジしてもおいしいです。

―冷やして食べるのですか?

 保管は要冷蔵です。冷蔵庫から出して引き締まった状態のものを食べてもいいですが、30分~1時間くらい常温におくと、ふわっと柔らかくなってきます。さらに軽く温めるとふわふわ感が増しますので、トースターで軽くあぶってほんのり香る魚の香りも一緒に楽しんでください。

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おしゃれなサラダと一緒に並べれば、
テーブルに華を添えてくれます。

―ふわ~っとお魚のいい香りがすると、やはりかまぼこなんだなと実感しますね。

 「お子様でも食べられるかまぼこを!」という思いも込められています。
いま、魚食文化は残念なことに少しずつ衰退しているように感じます。かまぼこを通じて、ヘルシーな魚のことを次世代に少しでも伝えていきたい、それがわが社の願いでもあるんです。そこで、子ども向けの体験教室や小学校への出前授業、子ども目線の工場見学など、積極的に取り組むようにしています。

―社長が転職して熱心に取り組んでこられた、体験教室ですね!

 松島と多賀城の店舗で開催している、笹かま手焼き体験や生のすり身生地からつくる笹かま手づくり体験は、じつは観光のお客様だけでなく、地元の家族連れの方々にも大好評なんです。震災やコロナを経験して、地元とのつながり、地域との密着を大事にしたいという思いはますます強まりました。
そういった意味で言うと、2016年に新設した多賀城工場は、ふるさと融資という制度を使って建てたもので、ふるさと宮城県に貢献したいという気持ちが最も強い場所です。松島だとどうしても観光客主体になってしまいますが、ここなら工場見学や体験教室はもちろん、工場直売店ならではの揚げたて「むう」やハネ品(B級品)の格安販売など、地元の方に喜んでもらえる施策がたくさん。先ほどお話ししたアレンジレシピコンテストも、多賀城工場で開催したおかげで、「むう」を日常使いしてくださる地元の方がたくさんいるんだなと実感できました。

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多賀城工場の稼働日には、ガラス越しに工場内を見ることもできるそう。

―最後に今後のビジョンや展望をお聞かせください。

 初代、2代目と違って、私はオーナー社長じゃありませんから、よりビジョンを明確にしなければならないと思っています。
2016年新工場建設を前に、大学の先生を呼んだりワークショップを開いたりして、「今後の『松かま』をどうしていきたいか」を徹底的に議論して、松かまビジョン2020「美しき松島、魚食文化を通じて、地域を愛し・地域に愛される、笑顔溢れる企業」を作成しました。松島に店を構え、松島を名乗っていることを強みと捉え、「松かま」は魚食文化を通じて地元と共に幸せになる、そういう内容です。社員一同がこのビジョンに向かって行動するので、たとえ社長といえどビジョンに反することを提案すると却下されるというわけです。もしかしたら先代社長の時はツルのひと声的な忖度があったかもしれない、でも私にはそれは許されません。
そんなこともあって、現状「松かま」の店舗はすべて地元・宮城県内にしか出店しておりません。ですから、オンラインで「松かま」の味を試したら、美しい松島にぜひいらしてください。そして、「松かま」にも立ち寄って笹かま手づくり体験を楽しんでいただければ。土日であれば、私もどこかで体験教室の先生をやっていると思います(笑)。

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体験教室では、こんな楽しいかまぼこづくり体験もできて、
すてきな旅の記念に。

―ぜひ、松島観光をしてみたくなりました。本日はたくさんの楽しいお話、ありがとうございました!

「お豆腐揚かまぼこ むう」10個入り(1個40g、箱サイズ18×7.8cm×10.3cm)

「お豆腐揚かまぼこ むう」10個入り(1個40g、箱サイズ18×7.8×10.3cm)
価格:¥1,609(税込)
店名:松島蒲鉾本舗
電話:022-352-3647(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://matsukama-shop.com/?pid=134891448
オンラインショップ:https://matsukama-shop.com/

「スイーツかまぼこ どらぼこ」5個入り(1個35g、箱サイズ25×12×5cm)

「スイーツかまぼこ どらぼこ」5個入り(1個35g、箱サイズ25×12×5cm)
価格:¥1,144(税込)
店名:松島蒲鉾本舗
電話:022-352-3647(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://matsukama-shop.com/?pid=135025214
オンラインショップ:https://matsukama-shop.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
朱 二太(しゅ つぎひろ)(株式会社松島蒲鉾本舗 代表取締役社長)

1960年東京都生まれ。大学卒業後、都内の科学技術系システム会社に10年間勤務、1993年宮城県にIターン転職し、家族で宮城県に移住。松島蒲鉾本舗に入社。2000年取締役就任~常務取締役を経て、2017年同社代表取締役社長に就任。松かまビジョン2020「美しき松島、魚食文化を通じて、地域を愛し・地域に愛される、笑顔溢れる企業」を作成し、全スタッフ一丸となって奮闘中。

<文・撮影/亀田由美子 MC/木村沙織 画像協力/松島蒲鉾本舗>

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