サバの半身を贅沢に使った「鯖寿司」。足の早いサバを塩漬けにして、おいしく安全に食べようとした先人の知恵がつまった料理です。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは「雪舟鮓(押し鯖寿司と焼き鯖寿司)」。製造者は、日本海が間近な島根県益田市でお弁当作りや仕出しを行う食品メーカーです。株式会社益田クッキングフーズ 代表取締役社長の内谷重信氏に、取材陣が商品の魅力をうかがいました。
高級仕出しブランドが贈る季節の味わい。地元・島根で愛される「雪舟鮓(押し鯖寿司と焼き鯖寿司)」
2024/08/28
株式会社益田クッキングフーズ 代表取締役社長の内谷重信氏
―御社の沿革と社長のご経歴を教えてください。
内谷 コガワ計画は島根県益田市で自動車教習所「Mランド益田校」を運営し、日本で初めて運転免許合宿を始めた企業です。そして「益田クッキングフーズ(愛称:ハートクック)」は、合宿生用の食堂を作るために設立されたコガワ計画の子会社です。
私は、島根県津和野町で生まれ育ち、高校卒業後に地元企業へ就職しました。転職後、東京の企業に勤めていた際に「株式会社コガワ計画」を創業した小河二郎さんの講演会に参加する機会がありました。「こんなに面白い企業があったのか」と驚いた私は地元へ帰ることを決め、自動車教習所の指導員に転職しました。
そして、入校生募集を目的としたカフェ兼営業所の立ち上げに携わったのち、益田クッキングフーズへ異動しました。2015年に社長職へ就き10年が経ちましたが、当時の役員や従業員の方々が未熟な社長を全力で支えてくれたからこそ今があります。
―企業として大事にしていることは?
内谷 「食を通じて健康に奉仕する」という、創業以来の理念を大切にしています。口に入れたものでしか健康な体は作れないので、なるべく添加物や着色料、保存料を使用しないよう努めています。とはいえ、昔と今では気候や平均気温が異なります。お客様の安全を守るためにも時代の変化に合わせて商品を改良しつつ、昔ながらの伝統手法を使った「手作りの食」を守っています。
―雪舟鮓「押し鯖寿司と焼き鯖寿司」の魅力を教えてください。
内谷 ハートクックは1967年の創業後、地域の皆さんにもお弁当・仕出し料理・学校給食をご提供するようになり、複数の食品部門が合併して今の形となりました。鯖寿司は、高級料理の仕出しブランド「和作」とお弁当部門でコンセプトの異なる商品を製造しています。お弁当部門の鯖寿司は管理栄養士が作る一方で、和作の「雪舟鮓」は料理人が手間ひまをかけて作ります。料理を作り置きせず、オーダー後に食材を発注する点もこだわりの一つです。商品の販売サイトはないため、お電話か公式サイトからお問い合わせいただくことで1個からご購入いただけます。
サバのイラスト・箱のデザインもおしゃれ。
真空パック入りで安心感も◎。
―製法のこだわりポイントは?
内谷 島根県は西日本の米どころとして知られ、益田市には水質日本一の清流・高津川が流れています。「雪舟鮓」もシャリはおいしい水で作られたお米を使い、炊き上げにも高津川の伏流水を使用します。サバは日本海沖産を中心に、宮城県や鹿児島県など水揚げの多い地域から高品質なものを仕入れています。「焼き鯖寿司」に関しては「最も脂乗りがいい」とされるノルウェー産から厚みのあるサバを厳選します。高温の水蒸気で一気に焼き上げることで、冷めてもふっくらとジューシーに仕上がるのがポイントです。
「押し鯖寿司」のサバは、九州寄りの甘みがあるオリジナル酢で1枚ずつ手漬けしています。ベテランならではの職人技が光り、機械での大量調理を行わない弊社の魅力にもつながっているのではないでしょうか。季節によってサバや材料の味が変わるため、鯖寿司を通して四季折々の「和作の味」を楽しまれるお客様もいます。
つややかなサバがずっしり乗った「押し鯖寿司」。
お酢とお米の奥深い甘みを感じる。
ここまでパサつきがない「焼き鯖寿司」は新感覚。
香ばしさが食欲をそそる。
―おすすめの食べ方はありますか?
内谷 有名な北陸の鯖寿司と比べると、すっぱさを抑えていることが大きな特徴です。ほどよい甘みで食べやすく老若男女問わず楽しめます。ぜひ、押し鯖寿司と焼き鯖寿司を同時に食べ比べてみてください。とにかくお米がおいしいので、お酒のアテとして日本酒と一緒にお召し上がりいただくのもおすすめです。
保存料の使用を最小限にしているため、お手元に届いた当日か翌日中にお召し上がりいただく必要があり、現在は遠方への発送は難しい状況です。全国に商品をお届けできるよう冷凍技術の研究を進めていて、2024年以内に実装予定となっています。
―今後の展望をお聞かせください。
内谷 私たちは食品工場であっても「1人1人が職人だ」というプロ意識を持っています。すべての製造部門で食品の安全国際規格「ISO 22000」を取得し、おいしさだけでなく安心・安全を確保したものづくりを続けてきました。
「和作」は創業者が「日本食の伝統を後世に伝えよう」という思いで立ち上げたブランドです。「雪舟鮓」は「島根県の小さな田舎町に発信力を」という私の思いを込めて、島根ゆかりの画僧・雪舟から名付けました。鯖寿司や羊羹など、ほぼ口コミだけで評判となり、地元の皆さんに愛されてきた商品をより多くの人に広めていきたいと思います。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
「雪舟鮓 押し鯖寿司」
箱サイズ:205mm×70mm×45mm
価格:¥1,680(税込)
店名:和作(WASAKU)
電話: 0856-25-2566(9:00~17:00 月曜日~金曜日のみ)
定休日:1月1日~1月4日
商品URL:https://heartcook.net/wasaku/sessyuzushi/
※ご購入はお電話にてお受けしております。
「雪舟鮓 焼き鯖寿司」
箱サイズ:205mm×70mm×45mm
価格:¥1,680(税込)
店名:和作(WASAKU)
電話: 0856-25-2566(9:00~17:00 月曜日~金曜日のみ)
定休日:1月1日~1月4日
商品URL:https://heartcook.net/wasaku/sessyuzushi/
※ご購入はお電話にてお受けしております。
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
内谷重信(株式会社益田クッキングフーズ 代表取締役社長)
1969年 生まれ。島根県津和野町出身。1999年 株式会社コガワ計画へ入社。2014年にグループ会社である株式会社益田クッキングフーズへ転籍、翌年2015年に代表取締役社長へ就任。地元の食を後世に伝えるため、日々業務に精励している。
<文・撮影/マスダアヤノ MC/油井直美 画像協力/益田クッキングフーズ>