今回、編集長アッキーの目に留まったのは、宮崎県産肉を使用し味と時短を追求した「ちゃちゃっとグルメ」。製造・販売する「株式会社みやざきサンミート季穣(きじょう)」は、地元宮崎児湯地域の生産者の方の畜産に対するこだわりや想いを広げるために創業されました。「ちゃちゃっとグルメ」は、同社代表取締役の川越泰代氏が、2人の子どもを育てた経験から、使いやすさを徹底的に追求して開発した逸品です。今回は、川越氏に取材陣が伺いました。
宮崎県産のお肉を使用し、味と時短を追求した「ちゃちゃっとグルメ」は、自らの経験から忙しい主婦の為に開発した逸品。
2024/08/23
株式会社みやざきサンミート季穣 代表取締役の川越泰代氏
―起業のきっかけを教えてください。
川越 私は生まれも育ちも宮崎県です。両親は養豚、養鶏、畑を夫婦で運営していたため、幼い頃から農業は身近な存在でした。私も、長年食肉加工会社に勤めており、現在経営する会社も含めて、食肉の仕事は通算で20年以上になります。
弊社を創業する前に勤めていた会社では、加工と営業を行っていました。そこで、現在契約している生産者さんたちと知り合えたのです。生産者さんは、環境や餌にすごくこだわっていることを知りました。
多くの生産者さんには「家畜の健康や飼育環境に手を掛けて安心安全でおいしいお肉を作り、これからの未来を担う子供達にたくさんお肉を食べてもらいたい」という強い想いがあります。
しかし、スーパー等に並んでいるお肉を見ても、どの生産者がどれだけこだわっているのかわかりません。こだわって作っているのに、付加価値をつけられずに出荷されている現状を疑問に思いました。
実際に「自分たちの特色を出したい」と、多くの生産者さんが昔から思っていたそうです。その想いを形にするため、食肉加工会社「みやざきサンミート季穣」を2015年に創業しました。
生産者さんの想いを伝えていくためにも、生産者さんに株主になっていただきました。弊社は地元の生産者さんの取り組みを、消費者様に伝える役目があります。
―生産者さんの想いをどのように伝えていきますか?
川越 創業後、店頭で分かりやすいようにブランドロゴを作りました。生産のこだわりをストーリーにして、イベントへの出店や営業活動を行っています。
味はもちろんのこと、食べやすさや使いやすさなどを考えて加工することで、こだわりのお肉がさらに魅力的な商品となります。調理する方、食される方にどうすれば喜んでいただけるかをいつも考えてきました。
実際に調理して、試食営業活動をすることもあります。そうした営業活動のなかで、たくさんの消費者様へ生産者さんの想いをお伝えすることができればと考えています。
同社は、宮崎県のほぼ中央に位置する児湯郡木城町にある。会社理念は
「これからの将来を担う子供たちに、安心安全で本当においしいお肉をお腹いっぱい召し上がっていただきたい」。
―鮮度も強くこだわっているとか。
川越 鮮度も創業時から意識しています。お肉の消費期限は、屠畜(とちく・家畜を食肉に加工)してから10日~2週間です。弊社の場合は、屠畜場(家畜を食肉に加工する施設)に出すタイミングや出荷量も弊社でコントロールしています。そのため、屠畜から加工、商品化までのスピードが速く、新鮮なお肉が出荷できます。これも弊社の大きな特長です。
直売所も運営していますが、お客様には「ここのお肉は常に新しく、賞味期限を気にせずに買えて美味しい」と感想をいただいております。お客様にも実感いただいているように、古いお肉を販売することはありません。
また、急速冷凍機も導入しています。急速冷凍することで解凍したときにチルド商品と変わらないおいしさや風味を保てます。
高速スライサーと真空包装機も導入しました。長年食肉業界に携わっている社員さん達の熟練した技術で、カットやパック詰め等もスピードがあり、鮮度にこだわった商品作りが実現できています。
生産者さんの想いがつまった、
山牛・山豚・山鶏・のびとんなどのオリジナルブランド肉も展開している。
―「ちゃちゃっとグルメ」はどのような商品ですか?
川越 「ちゃちゃっとグルメ」は味付け済みで、火を通せばすぐ食べられるように開発しました。私の子育ての経験を反映させた商品です。
人気の5種が2セット。どれも味付きだから、火を通すだけ。
忙しい主婦に喜ばれている。写真は「きじょん山豚のトンテキ用(豚ロース)」の調理例。
川越 私は1人で、2人の子どもを育ててきました。小学校〜高校まで、毎日のように学校や部活の送り迎えをしながら、お弁当を作る生活が大変でした。
特に息子は野球部で毎日14合以上のご飯を食べており、その分一緒に食べるおかずも必要でした。私だけでなく、社員さんのご家庭でも子どもの部活やお父さんの残業など、食事の時間がばらつくと聞くこともあります。
そこで「ちゃちゃっとグルメ」は、1〜2人分の量に小分けにしました。炒めるだけなので、お弁当にするのも簡単です。食事のタイミングがバラバラでも、それぞれがフライパンで簡単に炒めるだけで食べられます。時短調理を追求しました。
フライパンにクッキングシートを引いて炒めれば、洗い物も楽にできます。
さらに、薄く作っているので、冷水で10分くらいで解凍できます。解凍も早く、冷凍庫のスペースもとりません。もちろん、前日から冷蔵庫に入れておく形でも解凍できます。
付属のパンフレットに載っているレシピは、購入者が紹介してくれたもの。
野菜を1品加えたりチーズを加えたりなど、簡単におかずが完成する。
もちろん、炒めて食べるだけでも、とてもおいしい。
どれも定番の味なので使いやすく、家族みんなに喜ばれる。
―味はどのように決めましたか?
川越 自社で調味料を調合して味付けしたり、メーカーさんなどから調味料のサンプルをいただいたりしました。そして、社員さん、パートさんも集めて、誰が作ったのか、どこの調味料なのかを隠して社内で試食会をしたのです。
冷えたら硬くならないか、お弁当に入れたとき汁が出ないかなど問題点が出るたびに改善を繰り返し、数十回の試作をしました。そして、皆さんが使いやすいように、万人受けする定番の味を選びました。
―売れ行きはいかがですか?
川越 アンケート調査を行ったら約90%が高評価でした。ふるさと納税では、1日200~300件、1シーズンで8,000件ほど注文が来ます。1日500件発送した日もありました。
2023年10月のふるさと納税の制度改正により、全体的に注文数が落ち込みました。しかし「ちゃちゃっとグルメ」の注文数だけは変わらなかったのです。2021年に発売した商品ですが、既に味付け加工商品の看板商品の1つになっています。
なお、多くの方に色々な種類を楽しんで召し上がっていただけるように値段も低く設定しています。価値をつけて高く売っても、手に取っていただけなければ生産者さんの想いも伝わりません。生産者さんの想いを広げるためにも、数多く売れる価格を追求しました。
―ご両親が営んできた農業も法人化したそうですね。
川越 私の両親が営んでいた農業を次世代につなげるため、2019年頃に法人化しました。現在8人を雇用していますが、これを今まで夫婦2人で営んできたのかとびっくりしています。
その会社で2023年から、焼き芋をはじめました。両親が芋を植え、収穫し、芋を焼いて、地元の直売所で販売しています。そして2024年1月、焼き芋とかつサンドの店もオープンしました。週末限定の小さなプレハブで営業しています。
この直売所は「金と銀」という名前です。両親が2人でこれだけの事業をやってきたことに対して「金メダルと銀メダルをあげたい」という想いでこの名前にしました。
いずれは農作物を売る直売所を、2024年か2025年には形にしたいです。
―今後の展望を教えてください。
川越 みやざきサンミートは現在、居抜き物件の工場を使っており、老朽化してきています。そうした理由から2025年3月完成予定で新工場設立を計画中です。
現在働いている12名が働きやすい環境を作りたいです。また、主力商品であるハンバーグやちゃちゃっとグルメの生産量を増やすため、大型設備も導入予定です。
その分、頑張って売上を上げなければなりません。(笑)
読者の皆様には「ちゃちゃっとグルメ」で検索していただき、弊社のホームページもご覧いただけますと幸いです。
―貴重なお話をありがとうございました。
「ちゃちゃっとグルメ」【トップ5・5種×2セット】
価格:¥4,980(税込)
店名:ChaChatぐるめオンラインショップ
電話:0983-32-2911(10:00~18:00 水・木曜日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://chachat-gourmet.com/product/varietytop5/
オンラインショップ:https://chachat-gourmet.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
川越泰代(株式会社みやざきサンミート季穣 代表取締役)
商業高校を卒業後、食品卸問屋に就職、卸売業を経験し、23歳から食肉加工会社へ転職する。そこで牛・豚・鶏の加工と営業業務を学ぶ。38歳にみやざきサンミート季穣を起業し、代表取締役社長に就任。現在も営業業務を主として活動している。
<文/林本直 MC/伊藤マヤ 画像協力/みやざきサンミート季穣>