今回編集長のアッキ―こと坂口明子が注目したのは、わさび漬です。棚畑でとれた厳選わさびをはじめ上質素材だけを使い、高いクオリティで根強いファンとリピーターを獲得する、静岡土産として大人気「菜乃屋」ブランドのもの。販売サイト口コミでも4.8点以上の高評価をマークするご当地漬物メーカーの株式会社共栄商会 代表取締役社長の金原擴氏に、原料わさびや商品のこだわりなどのお話を取材陣がうかがいました。
極上わさびを素材に高品質の証“封印”と名付けた大人気の静岡土産「わさび漬け 4点セット」
2024/08/28
株式会社共栄商会 代表取締役社長の金原擴氏
―この業界には若くして入られたのですね?
金原 はい、高校時代に友達の紹介でアルバイトとして入ってそのまま就職したのが弊社です。入社した当時は小規模な会社だったので自分でなんでもせざるを得ない状況でした。
今はセクションごとに動くのが当たり前の時代ですが、経済成長期だった頃の私たちは製造して配送して帰ってきたら事務の仕事まで…。月末には集金に支払いまでして1人の負担が大きかったです。
それでも仕事は楽しんでやっていましたし、若いうちにいろいろ覚えることが多かったのはその後の経営のためにかえって良かったかもしれません。
澄み切った清流の水で栽培される旬の新鮮なわさびが原料。
―大切にされている経営方針をおうかがいします。
金原 わさび漬は昔から静岡県で一番よく売れていたお土産の1つでした。JRの駅売店にいろんなお土産を並べて置いてある中で、ほとんどの旅行者がわさび漬けを買っていくほど定番品でした。
もともと地元を売りにした商品ですから、そこはブレずに現在も静岡県で採れる素材を利用して漬物を製造するのが一番のコンセプトです。
ピリッとした辛さが特徴。
旬の新鮮なわさびが惜しげもなく入ったロングセラー品。
―今回ご紹介の「わさび漬」について教えてください。
金原 商品名のあとに「封印」と表記しているのをご注目ください。駅の売店には3~4社のわさび漬が並んでいて、お客様が買っておいしいと思ってもどのメーカーも同じ「わさび漬」と書いてあるだけです。
ですからこれを差別化して私たちの商品を買ってリピートしてもらうために、付加価値を付けた特別なものという意味で「わさび漬 封印」と銘打っています。
わさび漬にコリコリした数の子の食感が絡んで歯ごたえバツグン。
―具体的な特徴を教えてください。
金原 わさびの旬にあたる春先の新鮮な新芽だけを選んで原料にしています。わさびは時期を外すと硬くなるのに対して、旬のわさびはとても柔らかく香りがいいのも特徴です。
最も柔らかい時期の新芽のいい部分だけを100%使用しているのが弊社のこだわりです。
―酒粕にもこだわりが?
金原 昔はいくつかの酒粕を使用していたのですが、現在は高価であっても品質的に群を抜く一種に限定しています。いろんなメーカーを試してきてその越後の吟醸酒粕に出会ったときに、「もう他を探すのはやめよう」と思ったほどです。
仕入れたものをすべて冷凍室に保存し、徐々に冷蔵庫に移してゆっくり熟成させます。発酵度合と熟成度を見て漬物原料に回すのですが、この工程には細心の注意を払って「封印」の名にふさわしい高い品質のわさび漬に仕上げています。
甘口みそにわさびの辛み・風味が絶妙に絡むおいしさ。
―オススメの食べ方は?
金原 しょう油を少し付けてご飯の上に乗せて食べるのが定番の食べ方ですが、方法はさまざまです。たとえば白菜に付けたり、かまぼこを代表例に海鮮食材にはとても合います。
他にもバリエーションは豊富です。鰹節をふりかけたり、マヨネーズとミックスしてわさびマヨネーズとしてドレッシングで使う応用技もあります。塗って食すのも妙案で、代表例がクラッカーやサンドイッチ、ステーキにもいいです。探せばバリエーションは無限大です。
佃煮のりの甘さにわさびの「シャキッとピリッ」のアクセントが加わる。
―どんな方に手に取っていただきたいですか?
金原 若い人からお年寄りまで幅広く召し上がっていただきたいです。これまでも核家族化して高齢の方がいないため食卓に漬物がないのが当たり前になり、需要が減ってきた歴史もあります。
しかし私たちは間引いたメロンを活用して製品化するなど、昔から次世代向けともいえる開発を行ってきました。これからも時代のニーズに適応した商品を発掘していく方針です。
―今後の展望をお聞かせください。
金原 私たちはこの地方の土の香りのする地域の特産品を素材とした漬物を製造し、全国の皆さんに提供してきました。
最近ではご当地のセロリを使った漬物も発売しているように、これからも新商品の開発に注力し、ワンランクいや2ランク上の良いものを作り続けていきたいと思います。
―本日はありがとうございました。
「わさび漬け 4点セット」(各80g)
価格:¥2,890(税込)
店名:菜乃屋
電話:0538-38-3886(9:00~16:30 日・水曜日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/nanoya/wasabi4set01/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/nanoya/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
金原擴(株式会社共栄商会 代表取締役社長)
1946年静岡県浜松市生まれ。1965年に入店。製造、営業、経理などすべての仕事を学ぶ。1969年の法人化に伴い、常務取締役に就任。2001年 代表取締役に就任し現在に至る。創業以来地域の特産品を漬物に加工し、特にお土産市場で販売。
<文・撮影/田中省二 MC/矢口優衣 画像協力/共栄商会>