新潟県弥彦村は、新潟に稲作を広めた神様を祀る「彌彦神社(やひこじんじゃ)」で知られる地。今回、編集長のアッキーが気になったのは、農薬や化学肥料を50%以上減らして栽培された弥彦村のブランドコシヒカリ「伊彌彦米(いやひこまい)」です。ツヤが際立つおいしさはもちろん、彌彦神社のご利益もありそうとリピーター増加中のお米。販売を行う株式会社藤井商店 代表取締役社長の藤井宣秀氏に取材陣が商品の魅力を伺いました。
新潟県弥彦村が誇る「神様のお米」。減農薬・減化学肥料の特別栽培米コシヒカリ「伊彌彦米(いやひこまい)」
2024/10/10
株式会社藤井商店 代表取締役社長の藤井宣秀氏
―御社の創業からの歩みや、藤井社長がご家業を継がれた経緯をお聞かせください。
藤井 弊社は1947年に私の祖父が創業した会社です。祖父は農家から卵を集荷・販売する仲買業を始め、そのうち卵と一緒にお米も取り扱うようになったそうです。私は学校を卒業後、2代目である父の勧めにより3年間同業他社で修業をし、2005年に弊社に入社、2016年に3代目として代表に就任しました。
入社後は、父が発案した米粉製造の新事業を私が主体となって進めるなど、父の思いと自分の使命感を原動力に仕事に取り組んできました。代表就任後も初代の教えである「お客様あっての商い」「感謝の気持ちを忘れるな」を変わらぬ理念として引き継いでいます。
―御社のオンラインショップ開設は、今回紹介する「伊彌彦米」がきっかけだとか?
藤井 以前は、弊社が卸したお米は卸先の会社のオンラインショップで販売されていました。ですが、そのかたちでは「伊彌彦米」のような、丁寧に作っているために少し値段の高いお米は取り扱ってもらえません。「伊彌彦米」は弥彦村のふるさと納税お礼品にもなっている非常に良いお米なので、これを全面に押し出すため、独自のオンラインショップを開設しました。
自然豊かな弥彦村を代表する名産品。特別栽培米コシヒカリ「伊彌彦米」。
―弥彦村のブランド米「伊彌彦米」誕生の経緯をお聞かせください。
藤井 弊社のある新潟県の弥彦村は農業が盛んで、「天香山命(あめのかごやまのみこと)」を祀る有名な「彌彦神社」もあり、観光地としても知名度が高い場所です。弥彦村では2016年に地元の特別栽培米コシヒカリを「伊彌彦米」としてブランド化し、ふるさと納税のお礼品として出品するようになりました。
実は「天香山命」は新潟に稲作を広めた神様といわれています。そのため弥彦村では「伊彌彦米」を、天香山命が天から舞い降りてくるイメージでブランディングし、弊社でもそのイメージに沿って商品を作り、販売しています。
鮮やかな赤色に、天から舞い降りる天香山命が
金色で描かれた印象的なパッケージ。
―「伊彌彦米」の特徴や味について教えてください。
藤井 「伊彌彦米」は弥彦村の農家により、農薬や化学肥料を50%以上減らして栽培されている「特別栽培米コシヒカリ」です。お米の粒がしっかりしていてツヤがあり、他のブランド米に匹敵するおいしさという評価をいただいています。
弊社にはお米のおいしさを数値化する機械があるのですが、「伊彌彦米」を新潟県内のコシヒカリと比較すると、有名ブランドである魚沼産コシヒカリにも引けを取らない数値が出ており、自信を持っておすすめできるお米です。
「伊彌彦米」は香りが良くツヤがあり、
ふっくらとした食感がたまらないおいしさ!
―「伊彌彦米」の炊き方のコツやおすすめの食べ方は?
藤井 好みは分かれるかもしれませんが、若干少なめの水加減で硬めに炊いていただくと良いと思います。また、お米の味がしっかりしているので、まずはお味噌汁やお漬物など、お米の味を楽しめるようなシンプルなおかずを合わせるのがおすすめです。
いつもの水加減より少し少なめで炊くと、
「伊彌彦米」のしっかりとした粒感をより楽しめる。
初めて食べるなら、お米そのものの味を引き立てるおかずと合わせるのがおすすめ。
―「伊彌彦米」は希少価値の高いお米だとか?
藤井 先ほども述べたように、「伊彌彦米」は減農薬・減化学肥料で栽培するので非常に手間暇がかかるお米です。生産量は、農家の弥彦村ブランドへの意気込みもあって徐々に増えています。しかし、近年の記録的猛暑や、米農家自体が減少していることもあり、ずっと右肩上がりで増えるのは難しいと思います。手間暇のかかっている分、上質なお米なので、ぜひご興味のある方は早めに手に取ってほしいです。
減農薬・減化学肥料で手間暇をかけて作られるため、
大量生産の難しい貴重なお米。
―どんなお客様が「伊彌彦米」を購入していますか?
藤井 弥彦村の緑豊かなイメージと、彌彦神社の霊験あらたかなイメージに惹かれて購入し、1回食べてリピーターになってくださるパターンが多いです。また、県内よりは県外のお客様が多数となっています。いま、若い世代のお米を食べる機会が少なくなっていると聞きますので、そういった方にもぜひ1度おいしいお米を食べてもらい、また食べようという気持ちになってほしいです。
―御社では早くからSDGsへの取り組みもなさっているとか?
藤井 他社と比べると早い段階から、クリーンエネルギーにより環境負荷を減らす取り組みを行っています。私の父の「これからは太陽光発電が主流になるだろう」という考えのもと、工場で使用する電力の一助とするため、2008年より工場の屋根に太陽光発電装置を設置しました。
また、現在目指しているのは、温室効果ガスの発生を実質的に減らす「カーボンニュートラル」に基づいて作ったお米を商品として販売することです。
環境負荷を低減する太陽光発電の取り組みにより、
2008年には「新潟県環境賞」を受賞。
―今後の「伊彌彦米」の広がりについて希望をお聞かせください。
藤井 「お客様あっての商い」が弊社の社是ですので、お客様がくださる感謝の言葉をなによりの糧としています。最近は新潟県内の大手米菓メーカーなど、試験的に「伊彌彦米」を使う企業もあり、「伊彌彦米」を原料としたお菓子なども世に出てくると思います。
弊社があるのは弥彦村ですから、弥彦村が元気でないと、なかなか会社としても元気にはなれません。「伊彌彦米」販売に力を尽くし、今後も弥彦村のブランドイメージ向上のお手伝いをしたいと願っています。
―素晴らしいお話をありがとうございました。
「【令和5年産】伊彌彦米新潟産コシヒカリ」(5kg)
価格:¥3,200(税込)
店名:藤井商店お米ショップ
電話:0256-94-3181(8:30~17:00 土・日・祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://fujiirice.thebase.in/items/52897019
オンラインショップ:https://fujiirice.thebase.in/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
藤井宣秀(株式会社藤井商店 代表取締役社長)
2005年入社。2016年に先代逝去により代表取締役に就任。初代の教えと先代の環境負荷低減の路線を踏襲しつつ、SDGsを意識した組織作りを目指して参ります。また、新潟県の企業として地元に恩返しできる取り組みを進めていきます。
<文・撮影/ふるとりあやめ MC/油井直美 画像協力/藤井商店>