丹後らしいお菓子を届けたい。和菓子職人が作った株式会社ポラリスの「黒豆チーズケーキ」

2024/10/16

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、丹後の和菓子職人が作った「黒豆チーズケーキ」。国産黒豆あんとチーズケーキをもなかで挟んだ和風チーズケーキで、和と洋の要素が融合した上品な味わいを楽しめます。丹後らしいお菓子を開発したいという思いから、半年以上かけて完成したそうです。株式会社ポラリスの取締役の沖田真奈美氏に、取材陣が伺いました。

株式会社ポラリス 取締役の沖田真奈美氏

―創業の経緯を教えてください。

沖田 親会社のアウルコーポレーションが旅館を運営しているのですが、そこのお客様から「丹後のお土産を買って帰りたいけど、この辺にはお土産屋さんがないよね」と言われたことがきっかけで、株式会社ポラリスを創業しました。

弊社はただ土産物を販売するだけではなく、自社で商品開発と製造も行っているところが特徴です。作ったお菓子は自社で運営する「御菓子司あん」という店舗で販売しています。

私はアウルコーポレーションの代表を務めていて、こちらは取締役として関わっています。今は私の母が代表をしていて、徐々に代替わりをしていく予定です。

株式会社ポラリスが運営する「御菓子司あん」の外観。

―どのように商品を企画していますか?

沖田 丹後は京都市内からとても離れた、いわば僻地のようなところですが、野菜も果物も、食べ物は全部本当においしいところが魅力です。わざわざ丹後に来てくださったお客様に喜んでいただくために、丹後の食材を生かしたお菓子作りを心がけています。

例えば、丹後の海から取った塩を使ったきんつばや、宇治にも卸している抹茶を使ったお菓子など、食材を起点に考えています。

―創業から変わらない思いは?

沖田 お客様の声を大事にすることです。最近ではエンドユーザーと直接やりとりすることが当たり前の時代になってきましたが、そもそも弊社が創業したのはお客様の声があったこともきっかけなので、早い段階から意識していたことが成長につながっていると思っています。

ただ、お客様のニーズは時代とともに変わってきているので、それに合わせた商品作りをしなければなりません。例えば、これまでは旅行先でお土産を買って配る方が多かったですが、今の若い世代の方はお土産を配る文化がないので、一箱に何個も入っているような、配る用のお菓子を作っても買っていただけません。

その代わり、自分へのお土産やちょっとおすそ分けするくらいの量が入ったお菓子の需要が高まっているので、そちらの方針に変えようとしています。他にも変えなければいけないことはたくさんありますが、どれだけスピード感を持って対応できるのかがこれからの課題です。

―「黒豆チーズケーキ」はどんな商品ですか?

沖田 弊社の和菓子職人さんが作ったチーズケーキで、2017年に販売開始しました。どちらかというと自分のご褒美として買ってもらえるような、ちょっと贅沢なものにしようと思って作った商品です。

バラ売りもしていますし、4個入りで箱に詰めて買うこともできるので、自分用だけでなくご家族用にもお選びいただけます。お土産としてだけでなく、プレゼントとして購入される方も多いです。

黒豆とチーズケーキが絶妙にマッチし、今までにないおいしさを味わえる。
4個入りは家族へのお土産にもおすすめ。

―完成までの経緯を教えてください。

沖田 今の時代、お土産にきんつばやどら焼きは選ばれにくいと思いますが、弊社には和菓子の職人さんがいるので、和菓子の知識と技術を生かして、若い世代にも受け入れられるようなお菓子を作りたいと思い、取り組んだのがこの商品です。

丹後の素材を使ったお菓子を作りたいと思っていて、これまでも黒豆を使った商品がすごく人気だったのと、私がチーズケーキを好きだということもあり、この組み合わせで商品開発を行いました。

また、今でこそお菓子を冷凍できるようになりましたが、以前は冷凍できなかったので、日持ちしないものが多く、人手が足りない時期は製造にも制限がかかっていました。そこで、冷凍ができることを条件に入れながら、いろいろと模索して完成に至っています。

上質の黒豆を使用して作られた国産特製黒豆あんがポイント。きんつばにも使われている。

―商品開発で苦労した点は?

沖田 この形にするまで苦労しました。最初は黒豆の黒とクリームの白がうまく調和しなくて、見た目が悪かったのですが、丹後は「うらにし」といって、晴れたり雨が降ったりと天気が変わりやすいので、傘をイメージしたもなかをかぶせようという話になり、最終的にこの形になりました。

傘をかぶせて和菓子らしくなったのと、職人さんも「これなら作りやすい」と言っていたので、一石二鳥でよかったと思っています。販売に至るまで半年以上もかかりました。

上に乗ったもなかは傘をイメージしている。

―おすすめの食べ方は?

沖田 このチーズケーキは見た目以上にボリュームがある商品なので、紅茶と合うかなと思っています。食べるときのコツは、解凍時間を間違えないこと。冷凍のお菓子は解凍加減でお菓子の味が変わります。きちんと解凍しないと味がわからなくなってしまいますが、解凍しすぎもよくないので、最初は記載されている時間に従ってみてください。

―最後に、今後の展望を教えてください。

沖田 丹後はメロンやすいか、ぶどうなど、果物もおいしいものがたくさんあるので、果物を使った商品開発をしたいと思っています。今はフルーツジュレをベースにしたお菓子を開発中です。

また、丹後にはお菓子を買って食べられるようなスペースが少ないので、今後は店舗に来られた方のイートインのスペースをかなり広く取ろうと思っています。そこで提供するお菓子も和菓子屋さんならではのものを作ろうと考えている最中です。

ただお土産を買う場所だけでなく、皆さんが来て食べたくなるような場所にしたいと思っています。(お店は2024年8月にリニューアルオープンしました)

―貴重なお話をありがとうございました!

「黒豆チーズケーキ」(4個)
価格:¥1,814(税込)
店名:京都 丹後 長寿商店
電話:0772-74-0812(担当:池辺)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/tango-polaris/an_kuromame_cheese/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/tango-polaris/?s-id=review_PC_sl_shop_01

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
沖田真奈美(株式会社ポラリス 取締役)

1974年京都府生まれ。1998年㈱アウルコーポレーションへ入社。2014年姉妹会社 株式会社ポラリスへ入社、新商品開発に関わる。

<文/サカモトアヤ MC/白水斗真 画像協力/ポラリス>

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