日本人に好まれる鶏肉は高タンパクでヘルシー。どんな料理にも合わせやすく、食卓の強い味方です。今回、編集長アッキーが気になったのは、香川県で愛される「骨付鳥」と国産の若鶏むね肉を100%使った大きめサイズの「チキンメンチカツ」です。各商品の開発秘話や特徴などについて、製造・販売元である農協食品株式会社の代表取締役 横峰昭一氏に取材陣がお話を伺いました。
香川県民のソウルフード「骨付鳥」と国産若鶏むね肉100%の「チキンメンチカツ」
2024/09/06
農協食品株式会社 代表取締役の横峰昭一氏
―御社の沿革を教えてください。
横峰 香川県は昔からブロイラーと呼ばれる肉用鶏などの養鶏が盛んです。関西では親鶏のことを「かしわ」と呼びますが、香川県には採卵できなくなった親鳥を無駄にする事なく消費する食文化が根付いています。戦後は食鳥をたくさん買い付けて加工する会社が多くあったのですが、時代とともに減少して次第に採算が合わなくなっていきました。弊社は1973年に香川県農業協同組合(前身の香川県経済農業協同組合連合会)がその役割を肩代わりするための大規模な食鳥の加工・販売会社として設立しました。
国民1人あたりが1年で食べる鶏肉は平均6羽。
年間で香川県内の約6割を占めるくらいの総数を全国へ供給している。
―農業協同組合から御社の代表取締役に?
横峰 植物が好きで、植物に携わる仕事がしたくて地元の農業協同組合に入組しました。平成に入ってからは県域のJAグループの県連合会に入って北海道でいちごの苗を増殖するなど、いろいろな事業に10年ほど携わりました。その後は九州の農業試験場、大阪の営業所に5年ほど勤務しました。その間は果物・野菜・花の技術開発や国内外への売り込みが主な仕事でした。50歳を過ぎてから総合職に移り、60歳で弊社の代表取締役に就任しました。
―今回ご紹介いただく「骨付鳥」は、香川県のご当地料理ですか?
横峰 香川県はうどんが1番有名ですが、2番目に有名なのは香川県丸亀市発祥の骨付鳥です。元祖は「一鶴(いっかく)」というお店なのですが、戦後間もない頃に一鶴の店主が海外の白黒映画で欧米人が骨付肉にかぶりつく姿を観て憧れを抱き、身近にある鶏肉で試行錯誤して作り上げたのが始まりだそうです。香川県内には骨付鳥を提供するお店がたくさんあり、お店ごとに焼き方や味付けなどにこだわった個性豊かな(ガーリックやハーブ等各種スパイスを効かせた)味付鳥が食べられます。
―御社の「骨付鳥」は本場の味付けですか?
横峰 昔は肉体労働者が多く、たくさん汗をかくため濃い味が求められていました。そのため、元祖の「一鶴」の骨付鳥は塩胡椒とニンニクを効かせたパンチのある辛めの味わいです。地元ではその味がスタンダードですが、弊社は生活協同組合とも提携しているため、女性とお子様でも食べやすい味を意識しました。
しっかり焼いた皮面はパリパリでお肉はジューシー。
濃いめで辛めな味付けがクセになる。
横峰 ただし、汎用性ばかりを意識して特徴のない商品にならないように骨付鳥らしい味付けも心がけました。パンチの効いた地元の味が好きな方からは物足りないというお声もいただきますが、そのような場合は後から塩胡椒を足していただければご満足いただけると思います。
―おいしく調理するコツは?
横峰 冷凍商品なので、1日前に冷蔵室に移して自然解凍をおすすめしています。そうすることでドリップが少なく自然に融解します。できれば鶏油を使ってほしいのですが、油を敷いて肉面から焼き始めます。必ず蓋はしてください。一番熱が通りにくいのが骨の近くなので、中火で7〜8分くらいじっくりと焼きます。続けて、皮面を4~5分焼くとカリカリに仕上がります。
―付け合わせは何がおすすめですか?
横峰 やはり、ご飯です。骨付鳥の元祖「一鶴」でも骨付鳥の付け合わせといえば、おにぎりが挙げられます。塩胡椒とニンニク、鶏の旨みが合わさった油にご飯をつけて食べると非常においしいです。あとは、野菜だったらブロッコリーでしょうか。たっぷり油が絡むので相性が良いと思います。
塩胡椒が効いたスパイシーな味わいで、
ごはんや野菜などの食材やビールとの相性も抜群。
―続いて、「チキンメンチカツ」の開発のきっかけを教えてください。
横峰 「チキンメンチカツ」は去年の12月に発売した商品です。少し前にコンビニなどの手軽に食べられるサラダチキンがブームになりましたが、それ以前に鶏むね肉には疲労回復効果のある「イミダゾールペプチド」が多く含まれていることが発見されました。それが多くの方に認知され、コロナ前にはささみが人気で足らなくなるような状態でした。その流れを受けて、ご家庭でも幼いうちから鶏むね肉をおいしく食べられるような国産若鶏むね肉を100%使用した商品を開発することにしました。
サクサクの衣とさっぱりとした鶏肉がマッチ。
お好みの調味料をかけるか、そのまま食べてもおいしい。
―大きめサイズにした理由は何ですか?
横峰 ご家族で食卓を囲んで厚みのあるカラッと揚がった「チキンメンチカツ」を少し豪華にナイフとフォークで切って召し上がっていただくのを想定して、大きめサイズにしました。最近は、お弁当に入れられるようなサイズを商品化してほしいとの声も多くいただくため、そのような商品も検討中です。
―おすすめの揚げ方は?
横峰 「チキンメンチカツ」はパン粉にも非常にこだわっており、パン生地に電気を流して焼いて作る電極式とオーブンでパンを焼いて作る焙焼式の2種類のパン粉を絶妙な配合で使用しています。揚げると衣がカリッと鋭角的に立つようにパン粉を配合しているため、フライパンの底につかないようにたくさんの油でカラリと揚げていただきたいです。
―最後に、今後の目標を教えてください。
横峰 弊社は約7割の社員が外国籍です。多様性のある社員たちが働きやすくやりがいを感じてくれる職場にしたいという思いが常にあります。もちろん、お客様のことを考えて、喜んでいただけるような新商品をどんどん開発していきたいのですが、それと同じくらいに社員が幸せである会社にしたいと思っています。
ラテン系の明るい社員たちに支えられ、
お客様に求められる商品を日々製造・開発している。
―貴重なお話をありがとうございました!
「骨付鳥」(若鶏4本【4袋】)
価格:¥3,480(税込)
店名:全国の農畜産物・名産品をお取り寄せ!全農が運営する産地直送通販のJAタウン
電話:0120-818-335(9:00~17:00 平日)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ja-town.com/shop/g/g7102-71022702/
オンラインショップ:https://www.ja-town.com/shop/f/f0
「チキンメンチカツ3Pセット」(810g【90g×3個入り×3袋】)
価格:¥2,680(税込)
店名:全国の農畜産物・名産品をお取り寄せ!全農が運営する産地直送通販のJAタウン
電話:0120-818-335(9:00~17:00 平日)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ja-town.com/shop/g/g7102-71022723/
オンラインショップ:https://www.ja-town.com/shop/f/f0
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
横峰昭一(農協食品株式会社 代表取締役)
1958年香川県生まれ。1979年に農業協同組合に入組。1990年に香川県青果販売農協連へ転籍し、2001年にJA香川県に包括継承。青果物生産販売促進分野で活躍後、営農部長を経て、2018年に農協食品株式会社の代表取締役に就任。
<文/ウツギナオコ MC/伊藤マヤ 画像協力/農協食品>