佐賀県は最も生産量の多い「みかん」をはじめ、「いちご」の県産ブランド「いちごさん」も人気なフルーツ天国です。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、みかん＆パイン100％ジュース「ミチルン」と果汁10％配合の「いちごさんサイダー」。商品開発のきっかけやその味わいについて、株式会社ジェイエイビバレッジ佐賀 代表取締役社長の岩永 隆徳氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社ジェイエイビバレッジ佐賀 代表取締役社長の岩永 隆徳氏

―会社の成り立ちを教えてください。

岩永　弊社の前身は1952年に設立された佐賀県園芸農業協同組合連合会です。青果物の販売に始まり、小城町を中心に農産物の加工事業を進めてきました。佐賀県はみかんの生産が盛んなため、みかんに付加価値をつけるべく、1971年にみかん果汁の搾汁工場が造られました。その後、当時の経営母体である佐賀県経済農業協同組合連合会の加工飲料事業を切り分ける形で、2001年に「株式会社ジェイエイビバレッジ佐賀」が発足した次第です。

―企業として大切にしていることは？

岩永　大手企業の商品を作るOEM事業がメインなので、お客様の顔は見えにくい状況ですが、お客様のことを第一に考えています。「安全・安心な信頼できる製品をお届けする」というのが基本的な企業理念です。農協のグループ会社として、昔からある「農家さんの役に立つ」という理念も忘れてはいけません。私個人としては実直であることが一番大切だとし、従業員の皆さんが仕事にこだわりを持てる会社を目指しています。

―社長に就任された経緯もうかがえますか？

岩永　私の両親は農家として、地域特産品の玉ねぎや米・麦を栽培していました。田植えや稲刈りなど農繁期は家業を手伝っています。
1976年に佐賀県園芸農業協同組合連合会へ入会しました。当時は農業に携わる人が農協関係に就職するケースが非常に多かったのです。入会後は製造ラインや生産関係、東京での営業職を経験しました。地元へ戻って常務や専務を歴任し、2019年に弊社の代表取締役社長に就任しました。

―みかん＆パイン100％ジュース「ミチルン」。どんな商品でしょうか？

岩永　今までは「農産物をジュースにして販売する」というシンプルなやり方でしたが、「コンセプトを持った売れる商品」を生み出していかねばと考えました。経営コンサルタントに商品開発のノウハウを教えていただき、約1年半かけて開発したのが「ミチルン」です。佐賀県産のみかん果汁を使った「みかん＆パイン」というロングセラー商品があるため、さらにプレミアム感のある商品を目指しました。
商品名は、みかんの「ミ」、英語で「くつろぐ」を意味する「chill（チル）」、パインの「ン」からなる造語です。コンセプトは「みかんで、まったり、リラックス」で、開発メンバーは「がんばる女性に寄り添う、飲みごたえのある癒しのジュース」と語っていました。容器はエコな紙製で、少しずつ飲めるキャップ付きもポイントです。

今風のデザインがおしゃれ。便利なキャップもうれしい。

―こだわったポイントを教えてください。

岩永　搾った佐賀県産みかん果汁のほか、国産のみかんパルプやパイン果汁を使い、鹿島工場で製造している商品です。みかんの酸味はリフレッシュをイメージしやすいですが、リラックスできる甘さと酸味、香りのバランスを追求しました。サラサラ感やフレッシュ感のあるジュースではなく、小腹を満たす濃厚な大人の味わいに仕上げています。パッケージは、しずる感を重視して女性が手に取りやすいデザインにしました。

コンセプトの通り、とろりとした飲み口で満足感を得られる。

―「いちごさんサイダー」の魅力もうかがえますか。

岩永　佐賀県産いちごブランド「いちごさん」を広めるために、JAさが（佐賀県農業協同組合）と協議して商品のバリエーションを増やしていくことになりました。「いちごさん」の果汁が10％も入ったサイダーということで、県内を中心に予想以上にヒットしています。果汁10％入りで手に取りやすい価格にすることは、他社ではコスト的に厳しいと思います。商品化に至ったのは、農協と関わりの深い弊社ゆえの強みと言えるでしょう。
味わいは甘ずっぱくて、本当にいちごの味がするジュースとなっています。年間を通して販売しているので、いちごが出回らない時期にはサイダーを飲んで「いちごさん」の風味を楽しんでいただけるとうれしいですね。甘みを感じるため、春から初夏にかけて飲むと爽やかな気分になるのではないでしょうか。

「いちごさん」のロゴが描かれたボトル。すっきりとした酸味がありゴクゴク飲める。

―「いちごさん」の特徴について。

岩永　果肉の中まで真っ赤なのが「いちごさん」の大きな特徴です。内側を赤くした上で糖度を出すのは非常に難しいのですが、佐賀県が持つ技術を駆使して開発されました。ジュースに加工する際も、普通のいちごより赤みのある果汁が出せます。ブランドいちごとして大事に育てるため、開発初期は県の許可が下りた農家しか作れない品種でした。

―今後の展望もお聞かせいただけますか？

岩永　原油の高騰が経営に大きな課題を与えている中でも、設備などの充実を図っています。お客様に良質な製品を提供していくことを前提に、農家さんともつながりを深めていろいろな面でお役に立てればと思っています。数字面でも企業として成長しながら、事業と各分野が結び付いていくようにがんばっていきたいです。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「ミチルン」（330ml×12本入）
価格：¥2,800（税込・送料込）
店名：ジェイエイビバレッジ佐賀
電話：0954-62-5104（8:30～17:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/ja-beveragesaga/10000042/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/ja-beveragesaga/

「いちごさんサイダー」（410ml×24本）
価格：¥3,700（税込・送料込）
店名：ジェイエイビバレッジ佐賀
電話：0954-62-5104（8:30～17:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://item.rakuten.co.jp/ja-beveragesaga/10000043/
オンラインショップ：https://www.rakuten.co.jp/ja-beveragesaga/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
岩永 隆徳（株式会社ジェイエイビバレッジ佐賀 代表取締役社長）

1957年、佐賀県生まれ。1976年に当時の佐賀県園芸農業協同組合連合会へ入会。その後、2年にわたり東洋食品工業短期大学へ派遣。2015年に常務取締役、2016年に専務取締役を歴任し、2019年に株式会社ジェイエイビバレッジ佐賀の代表取締役社長に就任。

＜文・撮影／マスダアヤノ　MC／木村彩織　画像協力／ジェイエイビバレッジ佐賀＞