おせんべいやおかき、あられなどの米菓は、どんな世代にも愛される日本の伝統菓子です。今回、編集長アッキーが注目したのは、パッケージが美しく、国産米100%の多彩な米菓を詰め込んだ「花のル・コリ」と「味手筥(あじてばこ)」です。この2商品を開発した株式会社新潟味のれん本舗の代表取締役 浅川慎一氏に、商品の特徴やこだわり、地元に対する想いなどについて取材陣が伺いました。
お米の繊細な甘さ。国産米100%にこだわった米菓「花のル・コリ」と「味手筥」
2024/09/05
株式会社新潟味のれん本舗 代表取締役の浅川慎一氏
―御社は岩塚製菓株式会社のグループ会社ですか?
浅川 弊社は岩塚製菓株式会社のグループ会社として、1988年に設立されました。岩塚製菓の商品は赤い臼のマークが目印で、主に量販店などで販売されています。一方、グループ会社である当社と株式会社瑞花では贈答用の商品を中心に販売しています。当社は米菓の通信販売に特化しており、瑞花ブランドの商品は瑞花直営店や百貨店などの取扱店舗で販売されています。
―グループ会社を設立した経緯は?
浅川 全国の量販店向けの商品は量産がメインになっており、機械に頼る部分がどうしても多くなってしまいます。そのような商品だけでなく、少量でもより手をかけて手作りするという“ものづくり”の考え方もしっかり継承し、体現していこうという想いのもと、「新潟味のれん本舗」と「瑞花」というブランドが生まれました。
―原材料に対するこだわりを教えてください。
浅川 これはグループ全体に言えることですが、国産米100%にこだわって商品を製造しています。なぜなら、「原料よりもよいものはできない」という信念を持っているからです。一番はよい原料を使用すること。そして、よい原料を活かせるしっかりとした加工技術を身につけること。質の低い原料からはよいものはできない。加工技術だけ磨いてもよいものはできない。というのが創業者の教えであり、私たちのDNAとなっています。
米の名産地・新潟県の米菓メーカーとして、
創業から変わらず国産米100%の商品づくりを貫く。
―実際に、どんなお米を使用していますか?
浅川 玄米をふるいにかけて粒径1.7mm~2.0mm以上の米が飯米となります。加工業者が仕入れるお米はそれ以下の大きさの特定米穀と呼ばれるお米がほとんどですが、当社は特定米穀を使わず、国産米かつ飯米と同レベルの丸粒を原材料に使用することを心がけています。
お米の甘みを感じてもらえる商品づくりにこだわるからこそ、
原料はよいものを選んでいる。
―丸粒を選ぶ理由は?
浅川 お米は粒の中心ほど水分と良質なデンプンが集まっています。お米の甘みを最大限に引き出すためには、水分が整い、デンプン質がしっかりしている丸粒が一番です。胡椒などのホールスパイスもそうですが、挽いた瞬間が最も香りが高いため、弊社も米粉を仕入れるのではなく、丸粒のお米を生産工程の中で製粉しています。
―商品を製造する上で気をつけている点とは?
浅川 米菓の最大の特徴は、ぱりぱり、ぼりぼり、さくさくなど、いろいろな食感を楽しめる点です。仕上げたい食感に合わせて米粉の粒度や水分調整、焼き方などを変えるのですが、お米は農産物であるため、産地やその年によって多少性質が異なります。その時のお米に合わせて装置の設定を微調整したり、お米を浸漬する時間を変えたりするなど、常にお米と向き合っています。
お米の状態を見極めながら、その時々に適した方法で商品を製造している。
―「花のル・コリ」の特徴を教えてください。
浅川 「花のル・コリ」はパッケージに季節の花々を散りばめた商品です。パッケージデザインはフラワーアーティストの川崎景太氏に依頼し、春夏秋冬でパッケージに採用する花を変えています。季節は毎年巡りますが、季節にふさわしい花の選定や組み合わせ、花々の配置などを工夫し、常に新鮮なパッケージデザインとなるように心がけています。
「花のル・コリ」は発売から20年ほどのロングセラー商品。
ギフトにぴったりの華やかなパッケージが魅力。
浅川 詰め合わせの中身は当社の人気の品をベースに、季節ごとに一部違った味わいを加えています。お客様からも「次はどんなデザインでどんな味が入っているのだろう」というご期待をいただいており、私どももお客様と一緒にこの商品を作っていると感じています。
―続いて、「味手筥(あじてばこ)」の特徴は?
浅川 「味手筥」は1997年に発売した商品で、こちらもお客様に長く愛されています。詰め合わせの中身は「壱の筥」と「弐の筥」の2パックに分かれており、各7種類ずつ合わせて14種類の味わいが楽しめます。通年変わらぬ商品ですが、壱の筥には桜型の「花えびあられ」、星形の「七味醤油」、弐の筥にはもみじ型の「もみじ醤油」、雪をイメージした「ナッツ砂糖がけ」が入っており、1箱に春夏秋冬を散りばめています。ナッツの砂糖がけは箸休め的な存在ですが、お客様の中にもとてもファンが多いです。
多彩な味わいをひと口サイズで楽しめる。
個包装のため、お裾分けにもぴったり。
―「味手筥」のパッケージも素敵!
浅川 「墨流し」という伝統的な染色技法を用いたパッケージを採用しています。新潟県長岡市在住の墨流し作家の恭平氏に依頼して、2023年の冬からこのパッケージにリニューアルしたのですが、大変好評で売上が150%アップしました。春夏秋冬で包装紙のデザインを変え、新潟の四季を「墨流し」で表現いただいています。
「墨流し」により季節に合わせてデザインを変更。
見た目の美しさも選ばれるポイントに。
―地元のアーティストにパッケージを依頼した想いとは?
浅川 当社は新潟県長岡市で長年商売をさせていただいています。お米の話もそうですが、まずは地元で共感し合いながらものづくりに取り組んでいくことが大切で、地元で理解されないものは全国でも通用しないと考えています。私自身が地元で頑張っていらっしゃる方と一緒に私たちも頑張っていきたいという想いを強く持っており、岩塚製菓グループ全体の経営理念にも合致していると思います。
新潟県長岡市へ移住して制作活動を行なっている墨流し作家の恭平氏。
―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
浅川 原料であるお米がないと、私たちの事業は成り立ちません。そのため、長岡市や大学、JAなどと米作農家さんを支えていけるような協力体制を築き、さまざまな活動を進めています。例えば、以前は産廃物であった洗米水の栄養素に着目し、田んぼの地力を上げるために肥料として活用する取り組みを行なっています。この秋には、洗米水を活用した田んぼで収穫したお米の販売もさせていただく予定です。
農家の方を取り巻く課題は多く、次の世代の担い手も減る一方です。このような現状は社会問題であり、弊社としては農家さんと目線を合わせながら活動を続け、農家さんが抱える問題の解決に努めたいと考えています。
―貴重なお話をありがとうございました!
「花のル・コリ~輝夏~」(箱サイズ 縦24×横25×高さ12cm、2種類×3パック)
価格:¥2,808(税込)
店名:【公式】新潟味のれん本舗
電話:0120-585-383(9:00~17:30 日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ajinoren.co.jp/shop/g/g7421/
オンラインショップ:https://www.ajinoren.co.jp/shop/
「味手筥」(専用化粧箱 8袋【壱の筥4袋・弍の筥4袋】~32袋【壱の筥16袋・弍の筥16袋】)
価格:¥1,350~4,968(税込)
店名:【公式】新潟味のれん本舗
電話:0120-585-383(9:00~17:30 日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ajinoren.co.jp/shop/pages/ajitebako_brand.aspx
オンラインショップ:https://www.ajinoren.co.jp/shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
浅川慎一(株式会社新潟味のれん本舗 代表取締役)
1971年山梨県生まれ。大学卒業後、岩塚製菓株式会社に入社。営業、製造、マーケティング(商品開発)部門とさまざまな部署で経験を積み、2023年に新潟味のれん本舗の代表取締役に就任。
<文/ウツギナオコ MC/三好彩子 画像協力/新潟味のれん本舗>