中国・四川省の味を直輸入！シビ辛な花椒が香る本格調味料「陳麻婆豆腐」

2024/09/05

日本でも広く親しまれている中国料理の「麻婆豆腐」。家庭で気軽に作れる調味料は多数ありますが、より本場の味に近いものをお探しの方もいるのではないでしょうか。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは中国・四川省で製造されている麻婆豆腐の素「陳麻婆豆腐」。輸入しているのは東京・上北沢にある食品卸会社です。商品の魅力について、株式会社ヤマムロ代表取締役社長の山室勝氏に取材陣がお話をうかがいました。

株式会社ヤマムロ代表取締役社長の山室勝氏

―会社の沿革と社長のご経歴をうかがえますか。

山室　私の祖父が商店を開き、お酒・食料品・雑貨などを販売したのが弊社の始まりです。創業したのは1923年（大正12年）、関東大震災が起きた約2カ月後ということで、祖父はエネルギーの塊のような人だったと思います。世田谷に酒類商業組合を設立し、初代組合長にもなりました。1945年には戦禍で焼失した倉庫を2代目が再建し、新たにビルを建てました。父も祖父と同じくエネルギーにあふれた人だったといえます。
1976年に「山室商店」から「株式会社ヤマムロ」に社名を変更しました。大手食品メーカー様の特約店となってからは「食料品の卸問屋」という部分が商売の太い幹となっています。私はもともと家業を継ぐ予定はありませんでしたが、兄からの声かけを機に前職を退き、2014年にヤマムロへ入社した次第です。

―企業として大切にしていることは？

山室　1998年から販売を開始した「陳麻婆豆腐」は、熱烈なファンの方々に支持されている商品の一つです。激辛が特徴なので発売当初はなかなか売れず、厳しい時期があったものの、私の兄である3代目は商品の取り扱いを諦めませんでした。バックアップしていただいた企業様や社員たちによる支えがあったことはもちろん、「成功するまで諦めない」という精神が企業の今に繋がっていると思います。

―「陳麻婆豆腐」について。輸入の経緯を教えてください。

山室　2代目と3代目がお取引先企業の方と中国を視察し、四川の麻婆豆腐に出会いました。「陳麻婆豆腐」は、四川省成都市にある有名レストランの味を再現した麻婆豆腐の素です。食品が作られる場所や工程、製造者をはじめ、食事を楽しむ現地の人々の様子も見た上で輸入をスタートしました。

―味わいやこだわりポイントも気になります。

山室　しびれる辛さが特徴なので、現地の花椒や豆板醤といった原料にこだわっています。四川省発祥のピーシェン豆板醤は、そら豆や唐辛子を使った発酵調味料で、高級名産品として知られています。別添えの花椒粉は、お好みに合わせてふりかけてください。日本の山椒と異なる中国の赤山椒は、舌がしびれるような辛さと豊かな香りがあります。レストランの味をなるべく再現するために、現地の工場長は料理人が務めています。機械ではなく人の手で炒めるなど、手作りの工程が多いことも特徴です。

1袋で3～4人前が作れる麻婆豆腐の素。
同封の香り高い花椒粉もうれしい。

―販売にあたって困難はありましたか？

山室　本場の味なので「辛すぎて食べられない」という声が届いたこともあります。日本の味覚に合わせてみてはという話もありましたが、2代目は「誰でも好きな味では大手メーカーの商品と変わらない」と妥協しませんでした。高級ラインのスーパーマーケットや輸入食品店で徐々に人気が出て、全国的に広がるきっかけとなったのが2017年放送のテレビ番組「マツコの知らない世界」でした。麻婆豆腐特集で弊社の「陳麻婆豆腐」が1位となり、放送後はしばらく欠品してしまうほど反響がありました。

―おすすめの食べ方を教えてください。

山室　豆腐を炒める前に湯煎しておくのが麻婆豆腐をおいしく作るコツです。茹でた豆腐は型崩れしにくく、食感もぷるんとします。麻婆茄子や麻婆春雨はもちろん、私は牡蠣を入れて楽しむこともあります。炒めたホルモンやレバーに調味料を加えれば、お酒にも合うおつまみが作れますよ。長ネギだけでなくキャベツやもやしなど、ありあわせの野菜でもおいしく作れるのでレシピにこだわる必要はありません。辛いものやしびれ好きな方に、自由に楽しんでいただければと思います。

調味料を入れるだけで味が決まり、
強いしびれと奥深い味わいを楽しめる。

―その他のおすすめ商品はありますか？

山室　汁のない鍋料理の素「麻辣香鍋」もおすすめです。「四川風野菜炒め」のイメージで、今まで日本ではあまり食べられてこなかった味と香りを楽しめます。「陳麻婆豆腐」と同じく材料のアレンジがきく商品なので、火鍋ブームに続きこれから流行るのではないかと予想しています。

新たな食を開拓できる「麻辣香鍋」。
「鍋」とあっても汁のない炒め料理。

―今後の展望についてお聞かせください。

山室　おかげさまで2023年11月に創業100周年を迎えました。今後も従業員とそのご家族を何よりも大事に「会社」という一つの組織を作っていき、従業員の皆さんが「勤めていてよかった」と思える会社にすることが目標です。上り坂や下り坂がある中で、日々の一歩一歩を大事にしていきたいですね。みんなで協力しつつ、お世話になっているお取引先様や一般のお客様のお役に立てる会社にしていこうと思います。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。