今回、編集長アッキーが気になったのは、焼き菓子の王道、プティフールセックです。フランスの伝統的なパティスリーを意識し、店舗ではケーキや焼き菓子だけでなく、パンやジェラートなども販売している千葉県で人気の「les temps plus（レタンプリュス）」に注目。これまでのあゆみや人気のお菓子について、運営会社である株式会社パスレル、代表取締役の熊谷治久氏に、取材陣が話を伺いました。

株式会社パスレル 代表取締役の熊谷治久氏

―2012年に開業。これまでの歩みを教えてください。

熊谷　弊社は、2012年に「les temps plus（レタンプリュス）」という名前で店舗をスタートしました。2015年の7月に法人化したのをきっかけに、株式会社パスレルになっています。
当初は、千葉県にある流山おおたかの森駅から徒歩4分ほどの場所にお店を構えていました。ただ、少し手狭になったり、駐車場の問題が生じたりしたので、駅から少し離れた場所に本店を移しました。
現在はおおたかの森本店のほかにも、柏高島屋店とタカシマヤフードメゾンおおたかの森店を運営中です。

―開業はいつから考えていましたか？

熊谷　私がケーキの職人を志した高校3年生ぐらいのときから、「最終的には自分のお店を持ちたい」と思っていました。
この業界の職人は20代でいろいろな技術を身に付けて、30代でシェフになったり、役職に就いたりすることが一般的です。私も専門学校を卒業した後に、国内やフランスのお店などで14年ほど修業後、開業に至りました。

千葉県流山市にある「おおたかの森本店」。
近隣の方をはじめ、東京方面からも多くのお客様が訪れている。

―お店のコンセプトは？

熊谷　古き良き時代のパティスリーを再現することです。「パティスリー」は、日本語で表すと「洋菓子店」ですが、本来はお菓子やケーキだけでなくもっといろいろなジャンルのものを取り揃えているお店のことを指します。
フランスでのパティシエの仕事は幅広く、パンやジャム、チョコレート、アイスクリームなどを作るほか、パーティーのケータリングもします。そういった背景があることから、弊社ではいろいろなジャンルの商品を取り揃えるようにしました。

―特に人気の商品を教えてください。

熊谷　焼き菓子ですと、最近は「ガトー・ピレネー」が店舗でもオンラインショップでも人気です。バームクーヘンの原型と言われてるお菓子なのですが、バームクーヘンよりもしっかりとした食感になっています。

レタンプリュスで人気の高い「ガトー・ピレネー」。
発酵バターの芳醇な香りと風味を味わえる。

熊谷　ケーキの中で人気なのは、ブラックベリーとショコラの魅惑的なマリアージュを実現した「カンテサンス」です。薫り高いイタリア・ドモリ社のショコラを使用した濃厚でなめらかなムースショコラに甘酸っぱいブラックベリーのソース。底にはカカオニブを混ぜたシュトロイゼルを忍ばせ、サクサクの食感が楽しめます。

「カンテサンス」1個702円（税込）。店頭受け取りのみ。

ホールも店頭受け取りのみ。事前に予約が必要。4号(12cm) ¥3,564（税込）～

―オンラインでの販売は、いつから？

熊谷　2016年頃からです。オンラインショップを立ち上げた理由は、クリスマスケーキの受注を円滑に進めるためでした。
以前は、営業時間中に電話で注文を受けていたのですが、オンラインにすることで決済ミスを減らし、いつでも注文してもらえるようにしたかったんです。そのため、焼き菓子の地方発送を始めたのはもっと後からでした。

―オンラインショップで評判のもう一つの商品を教えてください。

熊谷　「Petits four secs～プティフールセック～」という、8種類のクッキーの詰め合わせをご紹介します。フランス語で、プティフールは一口大のお菓子、セックは乾いた、という意味です。
フランスのパティシエが行うケータリングで、プティフールが振る舞われることからアイデアを得て作った当店自慢のクッキーの詰め合わせです。ここに使用しているアーモンドとヘーゼルナッツは生の状態で仕入れ、ローストした後に自店で焼いています。各種類で食感や味わいを変え、いろいろな形にした点もこだわったポイントです。

熊谷社長の一押しは、ピスタチオに見立てたアーモンドがついている「コルネ」。
キャラメルの苦味とナッツの香ばしさが口の中に広がる一品。

―お客様の反応で、うれしかったことは？

熊谷　贈り物として受け取ったお客様が、「おいしかったから」とご自身で注文してくださることが多々あります。そういった動機で買っていただけるのは、とてもうれしいです。

―最後に、今後の展望を教えてください。

熊谷　チョコレートを自社で作りたいなと考えています。単に仕入れたチョコレートを加工するのではなく、カカオ豆を加工するところから始めて、商品を作ろうと。レタンプリュスとは別で新しいブランドを立ち上げて、チョコレート専門店にする予定です。
チャレンジしようと思ったのは、フランスでの修行がきっかけです。そこで2件のチョコレート屋さんに勤めましたが、マイスターの称号をもらっているような職人でも、カカオ豆の加工から行っている人はいませんでした。
ただ、チョコレート自体から作れば、商品作りの可能性がより広がるなと思ったんです。別ブランドではありますが、レタンプリュスにもいい影響を与えられるはずなので、チャレンジすることにしました。現在、実現に向けていろいろと動いている真っ最中です。

―素敵なお話をありがとうございました！

「Gateau Pyrenees ガトー・ピレネー」
価格：¥3,996（税込）
店名：レタンプリュス オンラインショップ
電話：04-7168-0960（10:00～18:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://shop.cake-cake.net/lestempsplus/select_item.phtml?CATE3_ID=97
オンラインショップ：https://shop.cake-cake.net/lestempsplus/index.phtml

「Petits four secs～プティフールセック～」（8種入り）
価格：¥4,860（税込）
店名：レタンプリュス オンラインショップ
電話：04-7168-0960（10:00～18:00）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://shop.cake-cake.net/lestempsplus/select_item.phtml?CATE3_ID=2
オンラインショップ：https://shop.cake-cake.net/lestempsplus/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
熊谷治久（株式会社パスレル 代表取締役）

1979年生まれ。千葉県出身。武蔵野調理師専門学校卒業後、「グルメ洋菓子店」で3年、「パティスリードゥ シェフ フジウ」で4年半、「オーボンヴュータン」で3年半の修行経験を積む。その後1年間渡仏。ロレーヌ地方にある「フランクケストナー」、パリにある「パトリックロジェ」にて経験を積み帰国した。
帰国後、再び「オーボンヴュータン」にて河田勝彦氏の右腕として2年半勤め、2012年に流山おおたかの森に「レタンプリュスおおたかのもり東口店」、2015年10月に「柏髙島屋店」をオープン。2019年に本店を移転オープンした。

＜文／奥山りか　MC／橋本小波　画像協力／パスレル＞