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プロの目利きが選んだ天然生まぐろ!「Petalo di mare~もちもちまぐろの生ハムセット」

2024/10/23

編集長アッキーが気になったのは、天然まぐろの生ハム。プロが目利きした天然の生まぐろを独自の手法で加工し、まぐろの生ハムを作っているんだそう。今回はまぐろの漁法や天然の生まぐろの魅力、まぐろの生ハムを開発した背景について、紀州勝浦港でまぐろ専門の仲卸業を営んでいる木下水産物株式会社の代表取締役の木下勝之氏に取材陣が伺いました。

木下水産物株式会社 代表取締役の木下勝之氏
木下水産物株式会社 代表取締役の木下勝之氏

―御社の沿革を教えてください。

木下 弊社は、私の曽祖父が1912年に創業しました。当時のことが分かる資料はなく、正確なことは言えませんが、おそらく曽祖父は明治の終わり頃から商売をしていたと思います。
その頃はまだ仲卸業という現在のような制度はなかったかもしれませんが、紀州勝浦港で上がったまぐろや一般鮮魚を買い、地元で販売したのが始まりです。

商売が軌道に乗り始めたのは、まぐろ漁の副産物として水揚げされるサメを使って、フカヒレ加工などを行ってからだと聞いています。

―水産物の漁法はいろいろあるそうですね。

木下 大きく分けると3つあります。1つ目は「まき網」などの網でまぐろを獲る漁法、2つ目はまぐろと人が1対1でやり取りをする「釣り」と言われる漁法、そして3つ目は江戸時代に日本で考案された、長いロープにエサをつけて釣り上げる「はえ縄」という漁法です。まぐろ漁ははえ縄漁法が主流で、勝浦港で行っているものです。

また、まぐろは一般的には1〜2年ほどかけて行う遠洋漁業をイメージされる方が多いと思いますが、それは水揚げされて船内で凍らせる「遠洋まぐろはえ縄漁」で漁獲された冷凍まぐろなんです。ここ勝浦港に水揚げされるのは一度も冷凍されていない希少な生のまぐろで、1週間~1ヶ月ほどで漁から帰ってきます。

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はえ縄で水揚げされるまぐろ。

―はえ縄では、たくさんまぐろが水揚げされるのでしょうか。

木下 はえ縄の長いロープから分かれた枝縄には何百ものエサがついています。しかし、魚種にもよりますが、少ないと5~10本、多くても50〜100本ほどしかかかりません。そのため、非常に効率の悪い漁法と言えます。ただ、逆に言うと自然に優しい漁法だとも言えます。

―漁法によって、風味や身質に変化は?

木下 変化はあります。まぐろ本来の風味や身質を味合うためには大切な3つポイントがあります。それは漁の際にできるだけまぐろを暴れさせないこと、また水揚げ後は直ぐに締めること、そして放置せず直ぐに冷やし込み保管することです。

まぐろ漁の際にまぐろが暴れて体温が急上昇すると、風味や身質に変化が起こります。また、冷やし込みが遅れて温度が高い状態が続くと、身の細胞が壊れドリップ(身から出る液体)が増えて、水っぽくなってしまい旨味が流れ出してしまうのです。

漁獲してからの処理や時間の経過などが風味や身質の劣化に繋がる原因になるので、漁の際にその要素をいかに減らすかが重要です。はえ縄は、その大切な3つのポイントを唯一クリアできる漁法になっています。

―冷凍まぐろと生まぐろ、味の違いは?

木下 冷凍まぐろは解凍するとドリップが多く水っぽさがあるものが多いですが、一度も凍らせていない生まぐろは、ドリップが少ない分本来の旨味が味わえます。また、天然と養殖とでは、毎日まぐろが食べているエサが違うので、天然の方が自然と臭みが少なくなっています。

飲食店やスーパーにあるまぐろは、養殖や冷凍まぐろを解凍したものが多く、実際は天然の生まぐろを味わったことがない方も多いと思います。解凍まぐろも生まぐろもお皿の上だとなかなか区別がつきませんよね。皆さんにぜひ、国産の天然の生まぐろの味を体験してみてほしいです。

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木下水産物株式会社の加工工場の脇に設けられたセルフ直売所。

―主にtoBの事業を行われる御社が、toC事業も始めた理由は?

木下 卸売をやっていると、私たちが買ったまぐろをお客様に喜んで食べていただけているのかが全く想像できません。そのため、お客様に提供して「おいしかったよ」と言っていただいたり、ときにはお叱りを受けたりと、そのようなやり取りをお客様としていきたいなと考え、toCの事業も始めました。

―どのような取り組みを?

木下 最初に始めたのは、セルフ直売所です。当時はまぐろの中落ちをパックで販売していました。また、10年ほど前からは、ECサイトの運営も始めています。今回ご紹介する「Petalo di mare~もちもちまぐろの生ハムセット~(オリジナルソース付き)」は、ECサイトを立ち上げた頃に開発した商品です。

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解凍はパックのまま流水で。すぐ溶けるので使いやすい。
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まぐろはプレーンとハーブの2種類。もっちりした食感で、まぐろの甘みがしっかりと感じられる。

―開発のきっかけを教えてください。

木下 肉の加工や販売を行っている会社の社長さんをはじめ、いろいろな方とお会いしたことがきっかけです。また、インターネットで調べていると、まぐろの水分量を調整すると身質が変わることが分かりました。そこで、地元の商工会で紹介された高等専門学校の先生に手伝っていただきながら、水分量を調整する方法を開発しました。肉業界の方々からヒントを得て、いろいろな人と繋がれたからこそ、まぐろの生ハムの商品化に至りました。

―付属のソースもすべて和歌山県産のもので。

木下 おっしゃる通りです。付属のソースは、古座川産のゆずがアクセントのチーズソース、勝浦産醤油と有田産山椒のマヨネーズソース、北山村のじゃばらのを使用したビネグレットソースの3つです。

ソースを付けたきっかけは、プレミア和歌山(和歌山県優良県産品推奨制度)に採用してもらうためでした。「せっかくなら和歌山県産のもので」と思い、当時、南紀白浜にあるレストランでシェフをしていた方の指導を受けながらソースを開発しました。

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3種類のソース付き。アレンジ次第でいろいろな食べ方を楽しめる。

―おすすめの食べ方は?

木下 好みは人それぞれなので、お好みの食べ方でお楽しみいただければいいなと思っています。私は、本商品、クリームチーズ、レタスをバケットに挟み、バジルソースを少しかけて食べています。お酒のアテとしても、そうでなくてもおいしくお召し上がりいただける商品です。

―今後、開発したい商品は?

木下 将来的には、「勝浦と言えばこの商品」と言われるようなものを作っていきたいなと思っています。それを全国に広げられるとうれしいです。

まぐろの刺身は特別なものというイメージを持っている方も多いと思いますが、ツナ缶は皆さんの身近にあって、大ヒット商品にもなっています。世代を問わず受け入れられている商品なので、私もそういった存在になれる新しいまぐろの商品を作っていきたいです。

―まぐろの魅力がよく分かりました。お話ありがとうございます!

Petalo di mare~もちもちまぐろの生ハムセット~(オリジナルソース付き)

「Petalo di mare~もちもちまぐろの生ハムセット~(オリジナルソース付き)」(もちもちまぐろの生ハム スライス(プレーン)30g×3パック、もちもちまぐろの生ハム スライス(ハーブ)30g×2パック、 オリジナルソース3種(和歌山県産柚子を100%使用した 柚子チーズソース 30g・和歌山県産じゃばらを100%使用したじゃばらソース 30ml・和歌山県産山椒と和歌山県産本醸造丸大豆醤油使用のマヨネーズソース 30g)
価格:¥7,560(税込)
店名:木下水産物株式会社
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kinoshita-tuna.com/?pid=113704670
オンラインショップ:https://www.kinoshita-tuna.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
木下勝之(木下水産物株式会社 代表取締役)

和歌山県那智勝浦町出身。日本大学農獣医学部水産学科卒業後、東京築地(現豊洲)の大卸東都水産株(株)と仲卸の(株)山二でまぐろ修行の後、実家である勝浦港の木下水産物(株)に入社。1991年に同社代表取締役就任、2016年に勝浦魚商組合組合長就任、2018年に那智勝浦冷蔵代表取締役就任した。

<文・撮影/奥山りか MC/三好彩子 画像協力/木下水産物>

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