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ふんわりスポンジの中からカスタードがとろん!鹿児島のおしゃれな銘菓「かすたどん」

2024/10/24

今回編集長アッキーが注目したのは、鹿児島県産の卵を使ったトロトロ濃厚カスタードクリームを、軽い食感のふんわりスポンジで包み仕上げた蒸し菓子「かすたどん」。ソフトな口当たりで中からとろりとしたカスタードが口に広がり、ちいさな子どもからお年寄りまで楽しめる優しい風味が特徴です。自然豊かな鹿児島の素材を活かして、「かすたどん」をはじめさまざまなお菓子を作り続ける薩摩蒸氣屋の取締役 統括部長 山口寛弘氏にお話をうかがいました。

―薩摩蒸氣屋について教えていただけますか?

山口 薩摩蒸氣屋は私の祖父が立ち上げた会社で、私の父が現在の社長です。薩摩蒸氣屋という屋号になる前からお菓子屋をしていたのですが、1988年6月16日(和菓子の日)に鹿児島一の中心繁華街である天文館で薩摩蒸氣屋として1号店をオープンしました。

現在は宮崎や福岡などにも出店し、23店舗を展開しています。祖父は職人気質、昔かたぎの人物で、頑固なところはありますが、全部自分でやろうとする姿勢があり、自分で決めたことは自分でやる、筋の通った人でした。

私は父が働いていたこともあり、天文館の店舗に出入りしてお菓子作りに携わりながら成長してきました。幼い頃からスポーツをするなど活発で、小学校ではサッカー、中高ではテニスに打ち込み、学生時代から家業を継ごうと思い、お菓子を作る過程を見たり自社製品を食べたりしていました。現在は各地の店舗に足を運んでお客様からご意見を伺ったり、商品の陳列やパッケージ、製造関連の改善などを行なっています。

私自身はお客様や社員を大切にしていきたいと考えています。お客様により良い商品を買っていただきたいので、受け継いできた味や品質を落とさず、妥協せず、時代に合った商品を開発していきたいと思っています。

当社の商品の魅力は、お菓子の種類が多く手に取っていただきやすい価格帯なので、地元の方に日用品としてもお土産としても親しんでいただいているところです。当社の紙袋は創業当初からデザインが変わっていないのですが、黒地に赤い文字で社名が印刷された印象的なデザインです。現在では黒い紙袋を採用している会社も多いですが当時は珍しく、人々の目をひく色合いとなっています。ですから、地元の方から「どこどこで見たよ」「お土産に持っていったよ」など声をかけていただくことも多く、地域に密着して営業させていただいているなと感じています。

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片手で持って食べられるサイズで食べやすい。

―「かすたどん」開発のエピソードについて教えてください。

山口 「かすたどん」は創業当初から販売しているお菓子です。鹿児島には自然薯(じねんじょ)を使った蒸し菓子「かるかん」という銘菓が昔からあるのですが、それにちなんで当社でも蒸し菓子を作ろうという流れから開発が始まりました。若い方にも喜んで食べていただけるような味を取り入れようということで、カスタードクリームが採用されたのではないかと思います。

ちなみに、「かるかん」は当社でも製造・販売しています。薩摩藩に江戸時代からあるとされる銘菓です。

「かすたどん」の外側はスポンジ生地で、中にはカスタードクリームが入っています。創業当初の1988年、あたたかい蒸し菓子の中に冷たいカスタードクリームを入れるというアイデアは斬新だったのではないかと思います。鹿児島県産の卵を使うなど、素材にも気を使っています。

当時は機械や技術が今より発達していなかったので、今では一本化しているさまざまな工程を別々の機械で行っていました。「かすたどん」を作るには、生地を作ってクリームを作って、あたたかいものを冷やして、生地の中にクリームを入れて、といった数多くの工程が必要です。当時の職人は、温度や気候などによって変動する生地の固さや素材の状態にあわせて進めていく必要があり、苦労して作っていたと思います。

現在では1日に3万〜4万個、繁忙期にはその倍近い数量を生産しています。雨や湿気など天候によって生地の状態がどのように変動するかしっかりチェックしながら、平均化できるように職人が努力しています。

―「かすたどん」の名前の由来は?

山口 カスタードに「殿」の鹿児島弁である「どん」を組み合わせています。鹿児島の有名人といえば西郷隆盛ですが、愛称の「西郷どん」で地元の方に親しまれているので、それにちなんで人々に親しまれるように名付けたのかなと思います。当社では、「かすたどん」「西郷どん」「どらどん」と、「どん」が名前に付く3つの商品「3どん」をメインで販売させていただいています。

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冷凍すればアイスのように楽しめます。

―地元の方々はどのように「かすたどん」を楽しまれていますか?

山口 普通にお菓子として食べるのもおいしいと言っていただいていますが、冷蔵庫で冷やしたり、冷凍庫で凍らせてアイスのような感じで食べたりするのも人気です。

地元の方々には凍らせて食べるとおいしいというのは周知の事実になっていて、アイス代わりに食べる方も多いようです。「かすたどん」は1個130円という価格で販売していて、店舗では、その他にも1個100円など、さまざまなお菓子を販売しているので、高校生たちが部活帰りに1つずつ買っていくことも多いです。週末には集まりに持っていくためにまとめて買っていかれる方もいらっしゃいます。

鹿児島県は屋久島などの観光資源が豊富で、マラソンなどのイベントが開催されたり、中国やアメリカなどから来る大きなクルーズ船が立ち寄ったりなど、観光客の方が増えています。もともとは地元の方に日用のお菓子やお土産として買っていただくことが多かったのですが、現在は海外や県外のお客様にも買っていただいています。

ただ、かるかんについては店頭でも数量限定で販売しており、ネットで販売する分はほとんどないのが現状です。原材料に自然薯を使っているのですが、近年自然薯の確保が難しくなってしまっていて、なかなか生産が追いついていません。自然薯は山の幸なので生産量をコントロールすることができないのですが、味の品質を落としたくはないので、原材料が用意できる分のみの販売とさせていただいています。

―今後の展望は?

山口 今後もさまざまな新しいお菓子を開発し続けていきます。現在当社では約200種類ほどのお菓子を製作しているのですが、初代社長はなんでも無駄にしない人で、料理でも素材の切れ端などを無駄にせず、新しい商品を作っていこうとする人でした。その結果たくさんの種類のお菓子が誕生してきたという流れがあります。その精神を受け継ぎ、今後も新しい商品をどんどん出していきたいと思っています。

新商品を作る際には、お客様のニーズに合ったものや鹿児島の特色や特産品を活かした商品を開発しています。今後も、良い原材料が入ればそれを活かしたお菓子を作っていきます。原材料の価格高騰などさまざまな状況の変化がありますが、品質を落とさずに商品を作り続けていけるよう、子どもからご高齢の方まで、さまざまな方に楽しんでいただけるよう、努力してまいります。

ネット販売で召し上がっていただくのももちろんですが、ぜひ鹿児島に来て「かすたどん」を食べていただければと思います!

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電子レンジでほんの少し温めればカスタードクリームがとろけます。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

かすたどん

「かすたどん」(6個入り、10個入り、12個入り、16個入り、24個入り、32個入り)
価格:¥930~4,510(税込)
店名:薩摩蒸氣屋
電話:0120-641-083 または 099-238-6100(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://jokiya.com/item-list?categoryId=37502
オンラインショップ:https://jokiya.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山口寛弘(有限会社薩摩蒸氣屋 取締役 統括部長)

1988年鹿児島県生まれ。パッケージ関連会社に入社し、7年間の修業期間を経て、2023年に有限会社薩摩蒸氣屋に入社。主に製造管理と営業に従事。

<文・撮影/藤原志帆 MC/矢口優衣>

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