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食塩代わりや隠し味にもプロからも支持される琥珀色の「白しょうゆ」

2024/10/23

今回、編集長アッキーが気になったのは、創業194年の老舗「キノエネ醤油」。キノエネ醬油株式会社 代表取締役社長の山下博之氏に商品の魅力について取材陣がうかがいました。

キノエネ醬油株式会社 代表取締役社長 山下博之氏
キノエネ醬油株式会社 代表取締役社長の山下博之氏

―社長は何代目にあたりますでしょうか。

山下 醤油造像業として創業が1830年、今年で193年で、私は8人目の社長となります。会社組織になってからは来年で90年です。父が祖父よりも先に他界し、祖父も私が4歳のときに他界しました。母が社長として頑張ってきましたので、小さい頃からいずれは自分が跡を継がなければならないという覚悟を持って生きてきました。母が会長となり、私が社長になったのは37歳のときです。

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「白しょうゆ」は奥行き深い味わいで料理のレパートリーが広がります。

―社名の由来を教えてください。

山下 陰陽五行の思想である十干十二支のうち、一番最初が甲子(キノエネ)です。そこからつけたと聞いています。

―創業当時から守り続けている考え方やモットーはございますか。

山下 社訓としてあるのが、常に誠実を旨としよう。常に責任感を持とう。常に具体的行動・目標を持とう、です。それをずっと受け継いでいます。

―業務用がメインだった事業から家庭向け商品を製造するようになったきっかけを教えてください。

山下 もともと企業のPB商品などOEMを請け負ったり、業務用の商品を提供したりしてきましたが、コロナ禍で業務用の商品の売上が急減しました。以前から新商品を発売しなければいけないと考えていましたが、コロナ禍で外食が少なくなり、多くの人がおうちごはんにシフトして、当社の商品をどうやったらご家庭に浸透させることができるかが課題でした。そこでECサイト向けの商品をいくつか出しました。業務用が強いというイメージから脱却し、家庭用の商品も出していることを打ち出すために、容器をシリーズとして統一し、ラベルを変えるなどリブランディングをはかりました。
家庭用商品は安いものが売れるのは確かですが、高くてもいい商品だからと買ってもらえる、価値がわかるお客様に届けたいという思いがあります。ECだけでなく、直売所もスタートし、お客様とじかに交流できる機会も作りました。

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「白しょうゆ」を使えば野菜の色も鮮やかなまま。
あっさり上品な味わいに。

―今回ご紹介する「白しょうゆ」の特徴を教えてください。

山下 大阪のほうのお客さんから「白しょうゆを作ってほしい」と言われて作り始めたのが、1955年頃です。今では生産量は当社が全国一になりました。
もともと白しょうゆは中部地方、特に愛知県でおもに使われていたものです。関東のしょうゆは濃口で、大豆が半分、小麦が半分で塩分が16%ぐらい。関西の薄口しょうゆは、大豆が3割、小麦が7割で塩分が17%ぐらいです。たまり醤油は大豆が9割、小麦が1割で塩分濃度が16〜18%ぐらい。一方、白しょうゆは小麦が9割、大豆が1割で塩分濃度が17~18%の間ぐらいです。

小麦由来なので色が薄く、塩分濃度がちょっと高いのが特徴です。そのため濃口醤油や薄口醤油と同等な感覚で使うお醤油ではありません。
昔、「暮らしの手帖」という本に当店の白しょうゆが美味しいという評価をのせていただき、和食料理店で多く使われるようになりました。

―どういった料理に使われることが多いのでしょうか。

山下 素材の色を邪魔しないので、おすましや卵焼の中に入れるお醤油として使っていただくことが多いですが、甘じょっぱい味で大豆のパンチが少ないため、しっかり出汁を入れてあげて味のバランスを取っていただくのがポイントです。
塩ラーメンの隠し味としてもよく使われています。まろやかな塩味を出すことができ、ツンツンせず、甘みや旨味を感じられるからです。
塩代わりに使う場合は、塩大さじ1入れるところを白しょうゆ大さじ3にすると同じ塩味の効果がでます。使用する量を3倍にしてください。

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伊達巻も美しく仕上がります。
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オリーブオイルと合わせてマイルドなお新香に。

―お客様からはどういったお声がありますか。

山下 使った方からは「もう他の醤油は使えない」といった声も多く寄せられています。
商品の魅力は、味はもちろんですが、色が薄いことです。かなり薄い色なので黒くならないんです。たとえば、普通の醤油で漬けまぐろにすると、まぐろの色が黒ずみますが、白しょうゆだと赤く発色したままをキープできます。野菜の煮物なども黒くしたくないという人は白しょうゆを好まれます。

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醤油漬けにしても黒くなりません。
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白しょうゆでドレッシングを作り、お刺身と合わせても。

―この商品をどういう方に手にとっていただきたいですか。

山下 結構手間がかかる料理に使うことが多いため、自分で料理をされている方や、確立された味では満足できないプロのような方です。
一方、当社のめんつゆシリーズは煮物がこれ1本で作れるので、手軽に作りたい人や時短料理に向いています。

―最後に今後のビジョン、展望をお聞かせください。

山下 ずっと醤油屋を続けていかなければならないと思っています。いろんな商品を出していますが、基本にあるのは醤油で、醤油をベースに作っています。
時代に合わせた食べ方の変化にどこまでついていけるのかを考えながら、お客様と一緒に新しい商品を作っているところがあるので、これからもそのスタンスは変わりません。
まだ日本での知名度は低いですが、知名度があがって、使ってくださる人が多くなれば自然に世界にも出ていくのだと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。

白しょうゆ 350ml

「白しょうゆ 350ml」
価格:¥505(税込)
店名:キノエネ醤油
電話:047-125-4151(月~金曜日 09:00~12:00/13:00~16:00)
定休日:土曜・日曜・祝日休み
※インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kinoene-online.shop/view/item/000000000006?category_page_id=ct6
オンラインショップ:https://kinoene-online.shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山下博之(キノエネ醬油株式会社 代表取締役社長)

1970年千葉県野田市生まれ。1992年2月大学在籍中にキノエネ醬油株式会社へ入社。同社取締役物流部長、常務取締役を経て2007年2月代表取締役社長就任。2021年2月株式会社キノエネホールディングス代表取締役就任(兼任)。醤油業界各団体・地元団体の活動に注力している。野田商工会議所副会頭、千醤工業協同組合理事長、全国醤油工業協同組合監事、全国醤油醸造協議会幹事。

<文/垣内栄 MC/伊藤マヤ 画像協力/キノエネ醤油>

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