今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、「五感で楽しむモンブラン」を掲げ、名古屋でブームを巻き起こした新感覚モンブランのブランド「栗りん」。色鮮やかな紫芋のモンブランに大福を組み合わせた、お取り寄せ菓子にも注目です。株式会社Serge源’s 代表取締役副社長の髙橋守氏に、取材陣が伺いました。
贈って嬉しいちょっと贅沢モンブラン「芋千本」
2024/10/16
株式会社Serge源’s 代表取締役副社長の髙橋守氏
―2006年創業からの歩みをお聞かせください。
髙橋 名古屋で不動産やIT関連の事業をしていたオーナーが、地元に恩返しをとの気持ちで飲食業を始めました。2006年の焼肉店「黒毛和牛 Serge源’s」オープンに始まり、幅広い業態の飲食店を展開。現在は焼肉、牛タンしゃぶしゃぶ、創作料理、鮨、イタリアン、スイーツの店舗があります。
様々な業態のお店を手掛けているのは、オーナーの下に多くの人材が集ったからです。それぞれの得意ジャンルを生かした店づくりをした結果ですね。どのお店も、おもてなしの心を大切に、堅苦しくなく笑顔が生まれるホスピタリティを大切にしています。
―和栗モンブラン専門店「栗りん」について教えてください。
髙橋 実は、2011年にオープンした洋菓子店「パティスリー ゲンズ」のパティシエが退職したことで生まれたブランドなのです。本格的なケーキを提供するのが難しくなってしまったものの、スタッフの雇用と店舗を守らなくてはならない。若い社員からの提案で発想を転換し、高度な技術を要する本格的なケーキではなく、シンプルな工程で、できたてのおいしさを提供することにしたのです。
市場調査や全国的な流れを鑑みて、商品はモンブランに決定。商品のおいしさはさることながら、お客さまにいかに楽しんでいただくかというところにもこだわりました。注文を受けてから目の前でペーストを絞り、栗のスモークをまとわせるなど、五感で楽しむモンブランです。名古屋における絞りたてモンブランを楽しめる店の先駆けとなったと思います。
蓋を開けると栗のスモークがフワッと広がる
実店舗のメニュー「黄金モンブラン」。
―おいしさへのこだわりは?
髙橋 まず栗は、全国いろいろな産地の栗を試し、ある程度の量が確保でき、風味が強くて甘ったるさのないところで、熊本産球磨の栗を主として使うことにしました。モンブランの構成を決めるにあたっては、圧倒的に引き算でした。栗の風味を最大限に引き立てるため、モンブランペーストにはブランデーなど余計なものは一切加えず、サクサクのメレンゲと、ほとんど砂糖を使わない生クリームを組み合わせたシンプルなもの。ペーストは極細の口金で絞ります。そうすることで、重たくなりがちなペーストもフワフワの食感になるんですよね。
極細のモンブランペーストを目の前で絞って完成。
髙橋 2020年6月という、コロナ禍真っただ中のオープンで特に宣伝もしませんでしたが、お酒を伴わない昼間の業態だったこともあり、お陰様で行列のできる人気店となりました。お土産用の商品や、食べ歩きのできるモンブランソフト、栗だんごをラインナップしたことも良かったと思います。
食べ歩きとお土産商品は、国産の紫芋を使った「濃紫(こむらさき)モンブラン」や、モンブランペーストにほうじ茶を練り込んだ「ほうじ茶ペースト」のバリエーションも作りました。
極細に絞られた濃紫モンブランのペーストは、鮮やかな紫色。
―お取り寄せ商品誕生のきっかけは?
髙橋 お持ち帰り商品がベースです。ふんわりクリーミーな紫芋のクリームを包んだ求肥の上に、紫芋ペーストをたっぷり絞ってあります。おいしさはもちろん、取り分けやすさ、パッケージデザインや全体の高級感も大切にして、手土産にもしていただけるものにしました。お取り寄せ商品としては、型崩れを考慮して安定性を良くしました。
紫芋クリームを求肥で包んで
大福のように丸めてあるので取り分けやすい。
ところどころに紫芋の粒を感じる
ふんわり軽いクリームがぎっしり。
―おすすめのシーンや食べ方は?
髙橋 芋の風味をしっかり感じられる紫芋ペースト、求肥のモチモチ感、口の中で溶けていくクリーム、三位一体が生み出す味わいと余韻を楽しんでください。濃い目に入れた緑茶もいいですが、紅茶もよく合いますよ。ご自宅でのお茶時間にも、手土産にも喜ばれると思います。
ほどよい大きさながら食べ応えは十分。
―今後の展開は?
髙橋 現在、店内飲食ができる「栗りん」は全国に4店舗ありますが、店舗を増やすより、既存店のブラッシュアップを大切にしたいと思っています。他にない、うちらしいメニュー開発も進めていきたいですね。
―「Serge源’sらしさ」とは?
髙橋 まずは、食べる前から「おいしそう!」「食べてみたい!」と思っていただける見た目や仕掛けです。それから、最初の1口が何よりも大事だと考えているので、1口目のインパクトにもこだわっていきたいですね。甘さは控えめ、引き算なんですが、栗や芋という素材の味をしっかり感じられる1口目に全力投球です。例えば2023年の秋には、温かいモンブラン「濃香焼きモンブラン」が登場しました。お客様の目の前で、鉄板で仕上げる、ホクホク、アツアツのデザートです。
―Serge源‘sとしての展望は?
髙橋 若い社員も増えていますので、活躍の場を増やしたいと思っています。今ある業態ではやはり焼肉の人気が根強い。日本での出店は現在名古屋のみですが、今後は香港やシンガポールなど、海外進出も視野に入れています。日本の食文化を世界に発信するべく、もっと仲間を増やしながら事業展開をしていきたいと思っています。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「芋千本(濃紫)」(冷凍配送)
価格:¥2,500(税込)
店名:セルジュゲンズ公式通販サイト
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://sergegens.shop13.makeshop.jp/view/item/000000000002
オンラインショップ:http://sergegens.shop13.makeshop.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<取材・文・撮影/植松由紀子 画像協力/Serge源’s>