今回、編集長アッキーが特に気になったのは、類を見ないなめらかな口どけとチョコレートの味わいがたまらない「ショコラグラッセ」。株式会社PALMEが誇る、パティスリー「ラ・パルム・ドール」の看板商品です。食べる幸せを実感させてくれるこのスイーツの魅力を、総料理長であり代表取締役の後藤雅司氏に取材陣が伺いました。
口の中に広がる幸せ!冷凍・冷蔵・常温の3パターンで楽しめる「ショコラグラッセ」
2024/10/30
株式会社PALME 代表取締役の後藤雅司氏
―「ショコラグラッセ」の開発秘話を教えてください。
後藤 ショコラグラッセのような形のスイーツはいろいろなお店で提供されています。そこで弊社でも作ろうと企画したのがこの商品です。
このようなスイーツを作るには、一般的に小麦粉やココアパウダーなどの粉類が必要です。しかし私は、粉をできるだけ使わずに作ろうと思いました。そうすると冷蔵や常温にしたときに、やや柔らかくなります。それでいっそのこと凍らせてみよう、ということになりました。
柔らかいのですが、一度凍らせると生地がぐっと締まります。カチカチにはならず、アイスケーキのような感覚でも食べていただけますし、もちろん常温でもおいしいです。食べたい分だけ小分けにして出していただくこともできます。
このように一石二鳥ならず、一石三鳥、四鳥にもなる形として、ショコラグラッセが誕生しました。「グラッセ」という言葉には「凍る」、「冷凍」という意味があるのです。
冷凍で届くチョコレートケーキ「ショコラグラッセ」。
パッケージのフィルムや箱は、冷凍でも扱いやすいよう工夫されている。
―商品開発の際に困難はありましたか?
後藤 実はもっと簡単に新しい商品ができると思っていました。その当時、経験を積んだスタッフを5人程集めて、チョコレートケーキだけでなく、シュークリームやチーズケーキなども作りました。この中でもっともおいしいものを採用すれば、すぐに商品ができるのではないかと思っていたのです。
しかし実際は簡単には決まりませんでした。結局、私が自分でレシピを考えることになりまして。そこで苦労しました。
―「ショコラグラッセ」の魅力のひとつである口どけを出す工夫とは?
後藤 ひとつは小麦粉などの粉類を使わないことです。そして焼き上げる温度にもこだわっています。低温で焼き上げて、しっとりとさせているのです。粉類を使ったチョコレートケーキだと、温度を上げて焼きます。私たちの「ショコラグラッセ」には粉が入っていないので、温度を上げる必要がありません。ゆっくり焼いてしっとりさせて、チョコレートの風味が消えないようにしています。
オーブンの温度を低くしているので、きちんと火を通すために、一般的なチョコレートケーキよりも長く焼いています。普通なら30〜40分程度で焼きあがるところを、60〜80分焼くような感じです。このようにすることで「ショコラグラッセ」ならではの口どけや滑らかさが生まれています。
冷凍の状態でも包丁を入れられるほど柔らかい。
食べたい分だけ取り分けて、残りは冷凍しておくこともできる。
―おすすめの食べ方を教えてください。
後藤 冷凍・冷蔵・常温、どのタイミングでも食べていただけるので、季節に応じて変えていただくのもおすすめです。夏は暑いので、冷凍庫から出してすぐにでも食べていただければ、非常に冷たい状態で楽しんでいただけます。冷凍とはいえ、アイスクリームのような状態にはなりません。切る際も、包丁がスッと入るくらい柔らかいです。
冷凍でお届けしてから、冷蔵庫で解凍して食べていただくこともできます。反対に冬は常温でしっかり溶かしてから、お召し上がりいただくという食べ方もあります。お好みに合わせていただいて。
実は使用しているチョコレートは、本当は常温で食べていただきたいと思っています。常温が一番おいしいのではないかと。口に入れたときに、鼻からぱっと抜けるような香りや味わいを感じていただけるはずです。
チョコレート本来の味をじっくり味わいたい方はぜひ常温で。
とろける食感と口に広がるチョコの風味のハーモニーが、
幸せな気持ちをもたらしてくれる。
後藤 「ショコラグラッセ」を常温でお召し上がりいただく際は、冷蔵庫から外に出して、20分ほど待ってみてください。もっとも滑らかな口どけと、ガナッシュを食べているような味わいを感じていただけます。
―甘さはどのように調整されていますか?
後藤 「ショコラグラッセ」は味わいのバランスを大切にしているため、それほど甘いというわけではありません。砂糖の割合はやや低いです。そうは言っても、ビターに仕上げているわけでもありません。お子様にもおいしく食べていただけます。いろいろなお客様にお召し上がりいただけるよう、調和の取れたちょうどいいバランスに仕上げています。
スタンダードなチョコレートの他、苺やコーヒー、抹茶の味も販売している。
―今後の展望を教えてください。
後藤 弊社は結婚式場を運営しています。近年は、コロナ禍により減ってしまった結婚式の件数が再び増加してきました。このウェディングの分野を、より一層活気づけていきたいと考えています。
結婚式場と同じ敷地には、フレンチレストランと焼きたてパンのお店、パティスリーがあります。例えば、週に1回は当店のパンをお買い求めいただき、月に1回はデザートをご堪能いただく。年に1回の記念日には、レストランでお過ごしいただく。そして、一生に一度のウェディングも、当店で執り行っていただければ幸いです。
そうして私たちをご利用いただいたご家族が新たな家族を迎えられた際にも、またパンから始まり、ケーキへと続く……。このようにお客様の生活に寄り添う店舗であり続けたいと考えています。
―貴重なお話をありがとうございました。
「ショコラグラッセ」(内容量:1本、箱サイズ:W16.4cm×D4.0cm×H3.5cm)
価格:¥1,620(税込)
店名:パティスリー ラ・パルム・ドール オンラインショップ
電話:059-236-6358(10:00〜19:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://lapalmedor.thebase.in/items/92275792
オンラインショップ:https://lapalmedor.thebase.in/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
後藤雅司(株式会社PALME 代表取締役)
フランス各地の名店で修業を積んだ後、1997年に「料理の鉄人」に出演。2001年には自身のフランス料理レストラン「LA PALME D’OR」を三重県津市に開業。その後、スイーツ専門店や結婚式場の開業を経て、2019年にはパティスリー&ブーランジェリー「プティシャトー ラ・パルム・ドール」をオープン。食の分野を中心に、幅広く事業を展開している。
<文・撮影/西村初音 MC/澤水拳太 画像協力/PALME>