今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、国産の素材にこだわって作られた「福蔵(ふくぐら)」と「べにあかくん」。この二つを作っているのは、埼玉県川越市にある有限会社くらづくり本舗です。どちらも社団法人小江戸観光協会から「川越セレクション」として認定された、川越の銘菓となっています。これらはどんな思いを込めて作られたのでしょうか。有限会社くらづくり本舗の代表取締役社長の中野順子氏に、取材陣が伺いました。
老若男女から愛される川越銘菓「福蔵」と「べにあかくん」でおやつ時間をもっと豊かに
2024/11/21
有限会社くらづくり本舗 代表取締役社長の中野順子氏
―貴社は1887年(明治20年)創業の老舗企業ですね。
中野 私は2022年8月に社長に就任させていただきました。近年川越市は小江戸川越として首都圏、県外からインバウンドを含め年間約700万以上の観光客がいらっしゃいます。弊社の創業者でもあります現会長の中野清は創業以来地域の皆様とともに商店街の活性化に力を入れ活動してまいりました。1962年(昭和37年)頃「川越にふさわしい銘菓は何か」と新商品を考えていたところ、川越の蔵を残すことを願い、店蔵を形にした「最中」を考案し、商品名も蔵にちなんで「くらづくり最中」としてはじまりました。現在、埼玉県内に39店舗、2023年(令和5年)1月には羽田エアポートガーデン店に出店いたしました。「小売り商業」の世界は大型商業施設、インターネットの普及により取り巻く環境は厳しくなっております。その中で弊社はこれまで製造販売業としてお客様に寄り添い細かいニーズに合わせて商品を提供してまいりましたが、歳時菓子を通して日本の文化・伝統を守ることも大切でありますし、同時にこれからの時代にも柔軟に対応してまいります。今後も引き続き安心安全おお菓子をお客様へ提供し、海外のお客様へも和菓子の素晴らしさをお伝えできればと思っています。
―原材料にはどんなこだわりがありますか?
中野 原料は基本的に品質にこだわり、国産ものものをできるだけ使用しています。例えば「べにあかくん」は川越産をはじめ、埼玉県内で生産されたさつま芋を使用しております。川越といえば、さつま芋が有名ですので、材料そのもののおいしさと風味を生かした「べにあかくん」が誕生しました。
また、最中の餡は職人が丹念に釜で炊き、風味を最大限に生かしています。
―「べにあかくん」は、どんな経緯で開発されたのでしょうか。
中野 川越はさつま芋が有名ですので、さつま芋を使った商品を開発しようと考え、“和菓子屋さんのスイートポテト”というコンセプトで、さつま芋の風味はそのままに、他の原料とのバランスにこだわりました。「べにあかくん」は、軽い食感でありながら、しっとりとして食べやすいスイートポテトです。
発売当初は、一つずつ手包みで包装していましたが、現在は機械も導入して安定的に生産が可能となり、おなじみの黄色い包装でご好評いただいております。
「べにあかくん」(6個入)は黄色い大きな巾着に入っている。
―開発時にこだわったポイントは?
中野 お芋とその他の原料のバランスにこだわりました。一般的なスイートポテトは少し重たいイメージがありますが、「べにあかくん」はそれよりも軽い食感で、なおかつしっとりしていて食べやすく、そこがご好評いただいているように感じています。
小ぶりなサイズですが、手に取ると結構どっしりしていて、食べ応えがあります。
食べ応えがあり、一個でも満足感が高いところが嬉しいポイント。
―おすすめの食べ方は?
中野 そのまま召し上がっていただくこともちろんですが、スイートポテトですので、アレンジもお勧めいたします。温めてアイスクリームと組み合わせたり、クリームやジャムとも相性も良いので、ぜひお試しくださいませ。
―続いて、「福蔵」はどんな商品ですか?
中野 「福蔵」は先々代が考案し、50年以上前から販売している最中です。当初は全て手作りでしたが、今では量産が可能になっております。
餡は、佐賀県産ひよく米と滋賀県産滋賀羽二重糯をブレンドして作った「福餅」が入っています。このお餅の量が多いところが最大の特徴で、餡とのバランスが良いとお客様から感想をいただきます。
また、最中の皮はパリパリして香ばしく、次第にしっとりして食感の変化もお楽しみいただけます。
一口目からお餅が出てきて、こちらも非常に食べ応えがある。
―「福蔵」というネーミングは、縁起がいいですね。
中野 「福蔵」という名前は川越の蔵をモチーフに、「生まれる福」「伝え守る蔵」という思いを込めて、現会長が商品名を考えました。
最中の表と裏にはそれぞれ「福」「蔵」の文字。
―お客様からのお声は?
中野 「福蔵」にはお餅が入っていますので、SNSの影響等もあり、口コミで、今では世代を問わず、若い世代のお客様からもご好評いただいております。
「福蔵」は、ずっしりと重く食べ応えがあり、自家製の餡とお餅、最中皮のバランスがとても良く、「他にはないおいしさ!」と、お客様にお声をいただく度に、喜びを感じております。
―今後、貴社の商品をどんな方に手に取ってほしいですか?
中野 弊社のお菓子は、ご贈答用にご利用いただく事も多いのですが、普段のおやつ菓子としてもご利用いただきたく、焼き菓子、最中菓子の他に、どら焼き、お饅頭、大福など、季節にあわせて、朝生菓子も充実しています。ぜひ、世代を問わず弊社のお菓子を手にとっていただきたいと思っています。
おやつの時間に「福蔵」と「べにあかくん」がセットで出てきたら喜ばれそう。
―最後に、会社としての今後の展望を教えてください。
中野 弊社は埼玉県内を中心に40店舗を出店しております。駅中やデパートの催事も出店する機会もございます。今後はさらにインバウンドも含め県内外のお客様へ広く弊社のお菓子を知っていただけるように努力してまいります。また、弊社の自家製餡をはじめ製造工程も手間を惜しまず常に商品のブラッシュアップを継続し、進化してまいります。
―貴重なお話をありがとうございました!
「福蔵」(5個入)
価格:¥1,050(税込)
店名:くらづくり本舗公式オンラインショップ
電話:0120-882-638(9:00~18:00 年中無休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kuradukuri.jp/c/monaka/monaka-01/mnk1-5
オンラインショップ:https://www.kuradukuri.jp/
「スィートポテトべにあかくん(BIG専用巾着)」(6個入)
価格:¥1,440(税込)
店名:くらづくり本舗公式オンラインショップ
電話:0120-882-638(9:00~18:00 年中無休)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kuradukuri.jp/c/yakigashi/yaki-01/YGS6-6
オンラインショップ:https://www.kuradukuri.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
中野順子(有限会社くらづくり本舗 代表取締役社長)
1962年埼玉県生まれ。大学卒業後に教育・医療系の事務職を経て1992年に有限会社くらづくり本舗の長男と結婚し同年に入社する。2023年より7代目代表取締役社長に就任する。
コロナの影響があるなか、2023年1月に念願の「羽田エアポートガーデン店」を開店し現在にいたる。
<文・撮影/サカモトアヤ MC/髙橋美羽 画像協力/くらづくり本舗>