北海道・函館の朝市の味を自宅で!ズワイガニたっぷり「かにまん&かにじゃがまん」
2024/11/25
手軽でおいしい中華まんは、冬だけでなく1年中人気です。そんな中華まんの具材がズワイガニになった「かにまん」があると聞き、編集長のアッキーがさっそく調査をしました。それは、北海道・函館の朝市のお店、有限会社函館カネニの人気商品。代表取締役社長の藤田公人氏に取材陣が話を伺いました。
有限会社函館カネニ 代表取締役社長 藤田公人氏
―函館の朝市にお店があるんですね。
藤田 私は、函館から車で1時間ほどの北海道茅部郡森町出身です。ホタテやイカ飯が有名な地域で、我が家も明治時代から漁業をしていました。父は獲った魚を干物などに加工し、母がそれらを朝市で販売していました。私は4歳の頃から母と一緒に朝市に行き、小学生になると手伝いをしていました。その頃は、近隣の人やお店が、買いに来るような地元の市でしたね。
家業を継いで、私が3代目になりますが、現在は朝市で4店舗を構えています。函館の朝市は、いろいろなドラマのロケ地になったり、青函トンネルが開通するなどのイベントも開催されたりして、観光客が増えました。最近では、新幹線が開業しましたし、常に注目されていますね。
―人気の観光地ですね。それでも、コロナ禍は苦労されたようですが…。
藤田 そうですね。やはりコロナ禍は大変でした。朝市のお店はどこも同じですが、よく危機を乗り越えたなと思います。でも、3年半のブランクは大きく、今でも後遺症がありますね。それから、最近の大雨や地震などの自然災害も気になります。お客様は全国各地からいらっしゃるので、交通機関がストップしてしまうと来られなくなります。オンラインでの販売もしていますが、運送業者がストップしてしまうと、発送ができなくなります。コロナも自然災害も仕方がないことですが、ダメージは大きいですね。
函館の朝市で食べられる、有限会社函館カネニの人気商品「かにまん」。
―大変でしたね。社長を引き継がれてから、大切にしていることは?
藤田 以前、仕事で辛いことがあったとき、母に愚痴を言ったことがありました。その時、母は「お客様あってのこと」と言いました。お客様に心を伝えなさい、感謝を伝えなさいと。私も「本当にそうだな」と納得し、何かあったときは、必ず母のこの言葉に戻ります。どんなときでも一番大切にしているのは、お客様です。コロナ禍を経て、またお客様が戻って来てくださるのは、ありがたいことです。
―そんな思いが伝わったんですね。3年前に、黄綬褒章を受章されました。
藤田 「私でいいですか?」とびっくりしました。本当に、周りの従業員、家族、仲間、そして、お客様のおかげです。自分一人では、成し得ないことです。これを励みに益々頑張ろうと思っています。
*黄綬褒章は、農業、商業、工業等の業務に励み、他の模範となるような技術や実績を持っている人に贈られます。
―今回、ご紹介する「かにまん」はどのような商品ですか?
藤田 25年ほど前に、従業員との慰安旅行で横浜の中華街に行きました。たくさんの人が肉まんを食べながら散策をしているのを見て、「朝市でもできないかな」と思ったのが商品開発のきっかけです。当初は、かに、ホタテ、えびなど具材を海鮮にした中華まんを考え、海鮮まんという名前にしようと思っていました。考えたのは私ですが、商品の試作をしたのは一緒に働いていた兄です。元々、弊社は、カニが主力商品でした。まずは「かにまん」を作ったら、朝市で人気が出たんです。
中にぎっしりズワイガニ入っている「かにまん」。オンラインショップでも人気。
―完成するまでのご苦労は?
藤田 弊社は、中の具材を作るのは得意なので、わりと早くに完成しました。問題は、皮の部分です。小麦粉を発酵させて作るのですが、毎日膨らみ具合が違うので難しかった。私は「皮は、その道のプロに頼もう」と兄に言いましたが、兄は「自社で全て作りたい」とこだわります。完成するまでの2カ月ほど、毎日試作を繰り返しました。兄の奥さんに、試食をお願いしていましたが、「毎日だから大変」と悲鳴をあげていました。試行錯誤の末に、カニ入りの具材にピッタリの皮が出来ました。
―もう一つの人気商品、「かにじゃがまん」はどのようなものですか?
藤田 「かにまん」の材料のカニは、コストがかかります。お客様に手頃な価格で提供したいと考えたのが、ジャガイモが入った「かにじゃがまん」です。ここでも兄が、おいしくするためにと北海道産のクリームを使ったりしたので、コストは下がりませんでした。でも、兄のこだわりのおかげで、「かにじゃがまんも好き」と言ってくださるお客様がたくさんいます。カニとジャガイモは意外な組み合わせですが、適度に甘みがあって、おいしいですよ。
カニ+ジャガイモが入っている「かにじゃがまん」。意外な組み合わせがおいしい!
―「かにまん」「かにじゃがまん」のこだわっている部分はありますか?
藤田 全体の重量は110gにし、食べ応えのあるものにしています。それから、小麦粉、ジャガイモは北海道産、たけのこも国産と、材料にこだわっています。ズワイガニは、国産だけでは難しいので、ロシアやアメリカのものを使っています。
実は、原材料などの値上げによって、商品の値上げもさせていただきました。でも、お客様がついてきてくださるので、本当に感謝をしています。お客様から「味、量、形はこのままがいい」、「値段が上がってもいいから、量は減らさないで!」という声が届きますので、それは守っていこうと思います。
材料はできるだけ国産にこだわって。食べ応えのあるサイズも人気の秘密。
―今後のビジョンは?
藤田 今は、年間5万個くらい売れています。以前、デパートの北海道物産展に出店したとき、1週間で1万個売れたことがあって、うれしかったですね。できるだけたくさんの方に買っていただきたいのですが、材料の質、量、味にはこだわっていて、生産が追いつかいないことがあります。お客様には、お待たせして申し訳なく思っています。これからも、「かにまん」「かにじゃがまん」を、函館の朝市とオンラインショップで、お客様に提供していきたいと思います。
以前別の企業が、かにまんを作っていたことがありました。コストを下げるために、具材に肉を入れていたけれど、売れなくてやめたようです。かにまんを作るなら、ぜひ、おいしく作ってほしい。お客様が食べたとき、「なんだ、かにまんっておいしくないんだ」と感じたら困ります。
私たちは、ずっと頑張って「かにまん」を作ってきたので、今後ももっと「かにまん」を盛り上げていきたいと思っています。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました。
「「かにまん」「かにじゃがまん」のセット」(かにまん3個入り×2箱・かにじゃがまん3個×1個)
価格:¥6,480(税込)
店名:函館カネニ
電話:0138-22-0104(9:00~17:00 日曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.asaichi.jp/shopping/item/kani/1241kanimanset.htm
オンラインショップ:http://www.asaichi.jp
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
藤田公人(有限会社函館カネニ 代表取締役社長)
1954年3月21日北海道生まれ。1984年8月に小売業と製造業の有限会社函館カネニ創業。1985年7月に通販、1996年に自社ホームページをスタートし、ショッピングモールにも参加。1998年4月にインターネットショッピングサイト楽天市場参加。2002年に「かにまん」を商標登録する。
<文/大橋史子(ペンギン企画室) MC/伊藤マヤ 画像協力/函館カネニ>