バカみたいにまぶしたくなる!浸したくなる!グルメの街・福岡生まれの万能調味料
2024/11/25
「グルメな街」を問うアンケートでは、常に上位に名前が挙がる福岡県。海や山などの自然にも囲まれ、キャンプやBBQといったアウトドアレジャーも盛んです。今回編集長アッキーこと坂口明子が気になったのは、そんな福岡県で生まれた万能調味料「バカまぶし」と「バカびたし」。名前のインパクトもあるこちらの2品が今、大ヒットしています。開発のストーリーを、株式会社QuestP’age(クエストページ)代表取締役社長の千代田明久氏に取材陣が伺いました。
株式会社QuestP’age 代表取締役社長の千代田明久氏
―御社の沿革について教えてください。
千代田 弊社は、私が2004年に高校を卒業して1年後、20歳の時に設立した会社です。起業したての頃は、HPの作成が主な事業で、周りにHPを作れる友人がおり、私が営業とディレクションを担いました。その後、不動産の間取り図を海外で作成してもらい、国内の不動産会社や印刷会社に販売する間取り図作成代行事業、そしてリーマンショックを機に不動産のオーナー業、さらにその頃知り合った中国の友人からの相談を受けて、雑貨を輸入し楽天市場で販売する事業も始めました。この事業で使っていた在庫管理システムエラーが原因で1か月の出店停止となってしまったのですが、そこから徹底的に在庫を管理する方法、それを効率的に管理するシステムを学び、現在は倉庫業(物流代行)が弊社の柱となっています。
―様々なことを手掛けられてきたのですね。ご苦労はなかったですか?
千代田 どんな方にも悩みはあると思いますが、自分が出した答えは、目の前のことにベストを尽くす、ということだけです。目の前に見えているものをしっかりと大事に、後悔のないように1つ1つ続けることで、その先には大きいことが待っているかもしれないし、待っていないかもしれない。けれどそれは自分の運。私は、「自分の運と縁に愛情を注ぎ続ける」を座右の銘にしています。また捉え方も重要ですよね。例えば誰かと話すことを面白い、ありがたいなと思える人と、面倒くさいと思う人では人生の豊かさが全く違ってくると考えています。
―約20年の中で社長が得られたことはどんなことですか?
千代田 最も大切なものは、「人」だということです。お金に関しては世の中に多くのアドバイザーがいますが、人に関してはそうではありません。起業した時、従業員はほぼ私よりも年上で、気持ちを掴めたと思ったら離れていったり、苦しいなと思っていたら寄り添ってくれたり、予想のつかないものでした。そこで、先輩経営者に話を聞いたり、青年会議所で学ばせていただけたことで、人との関わり方をしっかりと掴めるようになりました。現在は弊社の企業スローガンにも、「大切な人を大切にできてこそ、見知らぬ世界中の人々を幸せにできる」というメッセージを掲げています。
―そんなご縁を大切にされる社長の下で、ロジスティックスとは全く異なる調味料「バカまぶし」が生まれたきっかけについて教えてください。
千代田 ロジ事業をやっていく中で、荷主さんと同じ目線で話ができないとただの下請けになってしまうということに気づき、自分たちもメーカーになるべきだと考えました。その上で、荷主さんとジャンルがかぶらず、好きで突き詰められることを考えていく中で、「食」という分野に行き着いたのです。ちょうどその頃、世の中がコロナ禍にあって、わが家でもBBQを楽しむことが増えていたのですが、妻が作ってくれていたスパイスがおいしくて、「これは作って販売すれば売れるのでは?」と。もともと妻はアイデアマンであり、私の人生のアドバイザーなのですが(笑)、そこから近所の人や飲食店の友人などに味見してもらい、自信をつけて、2021年に販売することになりました。
2021年に誕生した「バカまぶし 旨辛いの」(右)と「バカまぶし 辛くないの」。
―お笑いコンビ「バイきんぐ」の西村瑞樹さんが監修されることになったきっかけは?
千代田 コロナ禍に、東京の代理店に勤める友人から「今なら芸能人とも仕事の話ができるかもしれないよ」という話を聞き、「ぜひに」と思ったのですが、ロジの方ではイメージが沸かず、スパイスの方で何か力を貸していただけたらと考えました。そこでキャンプと言えば、という方を何人か紹介してもらい、自分でもリサーチをして、オファーしたのが西村さんです。お会いした時からすぐに意気投合し、商品名から味の修正までしっかりと監修していただき販売に至りました。
“キャンプ芸人”としても活躍中の西村瑞樹さんが監修。
―「バカまぶし」というネーミングもかなりインパクトがありますね。
千代田 試食しながら商品名を決める会議で、西村さんが「バカみたいにまぶしたくなるから『バカまぶし』でどうですか?」と。これが最初の候補でしたがすぐに決まりました。ちょうど、西村さんのコンビ名が「バイきんぐ」と、カタカナ2文字にひらがな3文字という組み合わせなのでピッタリですし、国民的アニメにも同じような組み合わせのキャラクターがいますよね。販売する商品がロングヒットしますように、という願掛けみたいな思いも込めています。
―どんなスパイスなのかも教えていただいて良いですか?
千代田 クミン、ごま、スターアニス、フェンネル、シナモン、山椒など、世界中から厳選した12種類以上のスパイスをオリジナルの配合でブレンドしています。その中でクミンとごまは、ホールとパウダーの両方をブレンドして味だけでなく食感や香りも楽しんでいただけるように工夫しました。1度炒ることで、スパイスの香ばしさと食感を引き出しているところもポイントです。BBQだけでなく日常にも取り入れやすい仕様で、肉、魚、野菜料理と幅広く使っていただけるところが魅力ですね。
―「バカまぶし」には「旨辛いの」と「辛くないの」の2種類がありますね。
千代田 もともとは「旨辛いの」の1種類だったのですが、「辛いのが苦手な方もいらっしゃるから、辛くないのも作ってみては」という西村さんのアドバイスから2種類になりました。結果的には「辛くないの」の方がよく売れています。ファミリーでキャンプを楽しまれる方も多いと思うので、そうなるとお子さまにも喜んでいただける「辛くないの」にニーズがあったのかなと思います。
―開発時のご苦労があれば教えてください。
千代田 食品関係の事業が初めてで、製造についてはもちろん、賞味期限や卸しの仕組みなど知らないことだらけでしたが、食品メーカーや商品開発に関わっている友人に相談に乗ってもらいながら進めました。ここでも全力を尽くしましたので、今は逆に、食品開発のアドバイスができるくらいまでになりました(笑)。
―万能ダレ「バカびたし」は、「バカまぶし」のヒットを受けて生まれたのですか?
千代田 新規事業を始めるとき、私たちは縦か横に展開が見通せるかどうかを1つの基準としているのですが、このタレは「バカ」をシリーズ化しようということで横軸を伸ばした商品です。調味料の中でも使用頻度の高さを考えれば焼肉のタレは絶対だよね、という話から、次に「どこで食べたタレがおいしかったか」という話を社内で進め、結果、我が家の斜め前に住んでいる一家のママが作ったタレがおいしいということになり(笑)、そのレシピを教えていただいて、量産できるようにアレンジしたり、西村さんと味の試行錯誤を繰り返してできたのが「バカびたし」です。
料理上手なお向かいのママのレシピがベースになった「バカびたし」。
―ユニークですね!こちらの特長についても教えてください。
千代田 水を一切使っていないところがポイントです。原材料は砂糖、醤油、みりん、にんにく、りんご、玉ねぎなどなどなのですが、ぽってりとしたテクスチャーにすることで肉への絡みを良くし、焼きおにぎりに塗っても流れないものに仕上げました。濃厚な旨味もあって、お客様からは、「安いお肉でもこのタレで食べると高級感が増す」というお褒めの言葉もいただいています。
―開発時のご苦労はありましたか?
千代田 実はレシピ元のママが作るタレは「生だれ」で、時間と共にゆっくり味が変化し、それもまたすごくおいしかったのです。ただ量産化にするには、その変化をどこかで止めなければならない。その止めどきを見極めるのには苦労しました。
―「バカまぶし」、「バカびたし」、それぞれにおすすめのアレンジ方法はありますか?
千代田 「バカまぶし」は、フライドポテトやポップコーンにかけていただいてもすごくおいしいです。実際に「バカまぶし」味のポップコーンは商品化し、販売もしています。それから「バカびたし」の方は、炒めた野菜の仕上げに絡めていただくと絶品のおかずになります。レシピはSNSにもたくさんアップしているのでぜひ参考にしてみてください。ちなみにスパイスたっぷりの「バカまぶし」は塩分・糖分が控えめ。健康志向の方にも好評です。
「バカまぶし」は、唐揚げの仕上げにまぶして味わっても◎。
※詳しくはHPのレシピにて。
クリスマスシーズン、ローストビーフには
「バカびたし」にポン酢とにんにくチューブを混ぜたソースをぜひ。
※詳しくはHPのレシピにて。
年の瀬、お世話になった方へのギフトとしても喜ばれそう。
―今後の展開についても教えてください。
千代田 新商品については開発中で、自分たちらしいものができたら随時お披露目していきたいと思っています。また2024年9月には、「バカまぶし」と「バカびたし」を使った、ハーブ鶏や華味鶏などの国産鶏の料理が楽しめる飲食店、「元祖博多とり焼肉バカまぶし」を福岡市内にオープンしました。ここでさらに幅広い方々に「バカまぶし」、「バカびたし」の存在を知っていただけたら嬉しいですね。また弊社の主力であるロジ事業の分野では、出荷量、お客様満足度ともに地域No.1を目指し、地域に貢献できる企業に育てていきたと考えています。ここでもまずは、目の前にあることにベストを尽くしつつ、これから30年は走り抜けたい思っています。
糸島市にある伊都倉庫。今後は同じく糸島市にQuestP’ageの本社を移動予定。
―小学校時代は宇宙飛行士になりたいと考えていたという千代田社長。好奇心や探究心、バイタリティは、その頃から培われていたのですね。お話をありがとうございました!
「バカまぶし」(旨辛いの/辛くないの 各80g)
価格:各¥840(税込)
店名:BAKBAK
電話:インターネットにて受付
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:旨辛いの/辛くないの
オンラインショップ:https://www.bakamabushi.com
「バカびたし」(220g)
価格:¥840(税込)
店名:BAKBAK
電話:インターネットにて受付
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:バカびたし
オンラインショップ:https://www.bakamabushi.com
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
千代田明久(株式会社QuestP’age 代表取締役社長)
1985年福岡県久留米市生まれ。2005年に株式会社QuestP’ageを設立、代表取締役に就任。これまで、HP作成、海外でのDTP作成業、雑貨輸入販売業、不動産仲介業などを手掛け、現在は、ロジスティクス事業を柱に、多くの通販ビジネスの成功を支えている。2025年には創業20周年を迎える。
<文・撮影/鹿田吏子 MC/菊地美咲 画像協力/QuestP’age>