まだまだ進化を続ける!宮崎の人気土産・チーズ饅頭

2024/11/07

宮崎県を旅した締めに、ぜひ持ち帰りたい1品がこちら。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、宮崎県のソウルスイーツのひとつ、チーズ饅頭です。宮崎県内の売店には様々なチーズ饅頭が並んでいますが、有限会社 ユタカ商会のチーズ饅頭はひと味違う! その秘密を同社常務取締役の原田真弥氏に取材陣が伺いました。

有限会社ユタカ商会 専務取締役の原田真弥氏

―御社の沿革について教えてください。

原田 弊社は1989年に父の原田豊が宮崎県にて創業した、観光土産品の卸売、企画開発を行なう企業です。系列会社として、有限会社鹿児島ユタカ、有限会社熊本ユタカ、製造がメインの有限会社すえやまの3社があります。

―専務は家業に入られたということですね?いつからご入社を考えていらしたのですか?

原田 幼い頃から父が忙しく働く姿を見ておりましたので、学生時代は家業に入ることは全く考えておらず、他社への就職活動を考えていました。ところが、社長と二人三脚で会社を成長させてくれた当時の専務が、「ものすごく楽しい仕事だから入社してみないか?」と。その熱意に後押しされて入社しまして、まずは鹿児島の方で勉強させていただきました。

―お土産業界に進んでいかがでしたか?

原田 皆が休んでいるときこそ忙しくて、やっぱり大変だと思いました(笑)。でも今は、とてもやりがいを感じています。なお弊社が扱うお土産は、常時動いているアイテムだけでも約300種類、関連会社全体では約1000種類あります。内訳は、1割がグループ会社のすえやまで製造したオリジナル、ほか弊社の方で企画してOEMで製造していただいた商品やメーカーさんが製造している商品などがあり、販売代行も行なっています。

―専務は企画から販売まで関わっていらっしゃるとか。大事にされていることはどんなことですか?

原田 おいしいものを作る、ということは大前提なのですが、売り場でパッと目を引くパッケージを考えることも大切にしています。見た目に惹かれて食べてみたところ、やっぱりおいしい。だから誰かに伝えたくなる、という流れが一番理想的だと思っています。

高級感のあるおしゃれなパッケージが魅力の「宮崎チーズ饅頭」と「マンゴーチーズ饅頭」。

―御社のラインナップの中で特に人気の商品はありますか?

原田 「しろくまプリン」でしょうか。実は私が最初に企画した商品なのですが、鹿児島にはもともと、「しろくま」と呼ばれるスイーツがあるのです。かき氷にカットしたフルーツを乗せて、たっぷりの練乳をかけたものなのですが、その味わいはそのままに、常温でも持ち運べるようにプリンにしました。このプリンをご友人などにお渡しいただきながら、「鹿児島には、『しろくま』っていうスイーツがあるんだよ」と、旅のお話も添えていただけたら嬉しいです。おかげさまでよく売れまして、現在も好調に推移しています。

原田専務が企画を担当し、ヒット中の「しろくまプリン」。

―そして今回ご紹介いただく「宮崎チーズ饅頭」、「マンゴーチーズ饅頭」も非常に人気とのこと。そもそもチーズ饅頭はなぜ宮崎名物なのですか?

原田 発祥については諸説あるのですが、1980年ごろに誕生して、今や宮崎県内の洋菓子店、和菓子店などではメジャーな1品です。お土産としても非常に人気があるのですよ。

―こちらはすえやまで製造された御社のオリジナルなのですね。

原田 そうですね。すえやまは1988年に創業した会社で、初期は仕入れをメインに行う会社だったのですが、そのうち蕎麦やお菓子の製造を始め、2004年にチーズ饅頭の製造を始めました。

―どのように御社らしさを出して行かれたのでしょうか?

原田 一般的にチーズ饅頭というと、外側はサクサクのクッキー生地で、中に固形のチーズが入っているタイプが多かったのですが、弊社のチーズ饅頭は外の生地をしっとりとした質感にし、中にはソフトなタイプのチーズを入れました。

しっとり食感の生地の中に、独自配合したチーズをたっぷりと詰めた自慢のチーズ饅頭。

―生地からはバターの風味も感じられ、とても今っぽい味わい!20年前に開発されたと伺って驚きました。

原田 実は何度か改良を重ねていまして、このしっとり食感になったのはここ10年ほどです。工場によると、今後はチーズの味わいもさらにブラッシュアップしていくとのこと。実は現在、すえやまのトップは、私を会社に誘ってくれた専務が務めているのですが、お菓子やお土産への情熱が本当にすごい方なんです(笑)。なので、このチーズ饅頭もこれからもっと進化していくと思います。

まだまだ進化中の「宮崎チーズ饅頭」。10個入りで職場などへのお土産にもぴったり。

―しかしお土産には日持ちが必須なだけに、ご苦労も多いのでは?

原田 おっしゃる通りで、そこがお土産作りの一番難しいところです。私たちもできる限りおいしいものを求めていきたいと考えていますが、そうすると賞味期限がどうしても短くなります。お土産は購入していただいて、お渡しいただくまでの時間も考慮しなければならないので、常に味とのせめぎ合いになりますね。

―そうしたご苦労を経て、ヒット商品にすることができた秘訣はどんなことだったのでしょうか?

原田 味わいやパッケージにこだわると同時に、売り場でマネキンさんに試食販売をしていただいたことも大きいかと思います。お客さまに味わっていただきながら商品の特徴や賞味期限についても直接ご案内できるので購入にも繋がりやすいのです。すえやまではグループ会社になった2016年ごろからマネキンさんに販売をお願いするようになったかと思いますが、販売をプロに任せることで製造に集中できますし、お客さまからのご意見等もきちんとフィードバックされて会社全体に良い影響が得られていると思います。

―次にマンゴーチーズ饅頭についてもご紹介ください。

原田 マンゴーチーズ饅頭は、宮崎チーズ饅頭の数年後に開発・発売された商品です。宮崎といえばマンゴーで、お土産の売り場を見ると、フレッシュなマンゴーはもちろん、マンゴー関連商品まで合わせるとかなりのボリュームを占めています。そこで弊社でもマンゴーを使った商品を、ということでマンゴーチーズ饅頭を作るに至りました。

箱を開けた瞬間に、元気いっぱいのオレンジカラーが目に飛び込んでくるマンゴーチーズ饅頭。

―マンゴーと言えば高級品だと思うのですが、チーズ饅頭がお手頃価格でいただけるのに驚きました。

原田 理由はいくつかあるのですが、1つに、規格外のマンゴーを取り入れたところがあります。宮崎産で、味は良いのに少しだけ傷があったり、良いマンゴーを育てるために間引かれたりしたマンゴーをJAさんがまとめてピューレにしており、それを採用しているのです。そうすることで、おいしい宮崎産のマンゴーを使った商品をお手頃価格で提供することができています。弊社はもちろん、お土産を購入してくださるお客さま、そして地元の農家さんにとってもプラスになる取り組みだと思っています。

なめらかなチーズに甘酸っぱいマンゴーがマッチ。

―パッケージのこだわりについても聞かせください。

原田 現在、「宮崎チーズ饅頭」と「マンゴーチーズ饅頭」のパッケージは雰囲気が異なるのですが、今後はデザインを一新して統一化しようと考えています。というのも、プレーンとマンゴーに加えて日向夏味も誕生しまして、それらを一つの箱に詰めたアソートタイプの商品も作りたいと思っているのです。その場合、デザインが統一されている方が美しいかなと。またお土産としてだけでなく、今後は贈り物にも選んでいただける商品にもしていきたいと思っています。

―チーズ饅頭は海外の方にも喜ばれそうですよね。

原田 ありがとうございます。これまでは日本人観光客を想定したお土産を主に作ってきたのですが、近年はやはりインバウンドの方々も増えてきているので、今後はそこを強く意識した商品開発も必要かなと思っています。特に熊本は、TSMCという外資系の半導体企業の工場ができたことで海外の方が非常に多くなり、例えばその方々がお出かけ先の阿蘇で購入したお土産が話題となり、もともと外国人観光客が多い東京の浅草や大阪の道頓堀でも取り扱っていただけるようになった、という事例も生まれています。

お土産業界はコロナ禍で大打撃を受けましたので、弊社も2021年あたりから県外での販売を強化し始めました。今後も時代に合わせた柔軟な姿勢で、1つ上の価値をプラスした商品開発も進めて行くつもりです。

―1つ1つのこだわりが御社の成長につながっているのですね。今後の展望についても聞かせてください。

原田 商品を買ってくださるお客さまはもちろん、作っていただくメーカーさん、販売してくださる売店さん、そして弊社のメンバー皆が、お土産を通じて喜び合える、そんな形を取れたらというのが社長をはじめ、私たち社員にも共通する思いです。

また私個人としては、商品開発にもっと力を入れていきたいですね。商品の開発には早くても2ヶ月、長いと4ヶ月以上かかることもあるのですが、自分で作って企画した商品が店頭に並び、お客様に選ばれますと、やはり大きなやりがいを感じます。宮崎にはマンゴー以外にもライチや佐土原ナスなど、商品化してみたい作物がまだまだあります。私はそれらをお土産という形で県外にPRできたらと思います。2025年5月には、ユタカ商会がある高原町の工業団地内に新工場が完成予定ですので、生産もより拡大していけたらと思っています。

―南九州エリアのお土産はほぼ把握していらっしゃるという原田専務。次はどんなヒット商品を手がけられるのか楽しみにしております。お話をありがとうございました。

「宮崎チーズ饅頭」(10個入)
価格:¥1,134(税込)
店名:すえやまOnlineShop
電話:お問い合わせはインターネットにて受付。
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:
https://sueyama-shokai.shop-pro.jp/?pid=163092202
オンラインショップ:https://sueyama-shokai.shop-pro.jp

「マンゴーチーズ饅頭」(10個入)
価格:¥1,188(税込)
店名:すえやまOnlineShop
電話:お問い合わせはインターネットにて受付。
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:
https://sueyama-shokai.shop-pro.jp/?pid=163158931
オンラインショップ:https://sueyama-shokai.shop-pro.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

原田真弥(有限会社ユタカ商会 専務取締役)
1990年宮崎県生まれ。2013年に有限会社ユタカ商会のグループ会社、鹿児島ユタカに入社。2023年にユタカ商会の専務取締役に就任。なおユタカ商会は、1989年に創業。宮崎県のお土産施設への卸売業として事業をスタートさせ、2014年有限会社すえやまを子会社化した。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/三好彩子 画像協力/ユタカ商会>

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