ひと手間かけた味を時短で食卓へ!鹿児島生まれの手づくり冷凍ロールチキンカツ

2024/11/28

毎日の料理は、献立を考えたり下ごしらえをしたりと何かと時間がかかるものです。そんなときに、簡単な調理だけで一品できあがる冷凍のお惣菜があると助かりますよね。

今回編集長アッキーが注目したのは、冷凍ロールチキンカツ「チキンと巻きました チーズと国産大葉」です。手軽においしく食べられる冷凍食品にどんな工夫があるのか、鹿児島県鹿屋市にある製造元企業の株式会社鹿鳥食品の代表取締役社長、延時幸子氏に取材陣がお話を伺いました。

株式会社鹿鳥食品 代表取締役社長の延時幸子氏

会社の沿革を教えてください。

延時 創業は1977年です。私の父が養鶏を始め、品質にこだわった鶏を育てていたのですが、相場の価格でしか買ってもらえず、商品にして自分で値段を付けたいと考えて食品加工に参入しました。冷凍食品を始めたきっかけは、バイヤーさんから「業務用に使える冷凍のお惣菜を作れないか」と言われたことです。会社を設立したのは1987年のことで、最初は鶏肉のお惣菜がメインでしたが、今では豚肉や牛肉、野菜などを使った商品も取り扱っています。父の時代に大手企業様との大きな出会いがあり、多大なご尽力をいただき、現在に至っております。

OEMや業務用から一般消費者向けのものまで、幅広い商品を生産している。

―2020年に社長に就任されました。

延時 当時は工場を広げたばかりだったのですが、コロナ禍に突入して飲食店が閉まり、業務用の冷凍食品がまったく動かなくなってしまったことで、かなり売上を落としました。さらに同じ年に集中豪雨もあり、店舗が床上浸水するなどの被害を受けました。

また、その一方で、コロナ禍をきっかけに新しく始まった仕事もあります。父にお世話になったという方が心配して「うちの商品を作りませんか」と電話をくださり、初の試みとしてOEMでソースを作らせていただきました。その方は以前、大手企業の品質保証部にいた方で、父が社長を務めていた頃に品質監査に来られたことがあったのですが、当時は結局商売につながらなかったそうです。ただ、そのとき父が口にした「あなたのおかげで工場が改善できて、ほかの仕事につながったよ」という言葉がその方にとってモチベーションになっていたそうで、コロナ禍で困っていたときに助けていただきました。このような素晴らしいご縁に感謝しております。

―御社ならではの特徴や強みを教えてください

延時 当社は「オリジナルを、オーダーメイドで。」というコンセプトを掲げています。ひと言でお惣菜といっても、お客様によって求めるものは違います。たとえば唐揚げの場合、飲食店なら揚げるだけの商品が求められますし、ご家庭ではレンジでチンするだけで食べられる商品が好まれます。当社の強みは、素材を大切にしつつ手間暇をかけた冷凍食品を幅広く生産できること、そしてお客様の求めるかたちに沿った状態でお出しできることです。直売店では、商品をその場で揚げるサービスも提供しています。

サッと調理できる冷凍食品は、忙しい毎日の強い味方。

―直売店の「ケントママン」という店名の由来は?

延時 父が憲人(のりひと)という名前で、音読みで「ケント」と読めることが由来です。「ママン」はお母さんで、おふくろの味や家庭の味といった思いが込められています。父は常々、「お母さんが子どもにおにぎりを握る気持ちで生産に当たりなさい」「お母さんは、自分が炊事の途中であったとしても、おにぎりを握るときは手を洗うんだよ」と口にしていました。

おしゃれな外観の直売店「ケントママン」。

―今回ご紹介するロールチキンカツについて教えてください。

延時 30年以上にわたって販売しているロングセラー商品で、多いときは月に100万個ほど生産しています。元々は業務用で、主にオードブルに使われる商品ですので、どこかで召し上がったことがある方も多いのではないでしょうか。3個入りのパッケージで販売しているのは「チーズと国産大葉」と「紀州産梅肉と国産大葉」のみですが、店舗では「ネギ味噌大葉巻き」「ウインナーロール」「ベーコンチーズ」といった商品も扱っています。

調理方法は凍ったまま170℃の油で5~6分揚げるだけとシンプル。

当社ならではの特徴のひとつが、「巻く」という加工を得意としていることです。ロールチキンカツも、ひとつひとつ人の手で巻いて作っています。ロールカツのような巻き物は、巻き加減がきつかったり緩かったりするとそれによって揚げる時間が変わってくるのですが、手で巻くことでちょうどいい具合にできているのではないでしょうか。

ひと口食べると大葉のいい香りがふわっと漂う。

―食材へのこだわりはありますか。

延時 当社のある鹿児島県鹿屋市は、国内でも有数の農畜産物の産地です。加工食品は海外の工場がライバルになるのですが、地元の食材を使うことで差別化ができると考えています。ロールチキンカツに使う鶏肉は九州産のものが中心で、基本的に一度も冷凍しない生の状態で仕入れています。パン粉は九州産、大葉は国産品です。このほか、おせち料理に使う「ごぼうの牛肉巻き」には、地元でとれたごぼうや黒毛和牛を使用しました。産地の強みを生かし、鹿屋市だからこそ作れるものを販売していきたいと考えています。

―今後の展望を教えてください。

延時 社員一人ひとりの人生を大切にしたいという思いがあり、第一に考えているのは社員が安定して働けるように会社が発展していくことです。そのためには、今後は日本の人口が減ることを見越して、海外進出も展望に入れる必要があるのではないでしょうか。

そのうえで地元の食材を使い、他社と差別化したおいしいものをお届けしていきたいです。当社の冷凍食品は、「冷凍でしょ」と言われないものを目指しています。大手さんと協力することで加工のノウハウも積むことができ、ソースなども作れるようになりました。今後は加工技術を生かし、地元の野菜を使ったスープなども展開していきたいと考えています。

―ますます便利になりますね!ありがとうございました。

「チキンと巻きました( チーズと国産大葉)」(3本/150g)
価格:¥990(税込)
店名:株式会社鹿鳥食品
電話:0994-40-1501(10:00~16:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/kentmaman/cm_001/
オンラインショップ: https://www.rakuten.co.jp/kentmaman/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

延時幸子(株式会社鹿鳥食品 代表取締役社長)
1979年鹿児島県生まれ。2020年より代表取締役社長に就任。「社員が幸せに働き、世の人たちに永遠に求められ続ける企業であること」をモットーに、仕事を楽しんでいる。旅行、食べ歩きが趣味。

<文・撮影/坂見亜文子 MC/石井みなみ 画像協力/鹿鳥食品>

羽田甚商店

注目の連載

注目の連載

Special serialization

羽田美智子さん連載

SNSできになるあのひと

社長インタビュー

連載一覧を見る

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter