人気NO.1の道の駅「川場田園プラザ」が発信するプレミアムなヨーグルトとチーズ
2024/11/29
1日たっぷり楽しめる人気の「道の駅」。それが群馬県の「川場田園プラザ」です。レストランや地元発のグルメはもちろん、お取り寄せも充実していることを発見したアッキーこと坂口明子編集長。早速、調査を開始しました。地元食材を使った、ここにしかないとっておきのヨーグルトとチーズの開発秘話を株式会社田園プラザ川場代表取締役社長の永井彰一氏に取材スタッフがうかがいました。
―「川場田園プラザ」はどのように誕生したのでしょうか。
永井 1979年に東京都世田谷区と群馬県川場村が協定を結んだことから始まった事業です。都市と地方の交流を目的に、世田谷区が区民の第2のふるさとになる市町村を公募したところ、全部で57市町村が応募し、その中から川場村が選定され協定を締結しました。世田谷区から2時間半で行ける距離で自然が豊かな地域ということで選ばれたのだと思います。そして1990年ごろから田園プラザ推進委員会・幹事会で構想を具体化していきました。1993年に開場して、1996年には「道の駅」に認定されています。
山のふもとに広がる「川場田園プラザ」。「道の駅」として随一の人気を誇る。
―川場村の魅力はどんなところにありますか。
永井 武尊山(ほたかやま)のふもとの人口約3,250人の小さな村に1級河川が4本も通っていて水が良く、水利も古くから整備されていて、おいしいお米が穫れる裕福な村です。日本の確固たる農村の原風景が残っていることが魅力ですね。私は農家1軒1軒がアイデンティティを持っているすごい村だと思っています。
―永井社長も川場村のご出身ですね。
永井 そうです。私の生家は明治時代の1886年から続く永井酒造という酒蔵で、父はかつて川場村の村長を務めていました。父は村の将来を考え、「農業+観光」という施策を立てました。農業を最優先しながらそこに観光という価値をつけようと「田園プラザ」構想を立ち上げたのです。
私は大学卒業後に1年間カナダに留学し、現地の会社に就職しましたが、ビザの関係で一時帰国したときに母親に懇願されてイヤイヤながら(笑)永井酒造に入ることになりました。別のアメリカの会社に就職が決まっていたので早く戻りたくてしかたありませんでしたが、実際に酒造りをしていくうちに、この仕事もおもしろいなと思い始めました。「お客様が喜び、感動していただける酒造りに徹する」という思いで品質を徹底的に追求し、吟醸酒「水芭蕉」を主軸ブランドとして発売しました。当時、純米大吟醸酒はまだ珍しく、よく売れました。
その後、知人のワイン商から、「なぜシャンパンタイプの日本酒を作らないんだ」と言われて「MIZUBASHO PURE」という発泡清酒を造りました。これは世界初の瓶内2次発酵による発泡性清酒です。国内外で高い評価を受けました。
―「川場田園プラザ」とご縁ができたのはいつですか?
永井 帰国して酒造りを始めた頃、建設委員とか諮問委員という立場で参加していました。「田園プラザ」のモデルはヨーロッパの田舎の村です。中心にある教会の周囲にドラッグストアがあったりショップがあったりする小さな農村風景をイメージしながら建物を少しずつ作っていきました。1993年に第3セクターとしてスタートしたのですが、やがて売上が伸び悩んで赤字になり、現状を改善しようと改革委員会ができました。私がその筆頭委員になり、2007年には社長になりました。
スタッフの意識改革や経費の節約などに取り組み、2年で黒字にしました。これで責任を果たした、またアメリカに行って仕事をしようと思ったのですが、社員に「増収したらボーナスを上げる」と約束してしまっていました。社員から「ボーナスが上がるまでもっといてほしい」と慰留されて留まることにしました。本腰を入れて取り組むために酒造メーカーは弟に譲りました。アメリカに別の法人を持ってはいますが、日本ではこの仕事1本でやっています。
川場村で作られるグルメが買えるショップ。お土産を探すのにもぴったり。
―皆さんの尽力で今や人気スポットですね。
永井 地元の野菜や果物、お米、ここで作ったチーズやパン、ビール、ヨーグルトが買え、レストランがあり、アスレチックなどの遊び場もあります。年間で270万人の方が訪れています。「1日たっぷり楽しめる」をコンセプトにしていて、滞在時間も平均3時間と他の「道の駅」に比べて突出して長いことからもお客様の満足度が分かります。東京、埼玉、神奈川など関東各地からの方が多いですね。ファミリー、シニア、カップルなど世代もさまざまです。自慢はその7割がリピーターだということ。年間5回以上来場するコアなリピーターも5割いらっしゃいます。最初の当園の「第2の故郷を作る」というコンセプトが実現した感があります。
新聞社主催の「道の駅ランキング」や、2022、2023年は国内旅行予約サイトの「道の駅グランプリ」を獲得、2024年には「もう一度行きたい道の駅ランキング」で第1位になりました。
―リピーターが多いのはなぜでしょう。
永井 毎年、ディスプレイだったりレストランのメニューだったりと何かしら変化があり、行く度に発見があり楽しいからではないでしょうか。アメリカのテーマパークをモデルにしていますが、あれほどお金をかけられないので(笑)、いつもお客様の心に刺さるものが何かを考えています。
私はいつもコンビニでの新商品を見たり、東京に新しい複合施設ができるとすぐに見に行ったり、アメリカのショッピングモールを見たりして最新のトレンド、情報を入手して「川場田園プラザ」に活かしています。また、私が園にいるときはレストランの厨房で皿洗いをしています。店内を見てどんな層のお客様が多いか、どんなメニューが好評なのかも分かりますからね。
オンラインショップではチーズ、ヨーグルトのほかにパン、スイーツ、ビールなどがラインナップされる。
―社長ご自身がマーケッターというわけですね。オンラインショップはいつから始められましたか。
永井 約10年前から始めましたが本格的に力を入れたのは2021年からです。川場村でできた素材を使って「川場田園プラザ」で製造したもの、とにかく川場村に由来する商品だけを販売するのがコンセプトです。
「プレミアムヨーグルト(350g)」。川場村で搾乳された生乳、近隣で採取されたはちみつが使われている。
―今回紹介くださるのは2品。まずプレミアムヨーグルトですが、これは社長の発案ですか。
永井 そうです。ある日、深夜にテレビでやってる通販番組を見ていたんです。そしたら高級ヨーグルトとして紹介されていた商品があって5,000円もするのに人気のようでした。そこで私は翌日から高級ヨーグルトと呼ばれるものがどれぐらいあるのか調べ、全国の2,000円以上するヨーグルトを全部、取り寄せてヨーグルトの工房のリーダーと食べました。で、「これらよりも質が高くてこれよりも安いヨーグルトをうちでも作ろう」と言いました。試作を重ねて作ったのが「プレミアムヨーグルト」です。
生クリーム入りの濃厚さで、唯一無二のおいしさに。
永井 価格は1,940円と2,000円を切っていますが、どこにも負けないおいしさだと思っています。材料のはちみつは利根の山々と尾瀬のふもとの各蜂場を、みつばちとともに移動して養蜂された百花蜜を使用しています。生クリームは国内産ですが配合を工夫しました。入れすぎるとヨーグルト本来の味が出ないし少ないとおいしくありません。適度に入れて贅沢な濃厚さが味わえるようにしました。パッケージは木箱とオレンジ色の紙袋を作り高級感を出しました。今のところ他の追従を許さないヨーグルトだと自負しています。現在、年間4~5万個売れている人気商品です。
ストラッキーノはイタリアのママンの味。
モッツァレラはカプレーゼにしても。
―チーズはどのように開発しましたか。
永井 イタリア人の友人がいて、「うちに泊まれ」と言うので、よく彼のイタリアの家に泊めてもらっていたんですよ。農村地帯にある家で、朝になると必ず奥さんがチーズを買いに行ってくれるんです。それがストラッキーノというフレッシュチーズでおいしくて、これ絶対にうちでも作りたいと思っていました。
ハードチーズの製造だとイタリアやフランスのチーズとは牛の餌から違うので到底勝てませんが、フレッシュチーズだったら勝てるかなと思ってフレッシュチーズの製造を始めました。生乳は田園プラザから100mのところの牧場から運ばれ、水も武尊山が育んだ天然水を使用しています。スタッフに1年間イタリアに行って製造を学んでもらい、チーズを固める乳酸菌はイタリアから輸入するなど本場仕込みのチーズです。現在、ブッラータ、ストラッキーノ、リコッタ、モッツアレラの4種類を作っていますが、特にストラッキーノを作っているのは日本ではうちだけではないかと思います。日持ちがしないので、輸入できないのでイタリアに行かないと食べることができません。あるイタリアンレストランのスタッフに食べてもらったとき、彼は「ママンの味だ」って泣きましたね。ママンが日本に来て作ってくれたみたいだって。
切ると中からクリームが流れ出るブッラータ。
乳清(ホエイ)を再度加熱して作るリコッタ。
―まさにストーリーが込められている商品ですね。今後の御社の目標をお聞かせくださいますか。
永井 当園は公共交通を使っていらっしゃることがなかなか難しい場所にあります。首都圏からいらっしゃるのに高速道路を使ったら往復1万円ほどかかります。そうして来ていただいているということは大事にしましょうと、商品の価格をなるべく抑え、“価格満足度”を上げるようにしています。たとえばうちのクロワッサンはフランス製発酵バターを使った最高の品質を誇っていますが270円です。都心の有名店と比べてかなりリーズナブルだと思います。これからも顧客満足度を上げ、来場した方が笑顔で「また来たいね」とおっしゃりながらお帰りになることを目指します。
私は今年で61歳ですが、毎年今が一番楽しいと思って生きています。来ていただいたお客様に、もう、とにかく喜んで楽しんでいただいて、「また来ようね」って言ってお帰りになるその言葉を聞きたいだけで仕事をしています。
―社長の情熱とパワーを感じました。本日はありがとうございました。
「プレミアムヨーグルト(350g)」
価格:¥1,940(税込)
店名:川場田園プラザONLINE STORE
電話:0278-52-3711(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kawaba-onlinestore.com/products/origin_food_yogurt_single_1_10134
オンラインショップ:https://kawaba-onlinestore.com/?utm_source=hp&utm_medium=link&&utm_campaign=hplink
「カワバチーズ4種のギフトセット」(ブッラータ125g、ストラッキーノ100g、リコッタ125g、モッツアレラ125g 各1個 計4個)
価格:¥3,970(税込)
店名:川場田園プラザONLINE STORE
電話:0278-52-3711(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kawaba-onlinestore.com/products/origin_food_cheese_set_normal_10136
オンラインショップ:https://kawaba-onlinestore.com/?utm_source=hp&utm_medium=link&&utm_campaign=hplink
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
永井彰一(株式会社田園プラザ川場 代表取締役社長)
1963年群馬県川場村生まれ。法政大学法学部卒業後、カナダのバンクーバーに留学。ウィスラーでデュアルマウンテンプログラム社に勤務。帰国後、永井酒造株式会社入社。1999年代表取締役社長に就任。2007年株式会社田園プラザ川場代表取締役に就任。徹底した現場実践主義を貫き、川場田園プラザを関東屈指の人気を誇る「道の駅」に導く。米国法人 R&S Kawaba Management LLC CEOを兼任する。
<文/今津朋子 MC/伊藤マヤ 画像協力/田園プラザ川場>