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日本初!GABAも豊富な国産発芽大豆を使った、飲む豆乳ヨーグルト&豆乳スイーツ

2024/12/05

毎日口にするという人も多いヨーグルト。素材の良さはもちろん、製造工程でこれまでにない技術と手間をかけた逸品は、味にも健康への期待値にも差が出ます。今回、アッキーこと坂口明子編集長が関心を寄せたのは、発芽大豆を発酵させて作った、飲む豆乳ヨーグルトと、豆乳を使ったスイーツ。日本初の発芽大豆使用のヨーグルトについて、鳥取県智頭町にある製造元、株式会社楽粹 代表取締役の行光秀夫氏に、取材陣がお話を聞きました。

株式会社楽粹 代表取締役の行光秀夫氏

株式会社楽粹 代表取締役の行光秀夫氏

―ご出身は兵庫県だそうですね。御社のスタートも神戸で?

行光 神戸市の元町で生まれ育ちました。1953年に父が神戸で洋菓子の製造卸の仕事を始め、その後豆腐の需要が高くなるだろうと見込んで、一部お菓子を残しつつ豆腐の事業を始めました。

―設立は1976年。社長は2代目ですか?

行光 会社設立から今年で48年目です。私がアメリカの大学を卒業し、ワシントンで仕事を始めたばかりの時に父が亡くなり、呼び戻されて豆腐屋に帰ってきました。

―アメリカでお仕事を?お父様のご存命中は家業を継ぐおつもりではなかったのですか?

行光 実は継ぐことはあまり考えていませんでした。アメリカでは食品流通に関わるプログラムを学んでいたんです。ものづくりをして、どういうルートで流し、どう販売するかの研究です。卒業後は、全米を対象にした食品の流通組織に入ったのですが、3か月で日本に帰り、家業を受け継ぐことになりました。帰国した当時は豆腐事業の工場が2ヵ所あったのですが、大きな場所とより良い水を求めて、工場を新設移転することを決めました。

―六甲の水も良い水として有名では?

行光 水が非常に良いということで、灘の酒造りに使われてきました。私どもの工場の井戸にも良い水が湧いていて、それが使えるということで豆腐作りを始めたのですが、阪神高速や六甲周辺にマンションや住宅地ができるようになって、うちの地域では水が出なくなったんです。豆腐は70%以上水分でできていますから、良い水を使わないとおいしい豆腐はできないという発想のもと、いくつかの候補の中から鳥取がいいのではないかということになりました。現地を見に行ったのが1986年で、周辺を歩いて、ここから先は誰も住んでいないだろうと思って上っていくと小さな集落があって、そこに求めていた水があったんです。道路事情や人の手配など条件が整っていたこともあり、ここ智頭町芦津で、事業・工場を立ち上げました。そういう意味では、私がこちらの創業者ということになると思います。

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金沢、京都を含む候補地の中から選んだ鳥取県智頭町芦津。清らかな水が湧き出るところ。

―「楽粹」という社名は社長がお付けになったのですか?

行光 はい、工場の仕事は黙々と働く時間が長くて、会話はあまりないし、お客様もおられません。だから、できるだけ楽しく、でも楽しいだけじゃダメなので、楽しく粹に。粹っていうのは格好よくという意味がありますので、楽しく粹に仕事をしましょうという想いで名前をつけました。

―企業として大切にされていることは?

行光 ものづくりという立場で経営をしていますので、作り手の気持ちがそのままお客様に伝わるという、これが一番重要だと思います。環境がよいとか、素材がよいとか、それも大切ですが、豆腐そのものが素朴な食品ですから、働く人の素朴さがそのまま商品に反映されるというのが一番望ましいことだと思います。誤魔化したり添加物を入れたりということのない、ピュアな食品づくりが大事で、つまり、ものづくりをするメンバー、人材が重要だと思います。

―現在の商品について教えてください。

行光 水が良くなったというのも大きいのですが、製法についても神戸東灘の時代から進化しています。通常の製法では、前日に大豆を浸漬し、翌日にグラインディング、磨砕した呉を炊き込み、それを豆乳とおからに分離するのが一般的な工程なのですが、私たちは新しく大豆を発芽させるという工程に取り組みました。特殊な技術で、芽が出た大豆を使って豆乳を造る方法です。代表的な商品は、『うるつや』と申します。勿論、通常の工程で作った商品『ろくろ豆腐』も代表的なヒット商品です。また発芽大豆を使った新商品として、飲むタイプのヨーグルトも加わりました。

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発芽させた大豆を使った飲むヨーグルト。
特許技術で発芽をさせてから発酵に進む。さらっとしていて飲みやすい。

―ありそうでなかった商品ですね。

行光 発芽した豆乳を発酵させるというのが、なかなか難しいのです。ふつう、豆腐製造では菌を殺す工程ばかりです。発酵は、菌を増殖させるということになりますから、一つ間違えると腐敗を起こして、食中毒の問題も起こってきます。発芽した大豆を豆乳にすると、豆乳には一定の雑菌があって、100℃くらいでは死なない菌が含まれています。綺麗に洗浄するんですけれども、殺菌ではなく滅菌してしまう工程が必要なんです。それがないと発酵には至らないので、発芽した豆乳を滅菌して、そこに乳酸菌を加えて、乳酸菌が一番頑張って増殖できる35℃~40℃の温度帯に数時間入れて撹拌する。それで雑菌のない乳酸菌が増えたヨーグルトができあがるんです。

―ぎりぎりの難しいところ、大変な技術ですね。開発にどのくらいかかられたのですか?

行光 実質的には2年くらい。紆余曲折あった中で1年半くらい前に滅菌装置が入ったのですが、それまで滅菌しない状態で発酵させたら、発酵と腐敗が同時に進み、変な臭いのする、ヨーグルトではないものができ上がりました。130℃で滅菌できる装置が入ってから試してみると、見事にヨーグルトらしいフレーバーが出てきて本当に感動しました。

―普通のヨーグルトとの違いは何ですか?

行光 まず、一般の豆乳ヨーグルトは乳製品を使ったものですね。私たちの豆乳ヨーグルトは、原料に大豆を使います。素材が動物性由来か植物性由来かという違いが明確にあります。
だから、ヴィーガンの方にもおすすめです。また、これまでの豆乳ヨーグルトと比べると大豆は発芽させると穀物である豆から植物に変わるという大きな違いがあります。

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滅菌装置を採用し、約2年の試行錯誤の末に完成した「発芽大豆の飲む豆乳ヨーグルト」。

―植物に?どういうことですか?

行光 穀物である大豆と、植物である大豆の大きな違いは、大豆に含まれるたんぱく質が発芽の工程で一部分解されて、アミノ酸に変化するということです。変化したアミノ酸の中に、GABAとかイソフラボンが生まれ、栄養価を引き上げるのです。つまり、穀物の大豆を浸漬するより、発芽した大豆で豆乳を作ったほうが、植物で豆乳を作るという意味で非常に栄養価が高い。決定的な違いです。

―そうなのですね!本当にほかにはない商品です。飲んでみると飲みやすさも魅力かと。

行光 味は何種類か作って、量が飲めるものをということで、中間よりもやや薄め、サラっと飲みやすいものにしました。食のプロや料理人さんにもご意見を頂戴しました。甘みのつけかたもいろいろ試した結果、きび糖とてんさい糖を使うことに。うまみが出てクセがなく、甘みの切れ味がよくなりました。あと食物繊維のイヌリンを少し加えています。

―腸に良さそうですね。

行光 イヌリンは乳酸菌と一緒に腸の中に入ると、腸内の活性化を促すとも言われています。毎日飲んでいただくと、いろんな善玉菌が増えることも期待できます。お客様のご意見で一番多いのが「便秘が治った」なんです。

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腸内環境の改善にもつながる豆乳ヨーグルト。朝食やおやつの時間の習慣にしてみては。

―豆乳スイーツの専門店も作られたのですね。きっかけは?

行光 2023年にスタートした「粒と雫」です。私は洋菓子店の息子で、お菓子になじみがありました。店づくりのきっかけとしては、豆乳をそのまま飲むとか、にがりを入れて豆腐にするとか、揚げ、湯葉と多数ありますが、牛乳を豆乳に置き換えること、豆乳を使ったお菓子はできないかということだったんです。牛乳は仕入れないといけませんが、豆乳は私ども作っていますので。豆乳を使った焼き菓子とかプリンとかバラエティのあるジャンルに進んでいけば、豆腐とは異なる世界で販売が可能だと考えました。ただ、楽粹のお菓子というとイメージがわからないので、スタッフみんなで話し合ったり、また外部からマーケティングのプロのご意見もいただいたり(鳥取県週一副社長プロジェクト)、楽粹の豆腐のイメージを出していくうちに、大豆を厳選しているとか、水がいいとか、意見が出て、それが大豆を表す「粒」、水を表す「雫」、合わせて「粒と雫」になりました。

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豆腐の世界を超え、素材としての豆乳の可能性を広げるスイーツブランド「粒と雫」。
発芽豆乳のほかヘルシーな素材を厳選。焼菓子、生菓子合わせて30種以上。

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智頭駅から車で約20分のところにある「粒と雫」店舗。鳥取のドライブ旅行の際に立ち寄りたい。

―ご紹介いただいた「あかつき」は、その「粒と雫」の商品ですね。

行光 ガトーショコラやミニパウンドケーキなど、人気の商品15個が入ったセットです。豆乳以外にも米粉、丹波の黒豆など素材は厳選しており、黒豆はお正月の甘煮と同じ作り方をしています。乳製品を使うとおいしいけれどもカロリーが高い。豆乳を使うと、カロリーが低く、くどくないおいしさが表現できます。

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「あかつき」は人気の商品15個の詰め合わせ。パッケージも上品でギフトにぴったり。

―豆乳を使うことで難しくなったことは?

行光 うまみが出にくいことですが、生クリームや乳製品でうまみを追求するのではなく、豆乳の甘みのバランスで工夫したいと思い、苦労しました。きび糖は豆乳の臭みをマスキングしてくれるので、豆乳の匂いが苦手だった方々も「意外においしい」と言ってあれこれ食べてくださっています。

―今後の目標は?

行光 スイーツのバラエティを増やして、ECサイトをさらに広げていきたいと思っています。要冷蔵の商品も、日持ちを1週間くらいにできるようパッケージを工夫して、全国の方に“お取り寄せ”していただけるようにしたいですね。飲むだけでなく、日持ちが長いと、店舗でお菓子も手に取りやすいかなと思いますし、ヨーグルトも含めて鳥取のお土産、手土産として選んでいただけたらうれしいですね。飲むヨーグルトは、定期購入も可能ですので、今後食べるタイプなどバラエティ豊かに開発し、皆様に喜んでいただける商品作りをしていきたいと思っています。

―豆乳の可能性に興味が湧きました。本日はありがとうございました。

発芽大豆の飲む豆乳ヨーグルト

「発芽大豆の飲む豆乳ヨーグルト(5本セット)」
価格:¥2,138(税・送料込)(北海道・沖縄・離島など一部の地域は送料別)
店名:御豆腐調整處 楽粹
電話:0858-75-2515(9:00~17:00 土・日・祝日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.rakusui.co.jp/3255.html
オンラインショップ:https://www.rakusui.co.jp

あかつき

「あかつき」
価格:¥6,000(税・送料込)(北海道・沖縄・離島など一部の地域は送料別)
店名:粒と雫
電話:0858-75-2515(9:00~16:30 水曜日・年末年始除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.tsubu-shizuku.com/694/
オンラインショップ:https://www.tsubu-shizuku.com

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

行光秀夫(株式会社楽粹 代表取締役)
1955年兵庫県生まれ。米国の大学を卒業後、父の急逝により神戸市東灘区の豆腐製造業を引継ぎ代表取締役に就任。1988年豆腐造りの基本である「良質の水」を求め鳥取県智頭町に工場を移転。2023年新規事業として発芽大豆を使った豆乳スイーツショップ『粒と雫』をオープン。

<文・撮影/大喜多明子 MC/伊藤マヤ 画像協力/楽粹・粒と雫>

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