一度食べたら、止まらない!”秘伝の味たれ”で旨みたっぷり「田原市のり仲間3本(味)」
2025/01/14
ビタミンやミネラル、そして食物繊維が豊富な海苔。白いご飯の最高のおともとして日本の食卓には欠かせない存在ですが、その栄養効果とおいしさに海外からも注目が集まっています。今回、編集長アッキーこと坂口明子のアンテナに架かったのは、味付け海苔ファンの間で評判の「田原市のり仲間3本(味)」。人気の秘密を探るべく、この商品を手掛ける株式会社伊藤海苔店工場長兼専務取締役の伊藤学氏に取材陣がお話を伺いました。
株式会社伊藤海苔店 工場長兼専務取締役の伊藤学氏
―愛知県田原市は全国有数の海苔の産地だそうですね。
伊藤 はい。田原市は渥美半島の南端に位置し、三河湾に面しています。三河湾には、木曽川、矢作川、豊川という3つの大きな川からビタミンやミネラルをたっぷり含んだ水が流れ込んでいるんです。その環境が海苔の養殖にとても適していて、昔から、風味が豊かで艶やかな海苔が獲れる土地として知られていました。
―1962年に創業されたきっかけを教えてください。
伊藤 創業者は私の祖父にあたります。田原市で生まれ育った祖父は、自然と海苔の養殖に携わるようになりましたが、商売っ気のある人だったので、飴を売るなど他の商売もやっていたようです。そうこうするうち、お客様から「海苔を売ってほしい」と言われて、海苔生産者から徐々に海苔問屋に発展していったという経緯です。
その後、2代目である私の父の代から、海苔をただ販売するだけでなく、加工製造まで手掛けるようになりました。
海苔は天然のものだけに1枚ずつ違いがあるため、素材と向き合い、丁寧な加工を心がけている。
海苔の魅力を伝えられるよう、ニーズに合わせ、さまざまな商品を企画し、製造販売を行っている。
―田原市では現在も海苔の生産加工が盛んなのでしょうか?
伊藤 この辺りは、時代の流れの中で工業化が進んだ地域なんです。工場用地を確保するために海の埋め立てが進み海苔関連業者の数はずいぶん減りました。現在、田原市内では弊社を含め数社が残っているのみです。
―御社の企業理念、商品へのこだわりについてお聞かせいただけますか?
伊藤 社長は常々、「利は元にある」と言っています。つまり、仕入れがしっかりしていないとダメだという意味で、いかに良い海苔を仕入れられるかどうかが重要である、と。
キメの細かさや香り、色の具合、手で触った時の柔らかさなど、海苔にはいろいろな要素があります。一般的には、濃くて深みのある黒い色をしていて艶がある海苔であれば、旨みと香りのある、おいしい海苔、つまり良い海苔とされています。
たくさんの海苔の中から、条件にかなった海苔をいかに見分けられるかが最大のポイントですが、弊社の場合はさらに、焼き海苔、味付け海苔、塩海苔……と、それぞれ用途に適した海苔を見極める必要があります。
目利きをする際、基準となる数値はほとんどなく、頼りになるのは自分の五感なんです。私はまだまだ未熟でその力が弱く、社長の仕入れについて行き、横で見ながら勉強中です。
仕入れの際は、目、鼻、手など五感をフルに使って目利きをする。
―伊藤さんご自身は、どのような海苔をおいしいと感じられますか?
伊藤 本当に個人的な好みでいくと、味や香りが良いのはもちろん、口どけが良くて柔らかい海苔、でしょうか。そういう海苔に仕上げるのには、生産者さんに柔らかい海苔の新芽を細かく刻んで収穫してもらう必要があるのですが、すごく手間がかかります。さらに、そういう海苔は加工がしにくく、ロスも多い。
でも、おいしいんです。手間も暇もかかりますが、そこを熟練技術で乗り越えること、それこそが、弊社のこだわっているところです。
結果的に、商品は決して安くはない価格になってしまうのですが、一度召し上がっていただくと「味も香りも食感も全然違う」とおっしゃって、リピーターになってくださる方が多いんです。それがうれしいですね。妥協せず、「本当においしい海苔」を目指して作ってきてよかったと思います。
―今回ご紹介する「田原市のり仲間3本(味)」はどういう商品なのですか?
伊藤 弊社としては、とにかく一人でも多くの方に栄養豊富でおいしい海苔を召し上がっていただきたい。それにはまず食べやすい物をということで生まれた商品です。
「のり仲間」には、火加減を調整しながら丁寧に焼き上げた「焼」と小粒の塩をふった「塩」、味付きの「味」、さらにこの味を、弊社のある田原市をイメージしたデザインにパッケージした「田原市のり仲間」の4種類があります。いずれも風味豊かで香りが高く、パリッとした食感を楽しんでいただける自信作ですが、とくに「味」は、弊社オリジナル”秘伝のたれ”で仕上げた、ビリッと甘辛く深い旨みがたっぷり。弊社いちばんの人気商品です。
「田原市のり仲間3本(味)」。外箱には、三河湾に面する、
温暖で自然豊かな渥美半島田原市をイメージしたイラストが描かれている。
味付け海苔3本入り。
1本に8ツ切り48枚(板海苔6枚分)が入っている。フタを開けた時、海苔のいい香りが鼻をくすぐる。
―おすすめのいただき方はありますか?やはり、炊き立てのご飯に巻いて食べるのがおいしいのでしょうか?
伊藤 もちろん、その食べ方もおいしいのですが、この商品は「スナック感覚でそのまま召し上がってほしい」というコンセプトで作っているんですね。そのため、パリッとした食感をかなり意識しているので、ご飯を巻こうとするとパリッと折れてしまうんです。
ご飯と合わせる場合は、まずは海苔を食べていただいて、その後にご飯を口に入れていただく。そうすると、海苔そのものの味と香り、食感を楽しみつつ、ご飯と一緒においしく召し上がっていただけると思います。
色が濃く、表面は艶やか。調味料がベタつかず、パリッとした食感。食べ始めると止まらない……。
スライスチーズを挟んで、おつまみに。
―「のり仲間」という名前は、どこから?
伊藤 弊社の目指すところは、海苔を通して「おいしいね!」「うん、おいしいね!」という会話や人の交流を生み出し、思い出に残る心温まる食風景を創り出すことです。
「のり仲間」という名前の由来については、たとえば地元の方が、地元の紹介を兼ねてどなたかへの手土産にしてくださり、それを召し上がった方が「おいしいね!」と喜んでくださる。そしてその方が、「この海苔、おいしいの」と他の方に勧めてくださる……というように、海苔でご縁がつながって「仲間」がどんどん増えていったら、という思いが込められています。
―では最後に、今後のビジョンについてお聞かせいただけますか?
伊藤 海苔の需要は、贈答用商品に関しては落ちていますが、コンビニのおむすびなどは変わらず人気ですし、日本の食卓から海苔が消えることはないでしょう。海外の人たちの関心はむしろ高まっていて、たとえばフランス料理のシェフは海苔の旨み成分に注目しているんですね。実際、弊社にも「取り寄せたい」という問い合わせがあるんです。
まずは企業として、そういった時代の変化に対応できる、柔軟で強い組織作りというのを、きちんとやり続けていきたい。時代がどう動こうとも持続していける堅実な経営をしていきたい。そう考えています。
地元の方々のお子さんたちが「伊藤海苔店に就職した」といった時、周囲の方たちから「あそこなら安心だね」と言っていただけるような、そんな会社にしたいです。会社がそうであってこそ、おいしい海苔をみなさんの食卓にお届けできるのではないか。そう思っているんです。
―田原市から世界へ、「のり仲間」がどんどん増えていきますように。素晴らしいお話をありがとうございました。
「田原市のり仲間3本(味)」
価格:¥1,944(税込)
店名:伊藤海苔店
電話:0531-22-1030(平日10:00~17:30 土曜10:00~15:00)
定休日:日曜・祝日 インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://ito-nori.raku-uru.jp/item-detail/1573986
オンラインショップ:https://www.ito-nori.net/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
伊藤学(株式会社伊藤海苔店 工場長兼専務取締役)
1978年、愛知県生まれ。2002年、営業会社入社し社会勉強をした後、2003年に海苔関係会社に就職。2004年に株式会社伊藤海苔店入社し現在に至る。
<文・撮影/鈴木裕子 MC/田中香花 画像協力/伊藤海苔店>