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飲みやすいのに個性派。岩手・盛岡から世界一に輝いた!クラフトビール「BAEREN(ベアレン)」

2025/01/27

今回、編集長アッキーこと坂口明子が注目したのは、国際大会で世界一に輝いたクラフトビールです。造っているのは岩手県盛岡市北山にあるブルワリー「ベアレン醸造所」。熊のマークが特徴のこのクラフトビールを見かけたことがある人も多いかもしれません。創業メンバーで現・代表取締役社長の嶌田洋一氏に取材陣がお話を伺いました。

株式会社ベアレン醸造所 代表取締役社長の嶌田洋一氏

株式会社ベアレン醸造所 代表取締役社長の嶌田洋一氏

ご自身が創業メンバーだと伺いました。

嶌田 2001年、34歳の時に、前社長の木村剛とドイツ人のマイスター三人で起業しました。

私は以前の会社で盛岡に赴任していて、そこで木村と飲み仲間のようになり「クラフトビールの会社を立ち上げたいから一緒にやらないか」と声をかけられ、賛同しました。

もともと起業に関心があったのと、東京出身なのですが、都会の賑やかな街に価値観をあまり見出せていなかったこともあり、岩手で会社を興すことにも全く違和感はありませんでした。むしろ地方都市の良さを感じていました。

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岩手県盛岡市北山にある本社工場。
どこからも資本は受けず、純粋なビール好きたちが一から作ったブルワリー。

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「BAEREN(ベアレン)」とは、ドイツ語で「熊たち」という意味。
岩手の自然と職人の力強さを表して命名された。

当時、日本のクラフトビールはどんな状況だったのでしょう?

嶌田 地ビールのブームが終わったところで、市場的には厳しい時代でした。でも、私たちは特にブームだからやろうという感覚ではなくて、こだわりとかストーリーのあるプレミアムなビールを飲む、そういう文化につながるものを作りたいという思いで始めました。流れにのったり、ここがチャンスというような感じは全くなく、自分たちがやりたいことをやろう、ということです。

―創業時のこだわりは、どんなことだったのでしょうか?

嶌田 地元の方や地域の方にまず飲んでもらいたい、という思いがありました。普段あまりクラフトビールなどを飲まない方々にこそおいしく飲んでもらえるようなもので、かつ大手のビールとは差別化されたものでないと、と思っていました。

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工場は見学も可能で、イベントなども随時開催。
盛岡駅から車で10分ほどの立地ということもあり、
観光の方もやってくるが、やはり地元の人たちが多く参加してくれるそう。

嶌田 ただ当時も、大手と違うものを造ろうという意識が強すぎて“キワモノ系”というか、変わったビールを造っていたところが多かったんです。クラフトビールといえばインパクト狙い、話題性狙いになっているところがありました。私たちはそうではなくて、地元に住んでいる人が特別な時に飲める、そういうビールにしたかったので、大手のビールの延長線上でありながら、コクだとか香りだとかといったところで、やはり大手では出せない味わいの豊さや特徴があるビールにすることを念頭に置いていました。

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醸造設備は、ドイル南部のブルワリーで100年以上前まで使われていたものを移設している。
ヨーロッパの雰囲気が息づくビールに。

ベアレンのビールの特徴とは?

嶌田 「飲みやすい」というのは曖昧な言葉だとは思いますが、一般的に「飲みやすい」といえば、うちのビールは全部「飲みやすい」と思います。日本人とって「飲みやすい」は一つの価値観でもあるのは確かだと思いますし。

ことクラフトビール市場においては、全般的に特徴のはっきりしたものの方がウケるんですよね。たくさん銘柄が並んでいる中で、飲みやすいビールというのは印象に残りにくいというか。すごく酸っぱいとか苦いとかだと「あのビールはすごかったよね」となりやすいのですが、そういうこととはちょっと違うというか、そこを狙って勝負してはいないです。

―クラフトビール業界の中では、逆に珍しい?

嶌田 大手ができないことだけれど、いわゆるクラフトビールの流れとも違うところにポジショニングしています。本来、大手と中小規模の醸造所の差って、そういうところだと思います。少量の生産だからこそできる味わいや、地域の方々と近いところで造って飲んでもらうことは、小さい会社が得意とするところかなという気がします。

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確かに飲みやすいが、一気に飲むのではなく、
じっくり味わいたい芳醇な香りとコクがある。
瓶や王冠などにもヨーロッパの雰囲気を感じる本格ビール。
あえて小さなグラスに注いで飲み比べてみるのも楽しそう。

ネットでの発信も特徴的ですね。

嶌田 立ち上げの頃からインターネットを使ってホームページは作っていました。やはり小さい会社がものづくりをして販売する上で、ストーリー共有は必要不可欠だと思っていましたから、準備やビールが出来上がるまでのことをブログで発信していました。

単純にビールがおいしいから飲んでもらうだけではなく、地域を元気にしたい、大好きな岩手を盛り上げたい、そういう人に飲んでもらえることを目指していました。地域密着の価値創造というのが、やはり私たちの大きな目標なのです。

―今回、ご紹介いただくトライアルセットについて教えてください。

嶌田 ベアレンの評判を聞いた方に、初めて飲んでもらうのにいいセットです。50種類以上のベアレンビールの中から、いわゆる定番と人気のものを5種6本セットにしました。

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嶌田 やはり「ベアレンクラシック」が一番長く造られているもので、「これぞベアレン」と言うべきもの。ドイツでよく飲まれているラガービールです。コクがありながらバランスの良い味わいが特徴で、「世界伝えたい日本のクラフトビール1位」に選ばれています。

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嶌田 「TGピルスナー」は、チェコスタイルのピルスナー。こちらも国際大会で部門別世界1位になったこともあります。チェコ産のザーツホップをふんだんに使った苦味の効いた味わい。それでいてのど越しよく、飲んだ後の余韻も楽しめます。

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嶌田 「ベアレンシュバルツ」は黒ビールで、国際ビールコンクール「Finest Beer Selection2023」にて第1位 BEER OF THE YEAR INTERNATIONALを獲得しました。黒ビールですが、クセが強すぎず、まろやかで口当たりのいい1本です。他にはないバランスで、黒ビールが苦手という方にも楽しんでいただけると思います。

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嶌田 「レモンラードラー」は、ドイツではよく飲まれているビールのレモネード割りです。天然のレモン果汁を使用していて、すっきり軽い味わい。アルコールに強くない方にもおすすめです。

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嶌田 「クラシック」の缶ビールも入っています。ベアレンビールは当初は瓶ビールだけだったのですが、やはり缶も必要だろうということで第2工場を作りました。より飲みやすさを追求した軽やかな味わいのものを造っています。クラフトビール好きな方には瓶がおすすめですが、どちらもおいしく飲んでいただけると思います。

やはり全体的にはドイツビールを基本としているのですか?

嶌田 ドイツビールが基本というより、ドイツのビール文化には、私たちがリスペクトしたい、目指したい世界観があると思います。醸造所も町ごとにありますから、ドイツビールといっても広いというか、地域ごとに飲んでいるビールが全然違いますし、味わいも町ごとに違います。地域に密着したビールというのがあって、それぞれの町のビールを愛しているようなところが、日本とは違っています。

日本では、地元のビールを飲むというような習慣もそこまでないですよね。あっても日本酒くらいで。岩手でもそうでした。そういう意味でも、ベアレンは日本でも珍しい、地域に密着したビールを造っていると思います。

―今後の展望を教えてください。

嶌田 まだまだクラフトビールの文化を醸成できているかというと、長い時間をかけて地元の人に飲んでいただかなければいけないと思っています。グローバルな視点は持ちつつも、商売はローカルにやっていくというところを大事にしていきたいですね。

また、こういうトライアルセットなどを通じて、県外の方にも岩手や盛岡を知ってもらって、「いいな」と思ったら実際に飲みに来てほしいと思います。工場見学も行っていますので、足を運んでもらえると嬉しいです。やはり現地で飲んでいただくと、一味違いますから。

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工場見学は、要予約。ビール試飲付きや30分飲み放題のコースも。
また、市内に直営レストランも4店あり、
そこではじっくり樽生を味わうことができる。

―岩手・盛岡での丁寧なものづくり、こだわりを知ることができました。本日はありがとうございました。

ベアレン醸造所のクラフトビールトライアルセット

「ベアレン醸造所のクラフトビールトライアルセット」
価格:¥2,860(税込)
店名:株式会社ベアレン醸造所
営業時間:9:30~17:30 定休日なし
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/baeren/try980/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/baeren/?s-id=top_normal_shophist

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

嶌田洋一(株式会社ベアレン醸造所  代表取締役社長)
1967年東京都出身。1990年、東京農工大学 農学部卒業後、協和発酵工業株式会社に入社。盛岡営業所で酒販店の営業を担当し、その後本社で販促企画や商品開発に従事。2001年、同社を退職し、有限会社ベアレン醸造所の創業メンバーとして参加。2006年、株式会社ベアレン醸造所へ移行し、専務取締役に就任。2022年、代表取締役社長に就任。

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/田中香花 画像協力/ベアレン醸造所>

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