大分発、カボスの酸味と夏みかんのつぶつぶ食感が楽しめる「つぶらなカボス」など
2025/02/05
株式会社ジェイエイフーズおおいたは、豊かな自然に恵まれた大分ならではの食材を使ったドリンクを開発してきました。おなじみの「つぶらなカボス」はアッキーこと坂口明子編集長も大のお気に入り商品ですが、そのほかにも気になる商品がたくさん。独自の商品開発の秘密を株式会社ジェイエイフーズおおいた 代表取締役社長 大塚修司氏に取材スタッフがうかがいました。
株式会社ジェイエイフーズおおいた 代表取締役社長 大塚修司氏
―「ジェイエイフーズおおいた」はJA(農業協同組合)関連の企業でしょうか。
大塚 一般の方には確かに分かりにくいかもしれませんね。当社を説明するときにJAグループの会社ですと説明すると皆さん、納得してくださいますが組織としては別です。
当社は1972年(昭和47年)、大分県果実農業協同組合連合会杵築工場として始まりました。当時、日本のみかん産地では、みかんが過剰生産となり、ジュースなどの加工品にしようといういう動きになり、全国に加工工場を作るという政策の中で、大分も手を上げて工場を作ったという歴史があります。ですから最初はカボスではなくてみかんの加工から始まっているんです。その後、工場を整備するなどして発展し、1991年に株式会社ジェイエイフーズおおいたが発足しました。
収穫されたカボスは工場で洗浄され、果汁を搾る。
―大塚社長も大分出身ですか。
大塚 そうです。私は石仏で有名な臼杵市生まれです。そこで小中高までいて東京の大学に進学しました。卒業後、生まれ育った地元大分へ貢献したいと考え、大分県経済農業協同組合連合会に就職しました(現・JA全農おおいた)。その後、2013年に当社に来て管理部長、常務取締役になり、2022年に社長を拝命しました。まだこちらに来て10年ほどなので知らないことも多いのですが、全農おおいたと当社を結ぶ橋渡し役だと思って務めています。
―さて、御社といえば「つぶらなカボス」が看板商品ですね。開発のきっかけは?
大塚 先ほども申し上げたように、当社は最初、みかんの加工品からスタートしました。みかんの「さのう」、つまり粒粒ですが、これを果汁に入れたつぶ入りみかんジュースを製造したのは当社が日本初だと資料で見た記憶があります。それが大分の名産品であるカボスに移行したのが「つぶらなカボス」です。ご存じないかもしれませんがカボスは年間6,000トンほどの生産量があり、大分を代表する果実です。飲料にも向いているので、過剰になったときは加工して飲料にしてもおいしいということで、原料の手当てという面では強みがありますので商品開発に至りました。発売開始が2001年ですからもう20数年になります。最初はショット缶というよくコーヒー缶に見られるプルトップ型の缶でしたが、缶ラインの稼働率を上げることと、粒を最後まで飲み切りやすくすることを目的として、現在の広口ボトル缶容器になりました。
大分といえばカボス。
カボスを使った飲料はジェイエイフーズおおいたならでは。
―カボスは健康にいいですね。
大塚 生産地では昔から風邪ひいたなと思ったときは、カボスの果汁をきゅっと絞って、はちみつや砂糖を入れて飲んで喉の薬や風邪薬として使っていました。医学的に言えばビタミンC、クエン酸の効果ということになるのですが、そういうことは分からなくても、暮らしの中で普通に利用していたなじみのある食材です。
―製造はどのようにしていますか。
大塚 カボスは毎年9月の半ばごろから11月ぐらいまでの期間に収穫されます。11月ぐらいになると黄色くなってくるので、9月ごろ収穫した酸味の強いカボスと11月ごろに収穫した酸味が穏やかなカボスをバランスよく配合して絞ります。カボスの果汁は10%とかなり高濃度に入っています。そうなると酸味が強くなるのではちみつを入れておいしく飲めるようにしています。
中に入っている粒はカボスではなく、夏みかんです。カボスは果肉が柔らかくて、プチプチした粒の感触が弱くなるため、国内産の夏みかんの粒を入れています。これらの果汁の配合率、はちみつの分量、また粒感の出し方などは開発時にかなり試行錯誤して調整したと聞いています。
果汁の中に粒という固形物を入れて飲料にするというのは製造としては難しいものです。当社がこれまでやってこれたのは独自の技術と長年の経験に因るものです。
―そのようにして香り高くておいしい「つぶらなカボス」が完成したのですね。販売場所は?
大塚 スーパーマーケットなどの量販店さんで販売しているほか、郵便局でも販売しています。皆さんも「郵便局でよく見る」と思われる方が多いでしょうし、私もよく言われますね。当社は地方の小さい会社ですので、大手ブランドの企業に比べると情報を発信する力が弱く、販売力という点でもどうしても力不足でしたので、2013年に郵便局と業務提携していただいたのが大きな転機でした。また「ふるさと納税」の返礼品でも入手できますし、当社のECサイトでも販売しています。
中につぶが入った「つぶらな」シリーズは6種類。
―「つぶらな」シリーズはカボスのほかにもあるのですね。
大塚 全部で6種類(カボス、ユズ、ミカン、ブドウ、リンゴ、モモ)です。一番新しいのが「つぶらなモモ」で中にはアロエが入っています。もちろん、カボスが一番の人気ですが、ほかの商品もぜひ試していただけたらと思います。「つぶらな」シリーズはどれも内容量が190gです。果汁ですので水やお茶のようにたくさん飲むのではなく、ちょっと喉が渇いたときや少し甘い飲料が欲しいときなどに、お子さんやシニアの方にも気軽に飲んでいただけるちょうどいい飲み切りサイズになっています。
機能性表示食品も開発されている。
右の「長命草のチカラ」は¥4,510(190g×24本入/税・送料込)
左の「カボスのチカラ」は¥3,790(190g×24本入/税・送料込)
※送料は北海道、沖縄のみ¥300
「長命草のチカラ」はボタンボウフウ由来のクロロゲン酸が
16.8mg配合されている。少しの苦みがあるがさっぱりとした飲み心地。
「カボスのチカラ」は酸味が特徴。疲れたときなどに飲むとスッキリしそう。
―機能性表示食品「長命草のチカラ」、「カボスのチカラ」はどんな商品ですか。
大塚 「長命草のチカラ」は長命草(ボタンボウフウ)というもともとは沖縄の海岸部に自生していた野草を含んだ「機能性表示食品」です。長命草に含まれるクロロゲン酸には食後に上がる血糖値を抑制する働きが知られています。大分でも豊後高田で栽培されていて、粉末にして販売していました。栽培面積もどんどん増えていて、さらに多くの方に利用していただきたいという地元の方からの声でドリンクとして開発された商品です。長命草粉末にカボス果汁、大麦若葉を加え、はちみつでまろやかな甘みを出しています。健康志向が強まる時代、アンチエイジングや美肌効果が期待されています。
また、機能性表示食品第一弾となる「カボスのチカラ」という商品もあります。これは「つぶらなカボス」のカボス果汁が10%なのに対して、カボス果汁が30%とたっぷり入っていて、継続的な摂取で日常生活や運動後の疲労感を軽減する効果が期待されています。
―2025年1月に「酔わないかぼすハイボール」という商品も新発売されました。
大塚 ノンアルコール飲料です。お酒が飲めないけれど雰囲気は楽しみたい人、ハンドルキーパー役でお酒の席にいるけれど飲むことができない人のために開発しました。飲めない人も一緒に楽しく参加できる、今の時代に合った飲料だと思います。
「酔わないかぼすハイボール」はハンドルキーパー役の人にもおすすめ。
酔わないかぼすハイボールはこちら
https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/products/detail/103
―今後の御社の目指すこと、消費者へのメッセージなどお聞かせください。
大塚 大分県は古代から「豊の国」と呼ばれたように、自然の恵みが豊富な地域でした。広い平野がない分、地域ごとにバラエティに富んだ作物ができるのが特徴です。そんな環境の中で各地域の農家の方々が努力を重ねてきました。
今後も当社の企業理念に沿って、大分の作物を使って安全安心な飲料を製造し、消費者の方々の食の改善や健康に貢献したいと思っています。大手企業さんがなかなか手を伸ばしにくいニッチな分野で当社ならではの商品開発をしていきたいですね。また地方の雇用に貢献するためにも企業として長く継続できるように努めたいと考えています。
―大分県の食材の魅力に触れることができ、有意義なお話でした。ありがとうございました。
「つぶらなカボス」
価格:¥3,960(190g×30本)
店名:JAフーズおおいたショッピングサイト
電話:0978-62-6503(9:00~17:00 土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/products/detail/13
オンラインショップ:https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/
「つぶらな」シリーズ:https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/products/list?category_id=12
「長命草のチカラ」
価格:¥4,510(190g×24本)
店名:JAフーズおおいたショッピングサイト
電話:0978-62-6503(9:00~17:00 土日祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/products/detail/102
オンラインショップ:https://www.jafoods-oita.co.jp/shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
大塚修司(株式会社ジェイエイフーズおおいた 代表取締役社長)
1961年大分県生まれ。1984年全国農業協同組合連合会(旧:大分県経済農業協同組合連合会)に入会。2016年4月株式会社ジェイエイフーズおおいた常務取締役に就任。2022年6月同社代表取締役社長に就任。自社商品の販売拡大、社内労働安全衛生活動にも注力している。
<文・撮影/今津朋子 MC/田中香花 画像協力/ジェイエイフーズおおいた>