独自の製法で作る千葉県銚子産のいわしの佃煮。酒の肴にしてもお料理に使っても便利この上なし!

2025/02/06

いわしといえば千葉県銚子の名産品。そのいわしを煮つけたのが今回ご紹介する商品です。この会社だけの独自の調理法で作られた甘辛味の佃煮は口の中でほろほろ崩れるほど柔らかく食べやすいのが特徴。アッキーこと坂口明子編集長もおすすめの逸品です。酒の肴やご飯の供、料理の具材にするなど使い勝手は抜群。この商品を開発したきっかけ、おいしい食べ方を青柳食品株式会社代表取締役社長の坂本通宏氏に取材スタッフがうかがいました。

青柳食品株式会社 代表取締役社長 坂本通宏氏

―創業は1963年とうかがいました。

坂本 そうです。当社は1963年、水郷の町として有名な佐原市(現・香取市)で青柳商店という名前で海産物を扱う事業を始めました。江戸時代、東北や関東各地の年貢米や物資は利根川を遡り江戸川を下り、江戸の蔵前や日本橋へ運ばれていました。佐原はその中継点として、物資や人の往来が非常に盛んな商業都市でした。当社が創業した昭和30年代にはまだ水運が盛んで、当社は1965年には銚子港で水揚げされた新鮮ないわしをそのまま船で利根川やその支流である小野川の水路を利用して運び、加工して佃煮を作っていました。その後、工場を新設したり、1973年に株式会社に改組したりして現在に至ります。佃煮を作り始めて60余年ということになりますね。

銚子に上がった新鮮ないわしが原料になる。

―いわしといえば銚子が名産地ですね。いわしの魅力とは?

坂本 最近は気候温暖化の影響でいわしの産地が東北地方へ、北海道へと北上しているようですが、現在でも銚子港は日本有数の漁獲高を誇るいわしの産地です。漁獲高が減るとともにかつては庶民の食べ物だったいわしも価格が上がり高級魚になりつつあると言われていますが、それでもまだまだ私たちの暮らしに身近な魚と言えるでしょう。銚子産のいわしの旬は1月から2月ですが、お刺身で食べてもおいしい、お寿司にしてもおいしい、焼いてもおいしい。もちろん、佃煮にしてもおいしいです。私はいわし、大好きですね(笑)。

―坂本社長は何代目の社長様でしょう。

坂本 私は4代目になるのですが、創業者の親族ではなく昨年、社長に就いたばかりです。私の職歴としましては、新卒で通信社に勤務。その後、30代半ばでホテル業に転身しました。20余年、静岡県で最終的には4つほど宿泊施設を経営していました。57歳になったときに今までやってきたホテル業から離れ約1年間、バックパッカーとして東南アジアおよびヨーロッパを旅行して帰国しました。今から1年前に当社と系列企業である東薫酒造をM&A(企業買収)という形で買収し経営することになりました。

―異色のご経歴ですね。なぜ食品業界に転身しようと思われたのですか。

坂本 東南アジアを旅しているとたくさんのSAKE(日本酒)と呼ばれる商品が売られていました。しかし、それらのほとんどは日本以外の国で造られた商品で、正直言ってSAKEとは書いてあるものの日本酒ではありませんでした。東薫酒造は江戸時代の文政年間創業という由緒ある酒蔵です。私は日本で作られた本当においしい日本酒やそれに合う日本の食品を輸出したいと思い、この業界に飛び込んだのです。

実は最初に興味があったのは日本酒でしたが、実際にやってみると日本酒造りは奥行きは深いものの商品開発がシンプルであるのに対して、食品製造の仕事はアイテムがバラエティに富んでいてとてもおもしろいと思いました。こういう食品を作りたい、消費者の方にこんなものを食べていただけたらいいという気持ちで発想したら、ここには機械も作る人も揃っていて、安心安全に作ることができ、おいしい商品をお客様に届けることができます。今はその過程を楽しんでいますね。

新鮮ないわしを佃煮にしている看板商品「いわし銚子煮」。

―御社の看板商品は「いわしの銚子煮」ですね。どのように製造していますか。

坂本 普通、いわしの佃煮というと頭もワタ(内臓)もついたまま煮ます。うちの佃煮がほかと違うところは、頭とワタを取って煮ているという点です。この作業は現場のスタッフさん約10名が手作業で行っています。小さいサイズのいわしを使っているので、頭を取って内臓を上手に引き出すのは繊細で熟練を要する作業です。

頭とワタを取った後、1回塩ゆでして1日乾燥室にて乾燥させた後、両面を焼いて香ばしさをつけ、その後で煮るという「焼き干し製法」で時間と手間をかけて製造しています。一度茹でることで青魚特有の苦みや臭みが取れ、さらに焼くことでうま味が閉じこめられます。このような手間をかけることで、どなたでも食べやすい佃煮になります。骨まで柔らかく口の中でほろほろ溶けるように柔らかく、お子さんでも食べられるのが特徴です。

ご存じのように、いわしにはたんぱく質が多く含まれ、カルシウム、ドコサヘキサエン酸など体にいい栄養が豊富です。子どもたちの成長に役立ち、シニア世代にはフレイル予防などの効果があるので、たくさん食べていただきたいですね。

時間と手間をかけて製造される「いわし銚子煮」。

―調味料は何を使っていますか。

坂本 しょうゆは銚子のヤマサしょうゆを使い、みりんも千葉県産を使っています。いわしも100%銚子産なので、主要な材料はオール千葉県で作られていますね。佃煮のたれは継ぎ足したものを使っているのでコクがあります。佃煮というと味が濃く塩辛いイメージがありますが、特上の調味料を使用しているのでうま味があり、塩辛さはそれほど感じられないと思います。

3種類の味が楽しめる「海鮮小鉢」。

―おいしさの秘密が分かりました。「海鮮小鉢」という商品は、違う味とのセット商品ですね。

坂本 明太子いわしとごぼういわしがセットになっています。明太子はアラスカ産で漬け汁も自家製です。近々、明太子の老舗「やまや」さんの製品を使うことも予定しております。これによりさらにおいしさがグレードアップするでしょう。ごぼうは、国内産のおいしいごぼうを厳選していわしの銚子煮のたれで煮込んでいます。ほくほくした食感が酒の肴やご飯の供にぴったり合います。

「いわし銚子煮」をたれごと炊飯器に入れて炊くだけで風味豊かな炊き込みご飯ができる。

―佃煮以外で食べ方はありますか。

坂本 銚子いわし、ごぼういわしは炊き込みご飯にしてもおいしくいただけますよ。明太いわしはパスタの具材として合います。酒の肴やご飯の供以外の調理法はホームページに掲載していますので見ていただけたらと思います。

「明太いわし」を使えばピリ辛味のパスタが手軽にできる。

―これらの商品の販売チャネルは?

坂本 千葉県内のお土産物屋さん、成田空港で販売しているほか、県外では大手スーパーマーケットに置いています。また当社ホームページと連動して大手ECサイトにも出品しています。

御社の今後の展望をお聞かせください。

坂本 「いわしといえば青柳」と評判が定着しているのですぐにいわしから離れようとは思っていませんが、いわしの佃煮を発展させた形で、いわしをクリームチーズに練り込んだ商品や、いわしをマヨネーズに入れてディップにできる商品を試作しています。また、商品は人間だけに絞らず、ペットフードの販売もすでに始めています。一方、東薫酒造の米麹を利用してフルーツ果汁を入れた甘酒などの製造も開始しております。

―社長のアイデアはどこから生まれるのでしょう。

坂本 テレビでよく食べ歩きの番組がありますよね。あれをよく見ていますが、紹介された食品そのものを見るのではないんですね。食品を食べたタレントさんが、たとえば「私は北海道出身だけれど、うちの方ではこんな食べ物があるけど、これに入れたらおいしいかもしれない」とコメントしたりするのが参考になるのでそれをメモしたりしますね。いろいろなことが発想できるので食品の商品開発は本当に楽しいです。

ー社長が楽しんで仕事に向かう姿勢に感銘いたしました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

「銚子いわし煮(200g)」
価格:¥594(税込)
店名:青柳食品オンラインショップ
電話:0478-58-5688(9:00 ~ 17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/sensyoku-hyakusen/137.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/sensyoku-hyakusen/

「海鮮小鉢さわやかセット(300g)」
価格:¥1,215(税込)
店名:青柳食品オンラインショップ
電話:0478-58-5688(9:00 ~ 17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/sensyoku-hyakusen/46.html
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/sensyoku-hyakusen/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

坂本通宏(青柳食品株式会社 代表取締役社長) 
1965年生まれ。1987年株式会社時事通信社に入社、2000年に退社後、宿泊業に進出し、静岡県でペンション、レストランなどを経営する。2022年ホテル事業から撤退。2323年青柳食品株式会社、東薫酒造株式会社の代表取締役に就任。2024年青柳食品販売株式会社取締役を兼務。

<文・撮影/今津朋子 MC/田中香花 画像協力/青柳食品>

羽田甚商店

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